フロントガラスの霜取り、なぜ熱湯はダメなの?

フロントガラスは複雑

フロントガラス

クルマのフロントガラスは、2枚の材質の違うガラスとその間に特別なフィルムを挟んだ合わせガラスです。

これは、事故などでフロントガラスが破損した際に、ガラスが飛散しないようするためです。構造が、熱湯をかけてしまった際の大きな問題となるのです。

ガラス素材は、熱によって少なからず膨張することはご存知かと思います。フロントガラスは、前述したように2枚のガラスの中間に柔軟で硬い層を挟んだ構造で、フロントガラスが凍るような寒い朝には、ガラス表面にお湯を掛けても室内側のガラスにはお湯の温度が伝わりません。

一方、外側のお湯を掛けたガラスは、膨張します。このとき外側と内側のガラスの膨張率に大きな差が生まれ、外側だけが曲がり急変形を起こし、限度を超えるとガラスに亀裂が生じます。

つまり、フロントガラスに霜がつくほど寒く、ガラスの表面温度は0度以下になっている状態のとき、そこに熱湯をかければ、瞬間、表面(外側のガラス)は90度から100度ほどの温度変化を起こし、外側のガラスが破損することに繋がるというわけです。

また、飛び石でできていたガラスの傷が広がって、大きな破損につながってしまうこともあります。そのため、熱湯をかけて霜を溶かそうとするのは、おすすめできません。

霜取りには何が適している?

バケツ

簡単なのは、水道水やぬるま湯をかけることです。軽度の霜であれば、15〜20度程度のぬるま湯でも、霜は取れてくれますので、バケツ2杯分くらいの水をかけるといいでしょう。

ただし、外気温が氷点下になっている場合は、掛けたそばからお湯や水が凍結するのでおすすめできません。

停車中に霜がつかない環境を作ることができるのなら、それがベストです。屋内での保管はもちろんですが、カー用品店で売っているフロントガラスカバーをかけるのも効果的です。

外気とフロントガラスが触れなければ、フロントガラスが凍りつくことを防ぐことができます。霜がついてしまったときには、市販の解氷スプレーを使用するのがベストです。

雪国で重宝している対策

フロントガラスの凍結は、それを溶かして出発するまでに時間がかかってしまいますから、できるだけ事前に対策をしておきたいところです。しかし、毎日通勤に使っているクルマに、帰宅のたびにカバーをするのは面倒です。

そこで東北地方在住の筆者は、毎冬、フロントガラスの撥水加工を行っています。市販の撥水剤を塗ってもいいですし、ガソリンスタンドやコーティングショップなどでも施工してくれます。

フッ素系のしっかりと皮膜ができるタイプがおすすめで、市販の撥水剤なら効果が弱くなる前にこまめにかけ直します。霜も氷ももとは水。その水分が凍ってフロントガラスと密着することで、凍結が取れにくくなります。

ところが、撥水処理をされたフロントガラスは、水分を弾く効果によって、フロントガラスから浮いた状態で凍り、手でさっと払うだけで霜が取れます。

これで、東北・北海道地域での低温の朝でもスムーズに出発することができるのです。

冬場のフロントガラスの凍りつきは、避けては通れないものです。フロントガラスが破損すると、とんでもない交換費用がかかりますので、絶対に熱湯はかけないようにしてください。

フロントガラスの撥水加工で、快適に冬のドライブに出かけましょう。

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文・赤井福
大学卒業後、金融業に従事。その後、6年間レクサスの営業マンとして自動車販売の現場に従事する。若者のクルマ離れを危惧し、ライターとしてクルマの楽しさを伝え、ネット上での情報発信を行っている。

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