僕らのテンロクスポーツエンジン、その魅力と現在に至る変遷とは?

スポーツエンジン

あまりに有名な4A-G

AE86に搭載された4A-G。生粋の高回転型を後輪駆動で愉しむという、絵に書いたようなスポーツカーの魅力を備えた車でしたね。

カローラのFFモデルやAW系MR-2にも搭載されて、このクラスのトヨタのスポーツエンジンとして量産され、定番のエンジンとなっていきました。この頃はいわゆるROMチューンよりもメカチューンの時代で、チューニングショップが独自にハイカムを入れたりピストンを変えたり、あるいは排気量アップから後付けターボまで、様々なチューニングの選択肢があったのも魅力のひとつでした。

トヨタ自身も、後年、スーパーチャージャー化、または5バルブ化などのバージョンアップもほどこして、ユーザーの求めるハイパワー化にも対応。それぞれの時代のそれぞれの仕様にファンがついているのも特徴ですね。

じつに幅広く愛されたエンジンです。

ちょっと忘れられた感もあるけれど、日産CA16DEも!

1986年型の日産パルサーに搭載されたCA16DE型エンジン。

このN13型は合理的かつ欧州のライバルを意識したデザインや走りの良さをアピールしたモデルで、「X1ツインカム」はそのトップグレードでした。4A-Gに比べるとすっとマイルドで下からも力のある実用的なエンジンではあるのですが、なんといってもちょっとクロスしたギアレシオで高回転まで爽やかに回ってくれる感覚が、街中で普通に走っていても楽しめるというクルマで、4A-Gとはまた違った魅力を備えていました。

このCA16DEは、他にもラングレーやリベルタビラ、またエクサにも搭載されただけでなく、同時期のサニーのクーペモデルRZ-1やサニーセダンの豪華モデル「ツインカムスーパーサルーン」にまで幅広く搭載されて、当時の日産自動車のコンパクトモデルにおける走りの良さへの定評を確実なものにした立役者でもあります。

ロードスターの魅力を牽引したマツダB6型

ロードスター

軽量なロードスターにB6-ZE型の120馬力は十分以上の性能でした。

それはたしかにゼロヨンや最高速などでは他には勝てなかったかもしれないけれど、ドライバーを楽しませる才能は十分でしたよね。エンジンと車体のマッチング、一体感も心地よくて、これ以外にちょっと考えられないと思わせてくれるものがありました。

しかしNA型ロードスターはのちに1.8リッターへ排気量アップが図られます。これはひとつに低速トルクをアップし扱いやすさを確保することや、ややエンジンの常用回転域を下げることで燃費を稼ぐ目的があったはずです。

90年代も半ばになると燃費に対する意識が極めて高くなり、スポーツカーといえども燃費性能を無視するわけにはいかなかったわけですね。
ロードスターも、初期の1.6の軽快さが良い、というファンと、1.8になってからの扱い易さとの両立を良しとするファンとそれぞれに支持層があります。長く作られたロードスターらしい側面でもあります。

ただ次のNB型では再度1.6リッター車が復活、やはりこの時も軽快な1.6を好むファンに支持を得ていました。
(※画像はロードスター)

自動車ジャーナリストの第一人者も唸らせたB16A

ホンダにはシビックSiなどに搭載された名器「ZC」の存在もありますが、ここはB16を。

インテグラで登場した1.6リッターDOHC、VTEC。インテグラはどちらかというとミドルクラスに近いクーペで重量もやや嵩むため、より重量の軽いシビック/CR-Xへの搭載を望む声が高まりました。そしてそれは1989年の秋に実現します。連続可変バルブタイミングリフト機構を持つこのエンジンはNAエンジン車として初のリッターあたり100馬力を達成した生粋のスポーツエンジンでありながら、市街地走行でも十全の扱いやすさと燃費を両立したきわめて評価の高いエンジンでした。

ベルギー人の自動車ジャーナリスト、ポール・フレール氏といえばその道の第一人者。某分厚い自動車雑誌の紙面でフレール氏の記事をお読みになった方もいらっしゃると思いますが、フレール氏はこのEF8型CR-Xの長期テストもメーカーから依頼されて担当されていました。

そしてあまりに素晴らしい出来のエンジン、トランスミッションと、シャープなハンドリングを気に入って自分の愛車にしてしまったそうです。極めて厳しい眼を持つベテランジャーナリストをも唸らせたことは、ひとつの勲章といってもいいでしょう。

ホンダはこの後、インテグラ用に1.8リッターにスープアップしたエンジンを用意したものの、シビック/CR-X用としてはあくまで1.6リッターのまま。そのままで諸々の要求に応えられるだけの自信とノウハウがあったということなのでしょう。そこはホンダの強みといえました。

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