空冷式エンジンと水冷式エンジンの違いとは?

空冷エンジン

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エンジンは熱との戦い!ボンネットを開けた瞬間、高速走行後にエンジンルームに近づいた瞬間に猛烈な熱気を感じた感じた人は多いでしょう。エンジンを冷やすのにも様々な方式や理由があるのです...。
Chapter
エンジンは熱との戦い!
空冷式のメリット
空冷式のデメリット
水冷式のメリット
水冷式のデメリット
水冷?空冷?どっちがいいの?

エンジンは熱との戦い!

内燃機関は熱との戦いが一番の課題と言えるでしょう!内燃機関は文字通り「燃料をシリンダー内で燃焼」させるものであり、その熱エネルギーを機械エネルギーに変換する機械なのです。つまり熱を上手く制御することは、良いエンジンには無くてはならない必須の性能となります。一時は鉄やアルミではなくセラミックでエンジンを作るという発想まであり、技術者は常にエンジンが発する熱と戦ってきたのです。

しかし、セラミックエンジンのような発想も現在では採用されていないように「消えた技術」となりました。ここでは現在までエンジンの冷却の主を担ってきた空冷式・水冷式の冷却システムについて紐を解いてみましょう。

空冷式のメリット

空冷式エンジンはエンジンが発した熱を、外気の空気を直接に利用して冷却するエンジンです。冷却方式として、とても原始的な方式であり、また一番シンプルなものでもあります。見た目としてはシリンダーシリンダーヘッドに冷却フィンが装着されているのが特徴です。

また空冷式エンジンも自然空冷式と強制冷却式に分けることができます。自然空冷式は走行風を排熱に利用したものであり、強制空冷式はファンなどを使い強制的に排熱を促してゆくものとなります。 

空冷式エンジンのメリットとしては
・シンプルなので製造コストが安い
・メンテナンスをしやすい               
・冷却フィンを活かした独特の造形

などが挙げられます。

空冷式のデメリット

空冷式エンジンでは根本的に風まかせな冷却であり、気温や環境により安定した性能を発揮することが難しいエンジンとなります。

デメリットを上げると
・水冷式に比べると冷却能力に劣りやすい
・温度をコントロールすることが非常に難しい
・冷却フィンによって大型になりがちである
・騒音、ノイズが水冷に比べて大きい

 など、現代となってはデメリットがやや目立つ冷却方式となります。

水冷式のメリット

水冷式エンジンは「水」という字が使われているように、水をエンジン内部に循環させて熱を奪い排熱を行う方式です。現代ではほぼ全てと言っていい自動車が水冷式を採用しており、エンジンでは一番メジャーな冷却方式となります。

水は空気に比べて比熱の大きく熱交換効率に優れているため空冷式に比べて高い冷却能力を期待することができます。エンジン内を循環して吸熱した水はラジエーターを介して空気冷却され、ポンプによりまたエンジン内部へと送られ冷却をします。

水冷式エンジンのメリットは
・冷却能力が高い
・温度コントロールをしやすい
・エンジン本体はコンパクトに設計できる
・水が遮音もするためメカノイズが少ない

 などがあり、特に冷却能力の高さと温度コントロールのしやすさは、内燃機関にとって非常に重要な要素なので水冷が選ばれる大きな一因となっています。

水冷式のデメリット

なんでもいいとこ取りというわけではなく、水冷式にもデメリットは存在します。

デメリットをあげてみると
・部品点数、複雑な構造の部品が増えるのでコストが上がる
・ラジエーターなどの補機類で重量が増えやすい

 などがありますが、自動車用エンジンとしては空冷と比べた場合水冷に優位があるのはシェアを見ても明らかでしょう。

水冷?空冷?どっちがいいの?

結論から述べると、水冷式の方が自動車にマッチしているのは間違いないものとなります。比較的大きなエンジンとなる自動車のエンジンでは熱量が大きいのでコントロールしやすく、安定して運用のできる水冷が増えるのは必然だったとも言えます。

しかし、ポルシェの911などは993型まで空冷エンジンを採用しており、そのフィーリングやサウンドは多くの人を熱狂的なまでに惹きつけるような魅力もありました。一概に性能だけがエンジンのすべてだとは言えないはずです。


 冷却一つをとってもたくさんの歴史、技術が積み重なってできているのだと思うと感慨深いものがありますね!
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