あきらめないクルマにする 〜グイドシンプレックス
更新日:2024.09.09
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10月上旬、東京ビッグサイトにおいて「国際福祉機器展」が開催された。最新の介護、福祉用品の現状を知っておこうと勉強する気持ちで会場に向かった。
text:我妻泰裕 photo:長谷川徹 [aheadアーカイブス vol.144 2014年11月号]
text:我妻泰裕 photo:長谷川徹 [aheadアーカイブス vol.144 2014年11月号]
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あきらめないクルマにする 〜グイドシンプレックス
会場には介護関係者だけでなく、一般入場者も多く来場しており、中には車椅子に乗って見学されている方も見受けられた。内容はとても充実したもので、障害を持つ人のための自助具から施設等で使用する大型機器まで展示されている。
特に目を引いたのは自動車メーカーや自動車部品会社の福祉車両で、介助者と使用者の両方の熱い視線を集めて大盛況だった。展示されたクルマの中にフィアット500とアルファロメオを発見した時には一瞬面くらった。
福祉車両といえば商用車やミニバンをベースにしたものしかないと思っていたのに、いったいこれはなんだと興味を惹かれたのだ。
趣味モードに切り替えて近づいてみると、さらに驚かされた。両車のハンドルにはリングが取り付けられており、それがアクセルだということがすぐに分かった。
ハンドルに取っ手のような旋回ノブを付けた電車のような仕様は以前からあったが、それだと移動手段としてのハンドル操作はできてもスポーツドライビング時に求められる機敏な操作はできない。
しかしこのリングの仕様であれば両手でハンドル操作が行えるので、カウンターを当てることも可能ではないかと思えたのだ。
特に目を引いたのは自動車メーカーや自動車部品会社の福祉車両で、介助者と使用者の両方の熱い視線を集めて大盛況だった。展示されたクルマの中にフィアット500とアルファロメオを発見した時には一瞬面くらった。
福祉車両といえば商用車やミニバンをベースにしたものしかないと思っていたのに、いったいこれはなんだと興味を惹かれたのだ。
趣味モードに切り替えて近づいてみると、さらに驚かされた。両車のハンドルにはリングが取り付けられており、それがアクセルだということがすぐに分かった。
ハンドルに取っ手のような旋回ノブを付けた電車のような仕様は以前からあったが、それだと移動手段としてのハンドル操作はできてもスポーツドライビング時に求められる機敏な操作はできない。
しかしこのリングの仕様であれば両手でハンドル操作が行えるので、カウンターを当てることも可能ではないかと思えたのだ。
▶︎問い合わせ先:株式会社ジー・エス・ティー グイドシンプレックス事業部
住所:東京都町田市小川1822-1 TEL:042(718)5935
聞いてみると、これは「グイドシンプレックス」というイタリア製の運転補助システムで、日本での販売窓口は「GST(ジー・エス・ティー)」という会社だった。
GSTは神奈川県を中心にイタリアやフランスの輸入車を取り扱っており、クルマ好きの間では有名だ。
話によると、脊椎損傷の部位によっては腹筋背筋までも麻痺するので、両手で体幹を支えられるこのシステムに、メーカーはこだわっているらしい。そして、やはり両手でハンドル操作ができるのでスポーツドライビングにも対応が可能だという。
また、この「グイドシンプレックス」は障害のレベルや求める運転方法によって多くの製品が用意されているのも特徴だとのこと。
マニュアル車のクラッチ操作を自動化する「オートマチック・クラッチシステム」を取り付けると、マニュアル車の運転が身障者でも可能になるため、クルマの選択肢を大幅に広げることになる。
3ペダルの設定しかない旧車など、あきらめるしかなかったクルマを身障者でも運転できるのだ。GSTでは、実際に「箱スカ」(旧型スカイライン)に「グイドシンプレックス」を取り付けたこともあるという。
さらにGSTの担当者は、「グイドシンプレックスを使用される方は、積極的で前向きです。実際にサーキット走行を楽しまれている方もいらっしゃいます。そういう方々のお手伝いができることに意義を感じています」 と語った。
今、福祉車両の世界にも「クルマの楽しさ」が広がっているのだ。
住所:東京都町田市小川1822-1 TEL:042(718)5935
聞いてみると、これは「グイドシンプレックス」というイタリア製の運転補助システムで、日本での販売窓口は「GST(ジー・エス・ティー)」という会社だった。
GSTは神奈川県を中心にイタリアやフランスの輸入車を取り扱っており、クルマ好きの間では有名だ。
話によると、脊椎損傷の部位によっては腹筋背筋までも麻痺するので、両手で体幹を支えられるこのシステムに、メーカーはこだわっているらしい。そして、やはり両手でハンドル操作ができるのでスポーツドライビングにも対応が可能だという。
また、この「グイドシンプレックス」は障害のレベルや求める運転方法によって多くの製品が用意されているのも特徴だとのこと。
マニュアル車のクラッチ操作を自動化する「オートマチック・クラッチシステム」を取り付けると、マニュアル車の運転が身障者でも可能になるため、クルマの選択肢を大幅に広げることになる。
3ペダルの設定しかない旧車など、あきらめるしかなかったクルマを身障者でも運転できるのだ。GSTでは、実際に「箱スカ」(旧型スカイライン)に「グイドシンプレックス」を取り付けたこともあるという。
さらにGSTの担当者は、「グイドシンプレックスを使用される方は、積極的で前向きです。実際にサーキット走行を楽しまれている方もいらっしゃいます。そういう方々のお手伝いができることに意義を感じています」 と語った。
今、福祉車両の世界にも「クルマの楽しさ」が広がっているのだ。