受け継がれたヤマハイズム YZF-R25
更新日:2024.09.09

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熱いヤマハが帰ってきた。「YZF-R25」を全力加速させ、スチール製ダイヤモンドフレームに搭載された新設計の水冷並列2気筒エンジンをレッドゾーンまで回したときにそれを実感した。
text:横田和彦 photo:武田大佑 [aheadアーカイブス vol.146 2015年1月号]
text:横田和彦 photo:武田大佑 [aheadアーカイブス vol.146 2015年1月号]
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受け継がれたヤマハイズム YZF-R25
コーナーリング時の軽快かつ安定した操安性は、歴代のモデルに受け継がれてきたヤマハハンドリングそのものだったのだ。デザイン的には新たなチャレンジがあった。
目線の高さからはヘッドライトが見えにくい逆スラントのフロントカウルを採用したのだ。小さなボディにヤマハが培ってきたスポーツDNAがギッシリと詰め込まれている。
近年、盛り上がりを見せつつある250㏄クラスのスポーツバイクに、ヤマハはなかなかニューモデルを投入しなかったので、「流れに乗り損なった」「完全に出遅れた」などと悪く言う人もいた。
メーカーの内情はわからないが、見ていて、このクラスに活気が感じられなかったのは確かだ。他メーカーの躍進を横目に、一番気をもんだのはヤマハファンであろう。
しかしヤマハは止まったままではなかった。じっくり開発を重ね、満を持して発表した「YZF-R25」は、あらゆる面でライバル車を超えていたのだ。
それは単純にスペックだけでの話ではない。確かに最高出力は現在の国内生産車ではトップである。しかしその差はピークで5馬力程度。250㏄・2気筒で現在の厳しい騒音、排出ガス規制をクリアするとなれば、出せる性能というのはある程度決まってしまい、極端な性能差がつけられるものではない。
そこでヤマハが重視したのは〝テイスト〟である。250㏄スポーツモデルの使われ方 ―日常の市街地走行から峠道、ロングツーリングからサーキットでのスポーツランまで― を広くカバーするため、徹底的に味付けにこだわったのだ。
それは極低回転域から淀みなく吹け上がるエンジン特性や、速度域に関わらずライダーの意思にシンクロし、決して裏切ることのないハンドリングなど随所に表れている。それらが高次元でまとめあげられているため、交差点ひとつでもスポーツライディングを満喫できるのだ。
特筆すべきは、それらが最近の若いユーザーのみならず80年代の激しい時代を生きてきた世代にも訴えかけてくることである。1万2000回転でピークパワーを発生するエンジンフィーリングは、レッドゾーンの1万4000回転へ達しても頭打ち感がほとんどなく、パワーの落ち込みも少ない。
サウンドの変化も含め4気筒エンジンに近い感覚なのだ。実際に高回転域を使いながら走っていると、学生のころ所有していた250㏄超高回転エンジンの先駆けである「FZ250フェーザー」の乗り味とダブった。
あの頃の眩しかったヤマハ車と同じ感覚だったのだ。最新スポーツ250㏄にも、ヤマハイズムがブレることなく脈々と受け継がれていることが感じられ、本当に嬉しかった。
目線の高さからはヘッドライトが見えにくい逆スラントのフロントカウルを採用したのだ。小さなボディにヤマハが培ってきたスポーツDNAがギッシリと詰め込まれている。
近年、盛り上がりを見せつつある250㏄クラスのスポーツバイクに、ヤマハはなかなかニューモデルを投入しなかったので、「流れに乗り損なった」「完全に出遅れた」などと悪く言う人もいた。
メーカーの内情はわからないが、見ていて、このクラスに活気が感じられなかったのは確かだ。他メーカーの躍進を横目に、一番気をもんだのはヤマハファンであろう。
しかしヤマハは止まったままではなかった。じっくり開発を重ね、満を持して発表した「YZF-R25」は、あらゆる面でライバル車を超えていたのだ。
それは単純にスペックだけでの話ではない。確かに最高出力は現在の国内生産車ではトップである。しかしその差はピークで5馬力程度。250㏄・2気筒で現在の厳しい騒音、排出ガス規制をクリアするとなれば、出せる性能というのはある程度決まってしまい、極端な性能差がつけられるものではない。
そこでヤマハが重視したのは〝テイスト〟である。250㏄スポーツモデルの使われ方 ―日常の市街地走行から峠道、ロングツーリングからサーキットでのスポーツランまで― を広くカバーするため、徹底的に味付けにこだわったのだ。
それは極低回転域から淀みなく吹け上がるエンジン特性や、速度域に関わらずライダーの意思にシンクロし、決して裏切ることのないハンドリングなど随所に表れている。それらが高次元でまとめあげられているため、交差点ひとつでもスポーツライディングを満喫できるのだ。
特筆すべきは、それらが最近の若いユーザーのみならず80年代の激しい時代を生きてきた世代にも訴えかけてくることである。1万2000回転でピークパワーを発生するエンジンフィーリングは、レッドゾーンの1万4000回転へ達しても頭打ち感がほとんどなく、パワーの落ち込みも少ない。
サウンドの変化も含め4気筒エンジンに近い感覚なのだ。実際に高回転域を使いながら走っていると、学生のころ所有していた250㏄超高回転エンジンの先駆けである「FZ250フェーザー」の乗り味とダブった。
あの頃の眩しかったヤマハ車と同じ感覚だったのだ。最新スポーツ250㏄にも、ヤマハイズムがブレることなく脈々と受け継がれていることが感じられ、本当に嬉しかった。
● YZF-R25
車両本体価格:¥556,200(税込)
総排気量:249cc
最高出力:27kW(36ps)/12,000rpm
最大トルク:23Nm(2.3kgm)/10,000rpm
URL:www.yamaha-motor.co.jp
車両本体価格:¥556,200(税込)
総排気量:249cc
最高出力:27kW(36ps)/12,000rpm
最大トルク:23Nm(2.3kgm)/10,000rpm
URL:www.yamaha-motor.co.jp
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text:横田和彦/Kazuhiko Yokota
1968年生まれ。16歳で原付免許を取得。その後中型、限定解除へと進み50ccからリッターオーバーまで数多くのバイクやサイドカーを乗り継ぐ。現在はさまざまな2輪媒体で執筆するフリーライターとして活動中。大のスポーツライディング好きで、KTM390CUPなどの草レース参戦も楽しんでいる。
text:横田和彦/Kazuhiko Yokota
1968年生まれ。16歳で原付免許を取得。その後中型、限定解除へと進み50ccからリッターオーバーまで数多くのバイクやサイドカーを乗り継ぐ。現在はさまざまな2輪媒体で執筆するフリーライターとして活動中。大のスポーツライディング好きで、KTM390CUPなどの草レース参戦も楽しんでいる。