大田中秀一のキャデラックXT5試乗レビュー 〜友達とどこかへ遊びに行きたくなるクルマ
更新日:2024.09.09
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今のところブランド最小のキャデラックXT5クロスオーバーに夜の都内で短時間試乗する機会を得たので、感想を述べてみたいと思います。今のところ、と但し書きをしたのは、先のニューヨーク・モーターショーで、より小さいXT4を発表したからです。
文・大田中秀一(Autanacar Jepang)
文・大田中秀一(Autanacar Jepang)
キャデラックXT5はブランド最小といってもデカい
試乗コースは、新橋、品川界隈の一般道と首都高一回り半くらいだったのですが、走り初めてまず気になったのはそのサイズ、とりわけ1,915mmもある車幅です。
車線が狭い上に交差点の先で微妙にラインが変っていたり、路上駐車も多かったりする一般道では最初ものすごく気を遣いました。慣れればどうということはないのかもしれませんが。左ハンドルであるということも少なからず影響しているでしょう。
上質でかけ心地のいいシート、アクティブノイズキャンセレーション付きボーズのオーディオシステム、ウルトラビューパノラミック電動サンルーフなど装備の点ではこれ以上必要なものはないくらい備わっているので、特に追加で何を要求するということはないのですが、三点気になることがありました。
車線が狭い上に交差点の先で微妙にラインが変っていたり、路上駐車も多かったりする一般道では最初ものすごく気を遣いました。慣れればどうということはないのかもしれませんが。左ハンドルであるということも少なからず影響しているでしょう。
上質でかけ心地のいいシート、アクティブノイズキャンセレーション付きボーズのオーディオシステム、ウルトラビューパノラミック電動サンルーフなど装備の点ではこれ以上必要なものはないくらい備わっているので、特に追加で何を要求するということはないのですが、三点気になることがありました。
キャデラックXT5に試乗して気になった点
まず、GMのクルマはカーナビを搭載していない代わりに「Apple CarPlay」やGoogleの「Android Auto」に対応しているのですが、スマートフォンの接続がうまくいかない。
オーナーになってしまえば特に問題にはならないのでしょうけど、こういう接続というのはなにかの拍子に難儀することがあるので、合理的に考えればこの方式だとは思いますが、正直ちょっと苦手です。
「ウチはさぁ、インテリな人しか相手にしてないからぁ」なんてジョージの声が聞こえてきそうですけど(笑)。
もう一つはリアカメラミラー。ルームミラーにカメラの画像を映す、死角を大幅に減らすことがうたい文句なんですけど、死角が少なく見える範囲が多いということは、見えるものが小さくて見づらいということと、現実世界とは違う見え方をしているということを意味します。
このため、ミラーでは遠くにいたはずのものが突如横に現れてぎょっとするということが起こります。ルームミラーに映っていた後続車がすーっとミラーから消えていくと同時にすーっと視野の端に現れるという自然な見え方をしない。単なるミラーとの切り替えもできるので実用上は問題ないのでしょうけど。
三つ目はどうにもならないこと。メーターパネルに日本語が表示されるのはいいのですが、このフォントがとんでもなく安っぽい。
これはこのクルマに限らず輸入車全般に言えることですが。せっかくの高級車なのにこのフォントのせいでムードが台なしです。文字というのは重要なインターフェイスなので、他の部分のデザインと同様にだいじにデザインしてもらいたい。実に残念です。
オーナーになってしまえば特に問題にはならないのでしょうけど、こういう接続というのはなにかの拍子に難儀することがあるので、合理的に考えればこの方式だとは思いますが、正直ちょっと苦手です。
「ウチはさぁ、インテリな人しか相手にしてないからぁ」なんてジョージの声が聞こえてきそうですけど(笑)。
もう一つはリアカメラミラー。ルームミラーにカメラの画像を映す、死角を大幅に減らすことがうたい文句なんですけど、死角が少なく見える範囲が多いということは、見えるものが小さくて見づらいということと、現実世界とは違う見え方をしているということを意味します。
このため、ミラーでは遠くにいたはずのものが突如横に現れてぎょっとするということが起こります。ルームミラーに映っていた後続車がすーっとミラーから消えていくと同時にすーっと視野の端に現れるという自然な見え方をしない。単なるミラーとの切り替えもできるので実用上は問題ないのでしょうけど。
三つ目はどうにもならないこと。メーターパネルに日本語が表示されるのはいいのですが、このフォントがとんでもなく安っぽい。
これはこのクルマに限らず輸入車全般に言えることですが。せっかくの高級車なのにこのフォントのせいでムードが台なしです。文字というのは重要なインターフェイスなので、他の部分のデザインと同様にだいじにデザインしてもらいたい。実に残念です。
キャデラックXT5のV6エンジンのフィーリングはやはり魅力的
と、言いながら、走らせている間は、3.6リッターV6エンジンと8速ATによるなめらかで気持ちのいい走りに大満足。
コツコツなのにふわりふわりするなど気になることがないではないですが、そんなことは大した問題ではありません。ダウンサイジングが進み、4気筒化されるクルマが続々現れるこの世の中なので、V6エンジンのフィーリングはやはり魅力的です。特にこういうクルマには必要な、優雅な気分には欠かせません。
