オイルやタイヤを選ぶようにメガネを選ぼう 〜EMRiM(エムリム)

オイルやタイヤを選ぶようにメガネを選ぼう 〜EMRiM(エムリム)

アヘッド EMRiM

4月に発売されたばかりの眼鏡「EMRiM(エムリム)」を取材させてもらえることになった。ご存じの方も多いだろうが、これはオーダーメイド眼鏡で知られる「アイメトリクス」の新製品だ。リムのないフレームが特長だった同社が挑んだ初のフルフレーム製品であるEMRiMには、眼鏡への強い思いが込められていた。

アイメトリクスの眼鏡は、指名買いの愛用者も多い一方、質のいいレンズや顔面を3D計測して作る手間などから、高価なイメージがあった。ユーザー年齢層も高く、同社としてはビジネスとしても、また製品の良さを広く知ってもらうためにも若返りが必要だと考えていたという。

そこで新たなターゲット層でもある30〜40代を中心にプロジェクトが進められ、デザインも1975年生まれと若い眼鏡デザイナー、榎本郁也氏に依頼。自分たちがかけたい眼鏡、値段的にも手が出しやすい眼鏡としてEMRiMが誕生した。

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「〝アイメトリクスのEMRiM〟ではなく、眼鏡店で『これいいな』と手にとってもらって、買うときにアイメトリクスだったんだ、と気付いてもらえばいい」(同社広報・石原 裕氏)

広告やPRではあえてアイメトリクスを強調せず、EMRiMのブランド名を前面にして展開する。一方、値段は抑えても、同社のアイデンティティである3次元計測のデータに基づいたフィッティングというプロセスは変わらない。

EMRiMによって間口を広げつつも、普通の眼鏡の買い方とは違うんだというところは譲れない、と強調する。アイメトリクスの出発点は、日本人がきれいにかけられる眼鏡を作りたいというところにあったからだ。

彼らによれば、別に安売り眼鏡店の眼鏡だって必ずしも悪いわけではないのだという。合いさえすれば問題ないのだ、と。ただし、同社の眼鏡は鼻の高さも耳の位置も違う個人個人の顔を測定し、0.1ミリ単位で調整される。彼らの考える〝合う〟とはそういうことなのだ。

ユーザーに慣れを強要するのではなく、眼鏡のほうを使う人に寄せる。そのために、アイメーターと呼ばれる3次元測定装置も自社で開発した。それにはコストも掛かるし、技術者も必要だ。

だがそんな〝バカなこと〟をやるからこそ、同社の眼鏡はかけていることを忘れさせる。1988年の事業開始以来、50万人以上の顔を計ってきた同社は、いわばもっとも日本人の顔を知る眼鏡メーカーなのだ。

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その実績はデザイン面にも生かされている。EMRiMはウェリントン型をベースに、いかにも〝眼鏡の日本人〟に見えないよう、フレーム下部を極限まで薄くして、彫りの浅い日本人でも顔の個性を消さないデザインがなされているのだとか。

これは新たに採用した企業秘密の新素材によって可能になったという。デザインと技術とデータ、この足並みがそろって完成したものなのだ。

クルマやバイクを愛する人なら、一見同じに見えるタイヤでも、コンパウンドの配合で乗り味が全く異なるであるとか、オイルの製法や粘度でエンジンフィールが変わるということを知っているだろう。

直接性能に関わらなくとも、手になじむステアリングホイールであったり、痛くならないヘルメットはその人にとって宝になる。眼鏡だって同じなのだ。度数さえ合っていれば見えるだけなら見えるだろう。

でも必須のものだからこそ、もっとこだわり、もっと選んでもいいんじゃないだろうか。なんといっても近視の人間にとって、眼鏡は世界と自分をつなぐインターフェイスなのだ。

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▶︎アイメトリクスの商品でありながら、ブランド名の「EMRiM」以外は表記されていない。新たなブランドに対する自信の表れともいえる。アイメトリクスの特徴であるダブルフレームは健在。デザインが進化してもアイメトリクスの物造りのポリシーは貫かれている。

そしてノーズパッドステーもチタン製だ。軽量でありながら強度を保つのにチタンは最適とされるが、加工が難しく高価な材料だけに通常のメガネでは使用されることが少ない。しかしフィッティングの最重要部分だけに「EMRiM」でも採用した。

オーバーグラスもオプションで用意されるのでサングラスとしても使用できる。EMRiMはデザイン・機能が最も優れている商品に贈られる「2016アイウェア・オブ・ザ・イヤー」のメンズ部門でグランプリを受賞している。

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