いぶし銀な選択 〜ハスクバーナ 701スーパーモト

アヘッド スクバーナ 701スーパーモト

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4輪風に言うならホットハッチ、あるいはライトウェイトスポーツ。「ハスクバーナの701スーパーモトってどんなバイク?」と聞かれれば、そう答えるのが分かりやすい。正確にカテゴライズするならオンもオフもこなせるスーパーモタードがそれに当たるものの、そういうニッチな枠組みに縛るより刺激的なピュアスポーツとしてとらえると新しい選択肢の1台になり得るだろう。

text:伊丹孝裕 photo:長谷川徹 [aheadアーカイブス vol.160 2016年3月号]
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いぶし銀な選択 〜 ハスクバーナ 701スーパーモト

いぶし銀な選択 〜 ハスクバーナ 701スーパーモト

●ハスクバーナ 701スーパーモト
価格:¥1,230,000(税込)
エンジン:水冷4ストロークOHC4バルブ単気筒
排気量:690cc 最高出力:49kW(67ps)/7,500rpm
最大トルク:68Nm(6.9kgm)/6,000rpm


しかも、ハスクバーナが送り出すプロダクツは性能のみならず、所有欲を満たす嗜好品としての色合いも強い。それは王室向けの銃製造メーカーだったそもそもの成り立ちが無関係ではなく、創業された17世紀当時から貫かれてきた社是のひとつだ。

つまり、機械としての信頼性はもちろんのこと、いかにプレミアムであるべきか。そういう高い美意識が随所に散りばめられているからである。

そんなハスクバーナが2輪を手掛けるようになったのは1903年からのことで、当時の軍用モデルが抜きん出た走破性を見せたことがきっかけとなり、一躍その名が知れ渡った。

戦いの舞台をレースに移してもそれは変わらず、第2次世界大戦後はエンデューロやモトクロスという実戦の場で数々のタイトルを獲得。

しかも4ストローク全盛の時代には2ストロークを、2ストロークが主流になると今度は4ストロークを投入するなど、常識にとらわれない姿勢で最前線に立ち続け、それによってハスクバーナらしさ、ひいては技術立国というスウェーデンのイメージの一端を担ってきたのである。

ヨーロッパの多くの2輪ブランドが陥ったように近年は一時低迷。紆余曲折の時期を余儀なくされたものの、2013年にKTMの傘下に入ることで経営基盤の安定化が図られた。

以来、新型モデルはもちろん、コンセプトモデルも積極的に発表し、ついにはモトGP(モト3クラス)やダカールラリーにも進出を果たすなど、実に巧みなブランディングでその勢いをアピールし続けているのだ。

701スーパーモトはそんな新生ハスクバーナが送り込んできた最新のストリートモデルである。わずか145kgの車体に組み合わされた67‌psのパワーに不満があるはずもなく、ワインディングではハイスペックを持て余すスーパースポーツをその俊敏なハンドリングで軽々とリード。

それでいてライド・バイ・ワイヤによるスロットルやパワーアシスト機能を持つクラッチがイージーな操作も実現してくれているため、ひたすらコーナリングに没頭できるのだ。

そこにあるのはライディングの質を高めるために加えられ、あるいは削ぎ落とされた装備とカタチ。機能美という言葉の意味をハスクバーナは知り尽くしているのである。

▶︎トップブリッジ及びステムは黒アルマイトされたアルミ削り出し仕様。工具を必要とせず、手で回せるフロントフォークのダンピングアジャスターを標準装備する。
▶︎エンジンのマネージメントを変更できるマップ・セレクト・スイッチは低品質燃料(質の悪い燃料)モードまで備える。但し変更するにはシートを外す必要がある。
▶︎ハスクバーナのロゴマークが浮き彫られたケースカバーは往年のハスクカラーとなる。ボディカラーも含めてKTMはハスクバーナをよく理解している。

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text:伊丹孝裕/Takahiro Itami
1971年生まれ。二輪専門誌『クラブマン』の編集長を務めた後にフリーランスのモーターサイクルジャーナリストへ転向。レーシングライダーとしても活動し、これまでマン島TTやパイクスピーク、鈴鹿八耐を始めとする国内外のレースに参戦してきた。国際A級ライダー。
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