エキサイティングなRRのトゥインゴ

アヘッド TWINGO

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とかく「カワイイ」だけが注目されがちなルノーの新型トゥインゴ。もちろん“甘すぎないのに愛らしい”、絶妙なるフレンチデザインも最大の魅力ではある。だけど、ラブリーな外観に内包された、肝心要のナカミがまたバツグンなのだ。トゥインゴは200万円を切る戦略的な価格設定で、RRというレイアウトを採用してきた。

text:今井優杏 photo: 長谷川徹  [aheadアーカイブス vol.167 2016年10月号]
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エキサイティングなRRのトゥインゴ

エキサイティングなRRのトゥインゴ

「RR」=リアエンジン・リアドライブ、世のクルマ好き諸兄がそれを語るときの陶酔ったら異様なほどなのだけど、それもそのはず、このRRというパッケージのクルマは世にあまたの自動車あれどもなかなかの絶滅危惧種。あってもポルシェとか、気軽なアシ車としてはイマイチ所有に現実味を帯びなかったりする。

そもそも、車両後方にエンジンを積み、後輪で駆動することから加速性や回頭性に優れたRR。しかし、この利点がともすれば全部欠点に早変わりしてしまう(=フロントが軽く、スピンしやすいなど)という毒も孕んでいるうえ、エンジンと駆動系という最もカサ張るモノを車両後部に置くため、荷室や居住空間を犠牲にしてしまうという両刃の剣的要素を持つ。

それゆえクルマはFF=フロントエンジン・フロントドライブだらけになってしまったのだが、この現状に「待った」をかけたのがトゥインゴだったのだ。

さて、ウンチクは置いといてトゥインゴ、本当にハンドリングが抜群に楽しい。搭載されるのはルーテシアと同じ0.9ℓターボ。エンジンのほうはしっかりと熟成されていて特に高回転になってきたときの伸びやかなフィールが心地いい。

肝心のRRなのだが、しっかりと張り出した前後フェンダーや短めのホイールベースのおかげで想像以上に安定した挙動を見せる。これまでFFしか経験のない人でもすんなり入門できるような取っ付きやすさだ。

しかし、コーナリングではさすがのハンドリング!こんなに小さくてもぐるんとカーブを舐めるような独特の楽しさを味わえるのだからたまらない。高速道路での直進安定性もよく、とにかくアクセルを踏んでハンドルを操作する、という日常の基本動作がエキサイティングに思えること請け合い。

ちなみに懸念のラゲッジスペースも、きちんと考慮されていて小さなボディからは想像できないくらいに使い勝手が工夫されているのも、合理主義のフランス生まれらしい仕上がりになっている。

●TWINGO
車両本体価格:¥1,990,000(インテンス キャンバストップ、税込)
排気量:897cc
最高出力:66kW(90ps)/5,500rpm
最大トルク:135Nm(13.8kgm)/2,500rpm

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text:今井優杏/Yuki Imai
レースクィーン、広告代理店勤務を経て自動車ジャーナリスト。WEB、自動車専門誌に寄稿する傍らモータースポーツMCとしての肩書も持ち、サーキットや各種レース、自動車イベント等で活躍している。バイク乗りでもあり、最近はオートバイ誌にも活動の場を広げている。
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