魂のこもったプラモデル

アヘッド プラモデル

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新型ロードスターがデビューして8ヵ月あまりが経過した。発売前から人気は想像されていたが、実際に登場するとその評判は予想以上であるように見受けられる。日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したことも含め、日本の自動車文化にスポーツカーを受け入れる土壌があることを喜ばしく思う。

text:横田和彦 [aheadアーカイブス vol.159 2016年2月号]
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魂のこもったプラモデル

魂のこもったプラモデル

そして先日、新型ロードスターの存在がより深く日本の文化に浸透していることを感じさせるイベントが開催された。タミヤが新型ロードスターのプラモデルを発売するにあたりタミヤプラモデルファクトリー新橋店で開催したトークショーである。

マツダから新型ロードスターのチーフデザイナーである中山 雅さんとクレイモデルを担当した淺野行治さんがゲストで訪れるとあって、会場の席は早い段階で埋まり立ち見も出るほどの人気ぶり。その中には新型ロードスターのオーナーも多数いて、単なるプラモデルの発表会とは一味違う雰囲気になっていた。

チーフデザイナーの中山さんはホワイトボードに往年の名車であるカウンタックやミウラ、ポルシェ911などのサイドビューを描き、スポーツカーのプロポーションが無駄のないモノであることを紹介。

その上で新型ロードスターも原理原則にしたがって、すべての部分に理由があることを説明した。「オーバーハングを極力少なくするためLEDヘッドライトを採用。エアインテークの大きさやカタチも最大の効果を引き出すためのもの」などというこだわりを話されるたびに会場からは感嘆の声が上がった。

そのこだわりを受けてタミヤの開発スタッフ・平田伸一さんがやや緊張しつつ新製品をプレゼン。タミヤからロードスターのプラモデルが発売されるのは初代についで26年ぶりなのだが、その時間は模型設計の技術や精度を大きく進歩させたという。

新型ロードスターのキットは、リアリティと組み立てやすさを高次元で両立しているのだ。ヘッドライトやテールランプなどのクリアパーツを嵌合する仕組みの説明など非常に興味深い内容で、観客のみならずゲストの二人も模型を手に取りながら熱心に聞いていた。

「自分がデザインしたクルマがタミヤのプラモデルになるということは、どんな賞を取るより嬉しいくらい」という中山さんの言葉にも実感がこもっていた。

初代ロードスターに20数年乗り続け新型をデザインした中山さんと、初代ロードスターのプラモデルを製作した思い出を持ちタミヤに入社した平田さん。立場は違えど、ロードスターというクルマが二人の人生に大きな影響を与えたに違いない。

今回のイベントは一台のクルマが多くの人に波及効果を与えることを再認識させてくれた。新型ロードスターがこれからの日本にどんな文化を構築していくのか興味が尽きない。そして、それに関わることもクルマ好きの楽しみの一つである。
●タミヤ
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価格:¥3,456(税込)
www.tamiya.com/japan/index.htm

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text:横田和彦/Kazuhiko Yokota
1968年生まれ。16歳で原付免許を取得。その後中型、限定解除へと進み50ccからリッターオーバーまで数多くのバイクやサイドカーを乗り継ぐ。現在はさまざまな2輪媒体で執筆するフリーライターとして活動中。大のスポーツライディング好きで、KTM390CUPなどの草レース参戦も楽しんでいる。
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