復活したクラブマン
更新日:2024.09.09
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クラブマンを復活させたいという思いは昔からあった。理由は簡単だ。ここ最近、自分が読みたい本がなかったからである。友人達に聞いても同じような答えが返ってくる。それなら自分が好きだった頃のクラブマンをもう一度作ればいいじゃないか。そんな風に考えたのは数年前のこと。そこから色々な出版社と試行錯誤を繰り返すことになった。
text:後藤 武 [aheadアーカイブス vol.181 2017年12月号]
text:後藤 武 [aheadアーカイブス vol.181 2017年12月号]
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復活したクラブマン
80年代後半、小野さん達の提案するバイクの格好良さに感動して毎月発売日になると本屋に走った。あんな風に読んでもらえる本をもう一度作りたい。その為に今ある材料をどんな風に料理すればいいのか。
そんなことばかり考えていて出てきた答えは〝エンスーの復活〟。今の時代にエンスーでもないかなとも思ったけれど要はバイクが本当に好きで乗っている人達に向けて情報発信するということ。それならエンスー復活という言葉はわかりやすい。
そんな感じで少しずつ形は見えてきたけれど結局僕のネットワークと環境では本を作ることができず、何年も構想ばかりが膨らんでいった。
そんなことばかり考えていて出てきた答えは〝エンスーの復活〟。今の時代にエンスーでもないかなとも思ったけれど要はバイクが本当に好きで乗っている人達に向けて情報発信するということ。それならエンスー復活という言葉はわかりやすい。
そんな感じで少しずつ形は見えてきたけれど結局僕のネットワークと環境では本を作ることができず、何年も構想ばかりが膨らんでいった。
そして今年の夏、クラブマン創刊当時のスタッフである池田 伸から「クラブマンを復活させようと考えているので手伝って欲しい」と告げられた。ホットバイクという定期刊行物を出し続けてきた池田だからできたことだった。
大喜びで参加したものの、いざスタートすると中々スムーズには進まない。どんな本にするか、僕も池田もイメージができてしまっていたからだ。そんな僕らに喝を入れる人達がいた。昔の熱狂的なクラブマン読者の人達だった。「クラブマンをまた作ろうかと思うんですよ」そう言った瞬間、突然具体的な提案が始まるのだ。
「クラブマンを復活させるんだったらこうでしょう」「それはクラブマンでやらなくてもいいんじゃない?」不思議なことに誰と話してもクラブマンに求めるイメージは似ていた。恥ずかしい話なのだけれど僕よりも池田よりもその思いは強く、真っ直ぐでブレがなかった。そんな多くの人達の思いに誘導されるように本の形が出来上がっていった。
大喜びで参加したものの、いざスタートすると中々スムーズには進まない。どんな本にするか、僕も池田もイメージができてしまっていたからだ。そんな僕らに喝を入れる人達がいた。昔の熱狂的なクラブマン読者の人達だった。「クラブマンをまた作ろうかと思うんですよ」そう言った瞬間、突然具体的な提案が始まるのだ。
「クラブマンを復活させるんだったらこうでしょう」「それはクラブマンでやらなくてもいいんじゃない?」不思議なことに誰と話してもクラブマンに求めるイメージは似ていた。恥ずかしい話なのだけれど僕よりも池田よりもその思いは強く、真っ直ぐでブレがなかった。そんな多くの人達の思いに誘導されるように本の形が出来上がっていった。
『Clubman』Vol.01/No.289 発売日:2017年10月28日
発売元:バイクブロス 価格:¥1,080(税込)
発売元:バイクブロス 価格:¥1,080(税込)
本の内容を色々と考えて、これでいいのかと悩んだりしていたら小野一秋カメラマン(もちろん小野さんの長男だ!)が「クラブマン復活に向けた撮影をやったぞ」という喜びのSNSとそれに対する多くの人達の書き込みがあった。
クラブマンの復刊第1号は多くの人達の思いが集まって形になった本だ。作り手である僕達よりも強い気持ちがたくさんあったのだから作り手としては失格だ。この状態を小野さんが見たら……「いいんじゃねーか、それでも」と笑われそうだ。本当に情けない。けれど同時にクラブマンという本を愛する人間としたら、とても幸せなことだと思うのである。
クラブマンの復刊第1号は多くの人達の思いが集まって形になった本だ。作り手である僕達よりも強い気持ちがたくさんあったのだから作り手としては失格だ。この状態を小野さんが見たら……「いいんじゃねーか、それでも」と笑われそうだ。本当に情けない。けれど同時にクラブマンという本を愛する人間としたら、とても幸せなことだと思うのである。
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text:後藤 武/Takeshi Goto
1962年生まれ。オートバイ雑誌『Clubman』の編集長を経て、現在は世界を股にかけるオートバイ、クルマ、飛行機のライター&ジャーナリスト。2ストと言えばこの人、と言われるほど。2ストを愛し、世界の2スト事情に精通している。
text:後藤 武/Takeshi Goto
1962年生まれ。オートバイ雑誌『Clubman』の編集長を経て、現在は世界を股にかけるオートバイ、クルマ、飛行機のライター&ジャーナリスト。2ストと言えばこの人、と言われるほど。2ストを愛し、世界の2スト事情に精通している。