二重課税を解決か!? 自動車新税「環境性能割」とは?

自動車取得税の廃止と新たな税の導入

自動車税 税金

2019年10月1日より消費税率の引き上げが予定されています。それにともない、これまで自動車購入時にかかっていた自動車取得税(取得金額の3%)が廃止されます。

これは、平成28年度税制改正大綱で明らかになったもので、消費税の引き上げによる消費意欲の低下を防ぐために実施される方策です。それと同時に、税制大綱のなかで『環境性能割』と呼ばれる、新たな税金の創設が提案されました。

平成27年12月に環境省が公開したプレス資料によれば、環境性能割は「税率区分として平成32年度燃費基準を用いるとともに、平成27年度燃費基準も一部用いることとし、自動車の消費を喚起するとともに、自動車取得税の廃止と環境性能割の導入を通じた負担軽減を図る」というのが基本的な考え方であるとされています。

ユーザーの負担が軽減されるようにも取れますが、じつは「平成32年度燃費基準に達していないクルマには、割引が適用されず課税する」と言っているのです。

平成32年度燃費基準とは?

燃費基準は、車両重量ごとに基準値が定められており、それに対してどの程度燃費が優れているかによって区分されます。

現在では、平成32年度燃費基準より50%燃費が良いクルマは自動車取得税と重量税が免税となり、初回車検時の重量税も免税です。が、ハイブリッドやクリーンディーゼルであれば基準クリアというわけではなく、トヨタ C-HRのハイブリッドモデルは50%達成ですが、旧世代のハイブリッドを積んでいるSAIは30%達成。レクサス LS500hでは、AWDとFRモデルで達成率が異なります。

このように、現在販売されているハイブリッドカーのなかでも達成率が50%のクルマもあれば、30%や20%のクルマもあり、消費者にとって非常にわかりにくくなっています。

また自動車メーカーからは、より厳しくなった平成32年度燃費基準を、環境性能割の基準とするべきではないという意見が出ています。

新税導入は来年にも…

環境性能割は、消費税の増税とともにスタートする予定です。

税率は、”電気自動車・PHV・平成32年度燃費基準10%達成の乗用車”は非課税、”平成32年度燃費基準達成の乗用車”は1%、”平成27年度燃費基準10%達成の乗用車”は2%、”それ以外の乗用車”は3%となります。

メーカーは、環境性能割の導入でエンドユーザーへの負担となるのは消費傾向が下火となるので避けたいところです。その一方でユーザーが燃費の数値を追い求めるようになれば、メーカーはより軽量で小排気量のクルマばかりに力を入れざるを得なくなるでしょう。

しかしながらクラウン1台で得られる利益は、ヴィッツ約15台分に相当するといわれるように小型車の利益は非常に小さく、大きな打撃となるのは必至。環境性能割は、クルマを売る側にとっても、非常に厳しい制度なのです。

環境性能割とはよく言ったもので、環境性能税のほうがしっくり来ます。日本経済を支えてきた自動車産業に対して、非常に大きな痛手となり、消費者へも割引をしているようなネーミングで自動車取得税との置き換えを図っているのと同じです。

これからクルマの買い替えを検討している方は、消費増税とともに『環境性能税割』についても確認しておきましょう。

-----------------
文・赤井福
大学卒業後、金融業に従事。その後、6年間レクサスの営業マンとして自動車販売の現場に従事する。若者のクルマ離れを危惧し、ライターとしてクルマの楽しさを伝え、ネット上での情報発信を行っている。

関連キーワード

この記事をシェアする

関連する記事

最新記事

     
アヘッド Car & Motorcycle Magagine ahead archives