「スパイクタイヤ」は、なぜ消えてしまったのか?

スタッドタイヤとスタッドレスタイヤ

スタッドレスタイヤ

スパイクタイヤは、1959年にフィンランドで誕生しました。英語では、スタッドタイヤ(stud tire)と呼ばれており、トレッド面に金属の鋲(スタッド)が打ち込まれたタイヤです。

スタッドにより、氷結路では大きなグリップ力を発揮するので、現在でもWRCのスノーステージでは、スパイクタイヤが使われています。

1960年代に日本でも生産が始まり、1970年代に普及しました。

タイヤチェーンと比べても着脱の手間がなく、好まれて使われていたのですが、雪や凍結が無いところでは、スタッドが路面を傷つけるように削ってしまうという欠点がありました。

日本でも、スパイクタイヤによる粉塵の健康被害が指摘され始め、1980年代には社会問題にまで発展。1983年に宮城県仙台市でスパイクタイヤ使用自粛指導要綱が施行。1985年には、全国で初めてスパイクタイヤの使用を規制する条例を宮城県が制定しました。

以降、札幌市などが条例を制定し、当時の通産省よりスパイクタイヤの出荷削減指導が開始されました。その後、1990年より「スパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律」が発布&施行され、スパイクタイヤの使用には制限が設けられるようになりました。

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スパイクタイヤは使用ができないわけではない

スパイクタイヤ

※写真はブリヂストン Noranza SUV 001

このように、スパイクタイヤに関する法律が制定されましたが、使用ができないわけではありません。

法規では、舗装された路面が見えている状態でのスパイクタイヤでの走行を禁止しているだけで、積雪路面や凍結路面といった、舗装が出ていない路面では、スパイクタイヤの使用は可能です。

ただし、積雪や凍結が途切れて舗装が出ている場合は走行できなくなるので、豪雪地域や相当な寒冷地でなければ使用は難しいでしょう。

例外として、緊急車両にはスパイクタイヤの使用が認められています。また原動機付き自転車や軽車両には、この法律は適用されないので、装着が可能になります。

スパイクタイヤの存在

スタッドレスタイヤが進化したとはいえ、凍結路面での安定感はまだスパイクタイヤが上だと言われています。しかし、健康被害など、環境に悪影響をおよぼす可能性があることも事実です。

今後、金属のスタッドを打ち込んだスパイクタイヤが復活することはないでしょう。しかし、クルマの歴史のなかで、スパイクタイヤによって、走行できる範囲が広まったことは、覚えておく必要があります。

スタッドレスタイヤは今後もどのように性能を向上させてゆくのか、期待です。

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文・赤井福
大学卒業後、金融業に従事。その後、6年間レクサスの営業マンとして自動車販売の現場に従事する。若者のクルマ離れを危惧し、ライターとしてクルマの楽しさを伝え、ネット上での情報発信を行っている。

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