オンナにとってクルマとは Vol.55 オンナを癒すSUV
更新日:2024.09.09
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インド、ジュネーブ、タイ、中国、韓国と、今年に入ってすでに5ヵ国のモーターショーを取材しているが、コンパクトサイズSUVの人気がさらに強まっているのを感じる。
text:まるも亜希子 [aheadアーカイブス vol.115 2012年6月号]
text:まるも亜希子 [aheadアーカイブス vol.115 2012年6月号]
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Vol.55 オンナを癒すSUV
クーペのように流麗なルーフライン、観音開きのドアやオープンカーまで登場して、どれもかなりスタイリッシュだ。そしてキーワードには、「女性」がついてまわる。
たとえばロサンゼルスでは、女性向けのクルマと言えばクーペだったが、それだといかにも「女性が乗っている」と周囲にも分かりやすく、防犯上好ましくないという理由でSUVに乗る女性が増えているということだった。また、道路の舗装状態があまり整っていない国では、少しくらい石や穴があっても気にせず走れるという理由で、SUVを好む女性が多いという。そうなると大きなサイズでは敬遠されるし、エコ意識という点からもコンパクトなSUVに人気が集まりやすいのだろう。
でも日本では、クルマに詳しくない女性に聞いてみると、まず「SUV」という言葉を知らない。20代女性でもいまだに「ヨンクのことですか?」と言うくらい、浸透していない。さらに、日本の道路環境で、女性が日常的にSUVに乗るのはどうなのだろう。今、世界だけでなく日本でも売れに売れている、レンジローバー・イヴォークと2週間ほど過ごしてみた。コンパクトSUVといっても横幅は1.9mある。
最初に感じたのは、ドアを閉めた瞬間から全力で守られているような包まれ感だった。ちょっと高い視点から運転するので隅々が見やすく、カメラ映像で左右と後方が確認できるから、車庫入れの時も不安はない。
街中を走るとちょっと重たいかなと思ったが、しっかり地面をとらえている感覚がじわりと心地よさに変わってくる。そして二度ほど豪雨に見舞われ、大雨洪水警報が出た中を走らなければいけなかった時に、私はSUVの真骨頂を実感した。
日常では本格4WDの威力を発揮する場などないと思っていたが、「もし洪水になってもイヴォークとなら安全な場所に逃げられる」と思った瞬間に、身体中が深い深い安心感で満たされたのだった。
そうか、これか。女性がSUVに乗るということは、この安心感を手にするということだ。そしてこれは、温泉よりも何よりも、頑張る女性を癒してくれるものかもしれない。
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text:まるも亜希子/Akiko Marumo
エンスー系自動車雑誌『Tipo』の編集者を経て、カーライフジャーナリストとして独立。
ファミリーや女性に対するクルマの魅力解説には定評があり、雑誌やWeb、トークショーなど幅広い分野で活躍中。国際ラリーや国内耐久レースなどモータースポーツにも参戦している。
たとえばロサンゼルスでは、女性向けのクルマと言えばクーペだったが、それだといかにも「女性が乗っている」と周囲にも分かりやすく、防犯上好ましくないという理由でSUVに乗る女性が増えているということだった。また、道路の舗装状態があまり整っていない国では、少しくらい石や穴があっても気にせず走れるという理由で、SUVを好む女性が多いという。そうなると大きなサイズでは敬遠されるし、エコ意識という点からもコンパクトなSUVに人気が集まりやすいのだろう。
でも日本では、クルマに詳しくない女性に聞いてみると、まず「SUV」という言葉を知らない。20代女性でもいまだに「ヨンクのことですか?」と言うくらい、浸透していない。さらに、日本の道路環境で、女性が日常的にSUVに乗るのはどうなのだろう。今、世界だけでなく日本でも売れに売れている、レンジローバー・イヴォークと2週間ほど過ごしてみた。コンパクトSUVといっても横幅は1.9mある。
最初に感じたのは、ドアを閉めた瞬間から全力で守られているような包まれ感だった。ちょっと高い視点から運転するので隅々が見やすく、カメラ映像で左右と後方が確認できるから、車庫入れの時も不安はない。
街中を走るとちょっと重たいかなと思ったが、しっかり地面をとらえている感覚がじわりと心地よさに変わってくる。そして二度ほど豪雨に見舞われ、大雨洪水警報が出た中を走らなければいけなかった時に、私はSUVの真骨頂を実感した。
日常では本格4WDの威力を発揮する場などないと思っていたが、「もし洪水になってもイヴォークとなら安全な場所に逃げられる」と思った瞬間に、身体中が深い深い安心感で満たされたのだった。
そうか、これか。女性がSUVに乗るということは、この安心感を手にするということだ。そしてこれは、温泉よりも何よりも、頑張る女性を癒してくれるものかもしれない。
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text:まるも亜希子/Akiko Marumo
エンスー系自動車雑誌『Tipo』の編集者を経て、カーライフジャーナリストとして独立。
ファミリーや女性に対するクルマの魅力解説には定評があり、雑誌やWeb、トークショーなど幅広い分野で活躍中。国際ラリーや国内耐久レースなどモータースポーツにも参戦している。