新しい自動車税は単なる増税か!? 走行距離によって税額が変わるかも?

自動車税

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全盛期では年間800万台近くまで買われていた新車が売れなくなっている。

リーマンショックや東日本大震災の影響で400万台前半まで落ち込んだ時期にくらべればマシとはいえ、2017年の新車販売実績は500万台少々で、ピーク時と比べると3割以上減っているのだ。

そうした背景から、自動車税改革が求められている。

文・山本 晋也

山本 晋也|やまもと しんや

自動車メディア業界に足を踏みいれて四半世紀。いくつかの自動車雑誌で編集長を務めた後フリーランスへ転身。近年は自動車コミュニケータ、自動車コラムニストとして活動している。ジェンダーフリーを意識した切り口で自動車が持つメカニカルな魅力を伝えることを模索中。

山本 晋也
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様々な状況から自動車税改革は待ったなし
燃料の課税は走行距離課税と重なってくるが…

様々な状況から自動車税改革は待ったなし

新車が売れないから減税によって自動車市場を刺激すべし、という改革を求めているのは経済産業省や自動車メーカー、そして多くのユーザーの総意だろう。

一方で、自動車が売れていない(保有台数は増えている)ことから税収を確保するために自動車税制を改正したがっているのが財務省や総務省といった構図だ。そして、政府・与党が自動車税制改革において将来的に、走行距離に応じて課税する仕組みを考えているという報道があった。

観測記事ともいえる段階であり、従来の自動車税を廃止して新しい距離課税を採用するのか、それとも新税を追加するのかといった姿勢からして明確になっていないため、この新しい課税方式に対する評価というのは非常に難しい。

すでに消費税の増税に合わせて自動車取得税が廃止されることになっているが、同様に新税がバーター的になるのであれば、トータルでの減税になることを期待すべきだろうし、単純に追加されるのであれば徹底的に反対すべきというのが、自動車ユーザーの気持ちだろう。

燃料の課税は走行距離課税と重なってくるが…

また、自動車諸税の中にはガソリン税と呼ばれる燃料にかかっている税金もある。走行距離が増えれば、燃料の消費も増える傾向にあるわけだ。走行距離に対する課税というのは、同じような項目に複数の課税をすることになり、公平性からしても納得できるものではない。

もちろん、電気自動車など燃料を使わない車両が増えているという状況を鑑み、燃料への課税を止め、走行距離への課税に一本化するのであれば、公平性は担保されるといえるかもしれない。

なお、走行距離をどのように把握するのかという課題もあるが、すでに車検証に車検時のオドメーターの距離が記されるようになって久しい。単純な引き算で車検から車検までの走行距離が導き出せると考えれば、現在の自動車重量税の代わりに車検時に課税するという方法も考えられるかもしれない。

自動車諸税を代表する自動車税は都道府県税、軽自動車税は市町村税、自動車重量税は国税と納める先が異なっているため、どれか一つだけを廃止するというのは、それぞれの反発がある。その意味でも、自動車税を整理するというのは一筋縄ではいかないだろう。

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