ポタナビで見つけた風景
更新日:2024.09.09
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「行くべき方向は示してやろう。だがそこへ至る道は自分で探せ」
と、書くとなんだか人生訓めいて聞こえるが、これはパイオニアから発売された自転車散歩ナビゲーター《ポタナビ》のコンセプトだ。
text&photo:山下敦史 [aheadアーカイブス vol.114 2012年5月号]
と、書くとなんだか人生訓めいて聞こえるが、これはパイオニアから発売された自転車散歩ナビゲーター《ポタナビ》のコンセプトだ。
text&photo:山下敦史 [aheadアーカイブス vol.114 2012年5月号]
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ポタナビで見つけた風景
その名の通り、これは自転車散歩=ポタリングのためのナビ。本格的なサイクルコンピューターとしても使えるが、むしろ僕と同様、いわゆるママチャリしか持ってないような人こそ使ってみて欲しい。
そもそも、散歩にナビなんかいるのか? といえば、うん、いらない。だからこそ、その気になれば至れり尽くせりのナビが作れるパイオニアは、あえてポタに特化して「便利」よりも「楽しい」を優先させた(いや、便利でもあるけど)。
冒頭に書いたとおり、ポタナビはどの道を通ってどの交差点を曲がれ、なんて教えない。だってそれをやったら自由な散歩ではないから。単純に出発地と目的地を線で結ぶだけだ。ためしに僕の住む千葉県浦安市から、スカイツリーに目的地を設定して走ってみた。直線で片道約15㎞。ママチャリにはちょっと長めだけど、まあなんとかなるだろう。
途中腹が減ったので、ポップアップナビモードを試してみる。これは通信機能を使って話題のスポットや天気情報などを教えてくれる、いわば寄り道アシスト機能。しばらくすると、TV番組で紹介されたというラーメン店が表示される。
例によって道順は教えてくれないので、赤いラインを頼りにうろうろ、なんとかたどり着く。普段、慣れすぎて見落としていた場所や、知らない町のおすすめスポットを教えてくれるのが面白い。「こんなとこあるけど、どう?」くらいの感覚で、興味がなければ無視すればいいのだ。そんなこんなで迷いながらも、往復約45㎞のポタリングを堪能した。
ラインの方向に行けば必ず着く・帰れるという安心感があるから、幹線道路よりむしろ偶然見付けた路地に入って迷いたくなる。だから気が付けば、往復約30㎞の道のりのはずがみるみる距離が伸びて往復約45㎞。
ポタナビはつまり、切っ掛けなんだ。スポーツ自転車がなくてもいい。家と駅とスーパーを往復するだけだったママチャリだって、実はもう少し先に行くための翼となることを発見する。ただ通るだけだった道の向こうに、別の世界が広がっていることに気付く。
2次元の世界が3次元に広がる。その、切っ掛け。ポタナビは少し遠くまで見渡せる鳥の目で、力を貸すだけだ。
見つけるのは、自分自身。自分で探せ、気付け。積極的に迷い、寄り道することを勧めるポタナビは、ナビらしくない、でも本質的な意味でナビらしいナビだった。
そもそも、散歩にナビなんかいるのか? といえば、うん、いらない。だからこそ、その気になれば至れり尽くせりのナビが作れるパイオニアは、あえてポタに特化して「便利」よりも「楽しい」を優先させた(いや、便利でもあるけど)。
冒頭に書いたとおり、ポタナビはどの道を通ってどの交差点を曲がれ、なんて教えない。だってそれをやったら自由な散歩ではないから。単純に出発地と目的地を線で結ぶだけだ。ためしに僕の住む千葉県浦安市から、スカイツリーに目的地を設定して走ってみた。直線で片道約15㎞。ママチャリにはちょっと長めだけど、まあなんとかなるだろう。
途中腹が減ったので、ポップアップナビモードを試してみる。これは通信機能を使って話題のスポットや天気情報などを教えてくれる、いわば寄り道アシスト機能。しばらくすると、TV番組で紹介されたというラーメン店が表示される。
例によって道順は教えてくれないので、赤いラインを頼りにうろうろ、なんとかたどり着く。普段、慣れすぎて見落としていた場所や、知らない町のおすすめスポットを教えてくれるのが面白い。「こんなとこあるけど、どう?」くらいの感覚で、興味がなければ無視すればいいのだ。そんなこんなで迷いながらも、往復約45㎞のポタリングを堪能した。
ラインの方向に行けば必ず着く・帰れるという安心感があるから、幹線道路よりむしろ偶然見付けた路地に入って迷いたくなる。だから気が付けば、往復約30㎞の道のりのはずがみるみる距離が伸びて往復約45㎞。
ポタナビはつまり、切っ掛けなんだ。スポーツ自転車がなくてもいい。家と駅とスーパーを往復するだけだったママチャリだって、実はもう少し先に行くための翼となることを発見する。ただ通るだけだった道の向こうに、別の世界が広がっていることに気付く。
2次元の世界が3次元に広がる。その、切っ掛け。ポタナビは少し遠くまで見渡せる鳥の目で、力を貸すだけだ。
見つけるのは、自分自身。自分で探せ、気付け。積極的に迷い、寄り道することを勧めるポタナビは、ナビらしくない、でも本質的な意味でナビらしいナビだった。
ハンドルバーにポタナビ装着
隠れ道のような、自転車で新浦安から江戸川区に渡れる唯一のルート(旧市街を含めても直接都内に渡る道は2つしかないのです)
浦安の川縁
終末処理場というおどろおどろしい名前で何かと思ったら…
末処理場。ただの河水処理施設で上はのどかな公園でした
園の遊具。アホづらキリン
電車で行っていた葛西臨海公園が意外と近かったことに気付く
公園で大道芸人に遭遇
転車で渡れる都内で最も高い橋・荒川河口橋
橋を渡るだけで世界が広がる気がしますね
奇妙な看板・メガネ屋らしい
ポップアップナビモード
ラーメン玉子入り
東京の東側はやたら橋が多いです
小学校の壁。このあたりはかつて金魚の養殖がが盛んだったらしい
屋形船ゴジラ
狛犬ならぬ狛猿が守るお社
かわいい服を着たお地蔵さま
スカイツリー到着!!
パイオニア『potter navi(ポタナビ)』
SGX-CN700¥39,900
http://pioneer.jp/cycle/
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