それと、私が以前から思っているアメリカ車の魅力というか特徴がこのXT5クロスオーバーにもありました。それは、”友達とどこかへ遊びに行きたくなるクルマ”ということです。一人ではもちろんなく、美しいパートナーと二人でもなく、友人を加えた3人以上で乗りたい。男だけ5人でもいいし、自分やパートナーの友人でもいい。
不思議な感覚なんですが、座った瞬間にふと、みんなで楽しく遊びに行っているイメージが頭に浮かぶのです。一人で乗っていると、友達がいないさびしい人という気分になります。試乗のときも3人乗車だったのですが、何やら楽しい気分になり、「このまま北川温泉のアメリカが見える露天風呂でも行っちゃう?」、「金沢の朝市においしい魚食べに行く?」なんてことを言いたくなりましたから。
この二点だけでこのクルマを買う理由には充分です。でも乗らないとわからないと思うので、ぜひ多くの人に試乗して欲しいと思います。
*
と、思っていたら、乗れるイベントが近々大阪と東京で開催されるというニュースが届きました。タイアップ記事かと誤解されるのは嫌なのですが、せっかくなので紹介しておきます。
「YOUR LIFE, AND XT5 @ CADILLAC PLACE」
「キャデラック XT5 CROSSOVER」に乗って触れていただく1日限りのイベント
大阪:4月19日(木)11:00~21:00
@TAKAMURA WINE & COFFEE ROASTERS
大阪府大阪市西区江戸堀2-2-18
東京:4月26日(木)11:00~21:00
@TRUNK(HOTEL)
東京都渋谷区神宮前5-31
このイベントは事前登録制らしいので、ご希望の方は専用サイトにアクセスして登録してください。
コツコツなのにふわりふわりするなど気になることがないではないですが、そんなことは大した問題ではありません。ダウンサイジングが進み、4気筒化されるクルマが続々現れるこの世の中なので、V6エンジンのフィーリングはやはり魅力的です。特にこういうクルマには必要な、優雅な気分には欠かせません。
それと、私が以前から思っているアメリカ車の魅力というか特徴がこのXT5クロスオーバーにもありました。それは、”友達とどこかへ遊びに行きたくなるクルマ”ということです。一人ではもちろんなく、美しいパートナーと二人でもなく、友人を加えた3人以上で乗りたい。男だけ5人でもいいし、自分やパートナーの友人でもいい。
不思議な感覚なんですが、座った瞬間にふと、みんなで楽しく遊びに行っているイメージが頭に浮かぶのです。一人で乗っていると、友達がいないさびしい人という気分になります。試乗のときも3人乗車だったのですが、何やら楽しい気分になり、「このまま北川温泉のアメリカが見える露天風呂でも行っちゃう?」、「金沢の朝市においしい魚食べに行く?」なんてことを言いたくなりましたから。
この二点だけでこのクルマを買う理由には充分です。でも乗らないとわからないと思うので、ぜひ多くの人に試乗して欲しいと思います。
*
と、思っていたら、乗れるイベントが近々大阪と東京で開催されるというニュースが届きました。タイアップ記事かと誤解されるのは嫌なのですが、せっかくなので紹介しておきます。
「YOUR LIFE, AND XT5 @ CADILLAC PLACE」
「キャデラック XT5 CROSSOVER」に乗って触れていただく1日限りのイベント
大阪:4月19日(木)11:00~21:00
@TAKAMURA WINE & COFFEE ROASTERS
大阪府大阪市西区江戸堀2-2-18
東京:4月26日(木)11:00~21:00
@TRUNK(HOTEL)
東京都渋谷区神宮前5-31
このイベントは事前登録制らしいので、ご希望の方は専用サイトにアクセスして登録してください。
最後にお願いです。右ハンドル車を作ってください。
日本市場だけを考えるとまったく割に合わない話でしょうけど、インドネシア、シンガポール、マレーシア、タイ、インド、スリランカ、香港、マカオ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカなどキャデラックが欲しい、買えるようになる右ハンドルの国や地域はたくさんあります。
アジア・オセアニア地域では、いくつかある秘密工場(潜入ルポはまた別の機会に!)で右ハンドルに改造されたキャデラックに高いお金を払って乗っている人も多いので、右ハンドルを出せばそれなりに売れると思うんですけど。
日本市場だけを考えるとまったく割に合わない話でしょうけど、インドネシア、シンガポール、マレーシア、タイ、インド、スリランカ、香港、マカオ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカなどキャデラックが欲しい、買えるようになる右ハンドルの国や地域はたくさんあります。
アジア・オセアニア地域では、いくつかある秘密工場(潜入ルポはまた別の機会に!)で右ハンドルに改造されたキャデラックに高いお金を払って乗っている人も多いので、右ハンドルを出せばそれなりに売れると思うんですけど。
大田中秀一|Otanaka Shuichi
乗りもの、特にクルマ好きで、見ること、乗ること、しゃべることすべてが好き。5年間のレース参戦経験を活かし、レーシングスクールインストラクターも時々務める。大型二種免許も所有していることもあり、運転技術に関しての研究も行なう。モビリティに関わることすべてを興味のままに取材、自動車専門誌並びにweb、経済ニュースサイトなどに寄稿している。世界のマイナーモーターショーウォッチャー、アセアン・ジャパニーズ・モータージャーナリスト・アソシエーション会長、インドネシアにも拠点がある無意識アセアンウォッチャー。