ライダーの命を守るプロテクター

アヘッド チェストプロテクター

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全身で風を受けながら走る。そんな開放感あふれる感覚はバイクの魅力のひとつ。その一方、事故に遭遇すると直接身体にダメージを受けやすい。そのためライダーはヘルメットやライディングジャケットなどの安全装備で身を守っている。その中で今、注目されているのが胸部を保護する「チェストプロテクター」である。

text:横田和彦 [aheadアーカイブス vol.179 2017年10月号]
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ライダーの命を守るプロテクター

ライダーの命を守るプロテクター

バイクで走行中に転倒したり障害物にぶつかったとき、バイクから投げ出されたライダーが胸や腹を強打すると内臓にダメージを受ける。本来、内蔵を守る役割がある肋骨にも限界があり大きな衝撃にはかなわない。それどころか折れ方によっては肋骨が臓器を傷付けてしまうことも。手や足に比べ内臓は損傷すると生死に関わる事態に陥りやすい。胸腹部は、死亡率ナンバー1の頭部に次いで死亡率が高い重要保護箇所なのである。

そのため近年、警察やバイクメーカー、用品店などがチェストプロテクターを「命を守るプロテクター」として積極的にPRし装着を勧めている。啓蒙活動のおかげで認知度こそ上がったものの装着率はライダー全体の10%以下。残念ながら低いと言わざるをえない。死亡率が高いことも知られつつあるのだから、もっと意識するライダーが増えてもよいのではないかと思うが、実態は異なっている。

チェストプロテクターを装着しない理由を聞くと「堅苦しい」「面倒くさい」「すぐそこに行くだけだから」「飛ばすつもりはないから」等々、どこかに〝自分だけは大丈夫〟という慢心が見え隠れする。近所のコンビニまでスクーターで行くときにもフル装備で、とは言わないが(可能性を考えればフル装備の方が良いのだが)、せめてある程度の距離を走るツーリングに行くときには装着してもらいたいと考える。装着する機会が増えると、だんだんチェストプロテクターが無いままバイクに乗ることが不安になり、いつしか「装着するのが当たり前」という感覚になるからだ。

はっきり言ってしまえばチェストプロテクターを着けずにバイクに乗っても罰則があるわけではない。ただ万が一事故を起こして(巻き込まれて)しまったとき、生き延びられるかどうかの瀬戸際で威力を発揮する。もし最悪の事態になったら家族や会社など自分を取り巻く人間関係にどのような影響を与えるか。多少なりとも責任がある大人のライダーであれば、そこまで想像してみることも必要なのではないだろうか。

いつ・どこで・どのような事態に遭遇するか誰にもわからない。その万一のためにチェストプロテクターを装着することは、保険と考えても格安の部類である。バイクを趣味として満喫するためにも、安全装備を充実させることは最重要事項だと考えるのだ。
●HYOD「ダイナミックプロD3O®チェストプロテクター」価格:¥11,000(税別)
チェストプロテクターの新たなCE規格(EN-1621-3)である"レベル2"を遥かに上回るプロテクト性能を保持。胸部はハードシェルとD3O®プロテクターの2重構造で、万一の際、胸の衝撃を吸収する。D3O®は弱い衝撃では柔軟に、強い衝撃を受けると瞬時に分子が結束してネットのような状態で衝撃を吸収する。HYODのレザースーツやジャケットはもちろん、他メーカーのウエアにも装着できるアタッチメントも付属している。www.hyod-products.com
●RS TAICHI「テクセル セパレート チェストプロテクター(ベルトタイプ)」価格:¥13,500(税別)
上下左右4枚のパーツから成り、結合部分が互いに重なることで高い剛性と衝撃吸収性を確保。レーシングスーツ着用時には厚みが出ないよう上下をセパレートした状態でも装着できる。付属のフィッティングベルトとのセットによってRSタイチ以外のウェアでも装着が可能。CE規格(EN-1621-3)認可。セパレート型製品の中では世界最高剛性を誇る(RSタイチ調べ)。www.rs-taichi.co.jp

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text:横田和彦/Kazuhiko Yokota
1968年生まれ。16歳で原付免許を取得。その後中型、限定解除へと進み50ccからリッターオーバーまで数多くのバイクやサイドカーを乗り継ぐ。現在はさまざまな2輪媒体で執筆するフリーライターとして活動中。大のスポーツライディング好きで、KTM390CUPなどの草レース参戦も楽しんでいる。
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