球体のタイヤ!? ベスト発明品にも選ばれたEagle-360って知っていますか?

Eagle-360

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タイヤいえば、おなじみドーナツ形状のあれを想起されると思います。しかしタイヤメーカーでは、そんな固定概念をくつがえすタイヤも研究されているようです!
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タイヤといえばドーナツ型だがけど…
固定概念を覆す衝撃の発明品「Eagle-360」とは…
2016年ベスト発明品に選ばれる

タイヤといえばドーナツ型だがけど…

タイヤは、車輪の外周に取り付けることによって、路面から受ける衝撃の緩和、安定性の向上などを狙ったゴム製のパーツです。自動車では、走行性能に大きく関わってくる、非常に重要なパーツといえます。

その歴史は古く、自動車用の空気を入れるタイプのタイヤの起源は、1895年にフランス人のアンドレ・ミシュラン、エドゥアール・ミシュランのミシュラン兄弟がパリからボルドーを往復する全行程1,200kmのレースに使用したのが最初とされています。

ご想像のように、現在でも有名なタイヤメーカー、ミシュランはこのミシュラン兄弟の名に由来するものです。

路面の抵抗を減らし、効率よく走るエコタイヤや、路面との喰い付きを高めたハイグリップタイヤなど、さまざまなタイヤが存在するわけですが、いずれもドーナツ型は共通しています。

しかし、2016年にグッドイヤー社が発表した「Eagle-360」は、長きにわたるタイヤの固定概念をくつがえすものでした。

固定概念を覆す衝撃の発明品「Eagle-360」とは…

2016年のジュネーブモーターショーで発表された「Eagle-360」は、かなり衝撃的なタイヤでした。これまでのドーナツ型ではなく、完全な球体だったのです。

タイヤが球体になることによるメリットは、まず、「全方向への機動性」が得られます。これにより、クルマはすべての方向に移動できるようになり、乗員の安全性が向上します。また、この構造であれば、狭い駐車場や限られたスペースにも対応可能で、これまで考えられなかったスペースを駐車スペースとして使えるようになります。

しかし球体のタイヤを車体にどう取り付けるのか、という問題があります。このソリューションとして、なんとタイヤと車両の接点に、磁気浮揚方式(リニアモーター式)を採用するアイデアを提示しています。

車体とタイヤが物理的につながっているわけではないので、既存のクルマでは不可能な挙動が可能になりますし、乗員には非常にスムーズで静かな乗り心地になるといえますね。

また球体タイヤにはセンサーが埋め込まれ、路面コンディションや気象状況をクルマと常時通信、制御するアイデアまで盛り込まれています。いうなれば、考えるタイヤといったところでしょうか。

トレッドパターンは、自然界(脳サンゴの形態)からヒントを得たもので、天然のスポンジのような特性を持たせています。ドライな路面では硬く、ウェットな路面状態になると柔らかくなる設計で、高度な運転性能が発揮されています。このように生物を模倣することで新しい技術を生み出すことをバイオミミクリー(バイオミメティクス)と呼ぶのだとか。

2016年ベスト発明品に選ばれる

特異な特性を持つグッドイヤー Eagle-360は、米タイム誌の「2016 年ベスト発明品」に選ばれています。

気になるのは、市販車への採用ですが、これはしばらく時を待たねばならないかもしれませんね。しかし、アイデアとして実現している状況ですから、あとは市販車のパッケージに落とし込めるかという段階ともいえます。

とはいえ、これだけの機能のタイヤですから、1本(1個?)あたりの単価は、どうなるのでしょう?想像できないですね。

ましてタイヤは消耗品ですから、現実的にこの球体タイヤが実用化されるには、まだいくつものハードルをクリアしていく必要があるといえそうです。

しかし、こうした固定概念に縛られない、斬新な試みこそがクルマの未来を切り拓いていくのも事実ではないでしょうか。
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