ビッグシングル女史のすすめ KTM NEW 690 DUKE

アヘッド バイク 女性

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バイクに乗り始めてから、ずっと単気筒に乗り続けている。シンプルでバイクらしいから? トコトコとした乗り味が好きだから? いいえ、実際のところ見た目が気に入ったバイクが偶然にも全部単気筒だったという単純な理由だったりするのだ。

text/photo:サトウマキ [aheadアーカイブス vol.164 2016年7月号]
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ビッグシングル女史のすすめ KTM NEW 690 DUKE

ビッグシングル女史のすすめ KTM NEW 690 DUKE

●KTM 690 DUKE R
車両本体価格:¥1,200,000(税込)
エンジン:水冷4ストローク OHC 4バルブ単気筒
排気量:692.7cc
車両重量:147.5㎏(燃料含まず)
最高出力:55kW(75hp)/8,000rpm 
最大トルク:74Nm/6,500rpm


でも、バイク雑誌を作っていた手前、それでは格好がつかないと思い、「車体が軽いので取り回しがしやすいし、メリハリのある乗り方ができるから好き」と、自分が単気筒に乗る理由を言うようにしていた。これはもちろん後付けではあるのだが、実際に乗ってみて気が付いたことであり、常日頃から感じていることでもある。

私の長年の愛車である2世代前のKTM 690 DUKE(2008年)の場合、しっかりとアクセルを開けないとすぐにエンストするし、エンブレはきついし、振動はそれなりにある方だし、低速でぎくしゃくするし、シフトチェンジも忙しいし、コーナーでは丁寧に侵入しないと膨らむし…。

と書いていくと、良いところが全くない! と思われてしまうかもしれないが、裏を返せばこれらは全てバイク操作の基本だったりする。いい加減に操作したら拗ねてしまうというか、厳しい先生というか、わがままな男爵というか。

しかしきちんと操作出来ると、ものすごく気持よく答えてくれるツンデレさもたまらない。そして、これらを日々鍛錬しているうちに、いつの間にかバイクの基礎が身体にしみこむというオプションが付いてくる。ビッグシングルとはそんな魅力にあふれたバイクなのだ。とはいえ現在発売されているビッグシングルは、以前のものよりもずっと乗りやすくなっている。
▶︎今回のモデルチェンジにより、エンジンマネージメントが走行中でも選択できるようになった。それに伴いメーター(TFTディスプレイ)も一新される。左側の集中スイッチで感覚的に操作できるのですぐに馴染むことができた。身長157cmの女性の場合、踵は浮くがつま先は着く。
●KTM 690 DUKE
車両本体価格:¥950,000(税込)
エンジン:水冷4ストローク OHC 4バルブ単気筒
排気量:692.7cc
車両重量:148.5㎏(燃料含まず)
最高出力:54kW(73hp)/8,000rpm
最大トルク:70Nm/6,500rpm


そんなビッグシングルの代表格は、KTMの690 DUKEだ。見た目は前モデルと全くといっていいほど変わらないが、エンジンを始め90%以上の部品が新設計となるモデルチェンジを果たしている。先代からマイルドな味付けとなりビッグシングル然とした小気味よさを残しつつも、乗りやすいキャラクターに変化したのが特徴だ。

新型690 DUKEはそれにプラスして全域がパワフルになり、さらに扱いやすくなっている。私のDUKEとは大違い。それでも、ビッグシングルならではのレスポンスの良さと軽快さは健在。シート高は高く、身長157cmの私では、つま先がぎりぎり付く程度。でも両足が付くので、足付きはそこまで悪いとは感じない。

それでも怖いと感じたら、慣れるまでローダウンしてしまえば良いだけのこと。車両の性能を損なうことなくローダウンするノウハウを持つディーラーもあるので心配はない。

軽い車体に、レスポンスのいいアクセル。しっかり回すことにより、路面を力強く蹴り上げる感覚がつかみやすいビッグシングルは、上手くなりたい女性ライダーに、こっそりとお薦めしたいジャンルのバイクなのだ。

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text:サトウマキ/Maki Sato
ファッション専門誌からバイク専門誌の編集部に転職した異例の経歴を持つ。現在はフリーランスのエディター&ライター。30代でバイクの免許を取得した。遅咲きながら、バイクへの情熱は人一倍、勉強熱心で努力家。ライディングの美しさには定評がある。
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