タフトは走りも武骨なのか?DNGAプラットフォームの実力を味わった【新型車インプレッション4/4】

ダイハツ タフト

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武骨なルックスのエクステリア、明るく開放的なインテリア、広くて使いやすい荷室など魅力が盛りだくさんの新型タフトですが、走行性能も気になるところ。ダイハツのDNGAにより走行性能にも磨きがかかっていると思われる新型タフトですが、果たしてどれほどの走りを実現しているでしょうか。

文:自動車ジャーナリスト吉川賢一/写真:エムスリープロダクション鈴木祐子

吉川 賢一|よしかわ けんいち

モーターエンジニア兼YouTubeクリエイター。11年間、日産自動車にて操縦安定性-乗心地の性能技術開発を担当。次世代車の先行開発を経て、スカイラインやフーガ等のFR高級車開発に従事。その後、クルマの持つ「本音と建前」を情報発信していきたいと考え、2016年10月に日産自動車を退職。ライター兼YouTube動画作成をしながら、モータージャーナリストへのキャリア形成を目指している。

吉川 賢一
Chapter
一般ハンドリング性能 6.5点 (10点満点)
高速直進性 7.0点 (10点満点)
乗り心地性能 8.0点(10点満点)
ロードノイズ 8.0点(10点満点)
動力性能 7.5点(10点満点)
気になる価格は!?

一般ハンドリング性能 6.5点 (10点満点)

今回試乗したのは2WDのGグレード NAエンジン仕様。装着タイヤは165/65R15 81SのYOKOHAMAブルーアースFE AE30です。新型タフトは、アプローチアングル27度、デパーチャーアングル58度と、オフロード走破性の高さを感じられるスペックとなっていますが、マッド&スノーのようなオールシーズンタイヤではなく、オンロードでの耐久性を考慮した低燃費仕様のスタンダードタイヤが採用されています。 
スタートした直後のステアリング操舵力は適度に軽く、視界の良さも相まって、駐車場などでの取り回しの際、非常に楽に感じます。走り始めると、軽めの操舵力のままスルスルと加速をしていき、交差点やコーナーでのロールの量や、ブレーキング時のピッチングといった視線変化は少なめ。

新型タフトのような軽ハイトワゴンで起きがちな、グラっとする動きは感じられず、ボディモーション抑制がよくできています。ただし、ステアリングのセンターの遊びが大きめで、狙った走行ラインを通しにくい印象があります。
その原因のひとつは、タイヤだと考えられます。タフトのタイヤ外径は約596ミリと、ライバルのハスラーの165/60R15(タイヤ直径579ミリ)よりもタイヤ外径が大きいため、タイヤの縦バネは柔らかくなる傾向にあります。

そのため、横方向や前後方向にたわみが生じやすく、オンロードでの応答性が遅れがちになりますが、まさにその通りの動きをしていました(※ちなみにタントは165/55R15、タイヤ直径 約563ミリ)。悪路などの路面ショック吸収の役目も担わせているタイヤサイズ設定なのかもしれませんが、場合によってはふらふらとしやすいな、という印象を受けました。

高速直進性 7.0点 (10点満点)

軽ハイトワゴンは、風の影響も受けやすい傾向にありますが、新型タフトは多少の風では進路が乱されることはありませんでした。

ただし、前述したような、ステアリングの遊びがあるため、高速道路にあるRの大きなコーナーや、まっすぐに走り続けるようなシーンだと、走行ラインの修正がしにくく感じました。足回りは、ロールも少なく、比較的しっかりとしたセッティングなので、運転中のステアリングの遊びが余計に気になってしまいます。

乗り心地性能 8.0点(10点満点)

乗り心地は、上下方向のフワ付きが少しありますが、タイヤと地面との当たりは柔らかく、突起ショックのレベルも小さくて快適な乗り心地です。DNGAによって車体、サスペンション取付部の強化、シャシーアイテムの刷新など、ひとつひとつの基本性能の向上が積み重ねられたことで、車体がワナワナとするような微振動も少なく、上質な乗り心地といえます。

ロードノイズ 8.0点(10点満点)

ロードノイズもよく抑えられています。突起のインパクトノイズも少なく、突起に当たった際のフィーリングも絶妙です。一般道では「サー」といった、ごく小さなロードノイズで抑えられており、高速走行中も「ゴー」とは聞こえますが、その音量は比較的静かです。エンジン音も普段は静かですが加速時は、よく聞こえるように変化します。走行中に音がこもるような印象もなく、すっきりとしたノイズレベルです。

動力性能 7.5点(10点満点)

新型タフトはNAエンジンであっても十分な動力性能を持っています。エンジンフィールも実に滑らかな印象で、アクセルペダルを踏むと、勇ましい排気音は聞こえますが、加速フィールとして感じられるため、好印象に感じます。

気になる燃費は、高速道路7割、一般道3割のコースを150㎞程走行し、実燃費18.5km/L。カタログにあるWLTCモード燃費はNAが20.5km/L(ターボは20.2km/L)ですので、おおむね良い、と言えそうです。一般道走行が増えれば実燃費はまた落ちますが、それでも優秀なエンジンだと思います。

気になる価格は!?

新型タフトの価格設定は、2WD Xが約135万円、Gが約148万円、Gターボが約161万円。これが4WDになると、それぞれ12~13万円ほど上がります。また、9インチスマホ連携ディスプレイオーディオは8万2500円、ディーラーオプションの9インチ純正ナビゲーションは約22万円~。

ACC(アダプティブクルーズコントロール)やLKC(レーンキープコントロール)のセットオプション「スマートクルーズパック」は、Gターボに標準装備、Gには4万4000円のメーカーオプションで、Xには未設定、となっています。また、大人気のディーラーオプション「メッキパック」は4万1316円となっています。

2WD     
Gターボ   160万6000円
G            148万5000円
X            135万3000円

4WD      
Gターボ   173万2500円
G            161万1500円
X            147万9500円
デザインやインテリアの雰囲気、そして荷室の使い勝手など、アクティブに使い倒したい方にとって、いい選択肢のひとつとなりそうな、新型タフト。ハスラーの独壇場であった「軽クロスオーバーSUV」というジャンルに殴り込みをかけたタフトは、今後ハスラーとどういった激戦を見せてくれるのか、楽しみです。

主要諸元 タフト G 2WD

■全長×全幅×全高:3395×1475×1630mm
■ホイールベース:2460mm
■車両重量:970kg
■駆動方式:前輪駆動
■エンジン:KF型 直列3気筒ガソリンエンジン
■排気量:0.658cc
■最高出力:38kW(52ps)/6,900rpm
■最大トルク:60Nm(6.1kgf・m)/3,600rpm
■トランスミッション:CVT
■サスペンション前後:前…マクファーソン式  後…トーションビーム式
■タイヤ前後:前…165/65R15 後…165/65R15
■WLTCモード燃費:20.5km/L
■最小回転半径:4.8m
■燃料・タンク容量:無鉛レギュラーガソリン 30L

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