ノートンとロータスを同時に味わえる空間

アヘッド Moto Witham

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「イギリスの『ノートン』が復活する」。最初にそのニュースが駆け巡ったのは'08年の暮れのこと。すべては若き実業家であるスチュアート・ガーナーがその名門にまつわるすべての権利を手に入れたことから始まった。

text:伊丹孝裕 photo:長谷川徹 [aheadアーカイブス vol.154 2015年9月号]
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ノートンとロータスを同時に味わえる空間

ノートンとロータスを同時に味わえる空間

▶︎Moto Witham(Norton Motorcycles 正規販売代理店)
住所:東京都練馬区旭町 1-21-10
TEL:03(5968)4033


合併や統合、買収の果てに他業種どころか他国の手に渡って有名無実化していく…というのがイギリスのモーターサイクル産業が辿る末路のひとつだがノートンもまさにその典型。

'70年代に「貴婦人」と称されたコマンド750を最後に市販車の灯を消し、それ以降はアメリカやカナダの投資会社を転々としながら時折プロトタイプを発表しつつもビジネスが軌道に乗ることはなかった。

そこに救いの手を差し伸べたのがガーナーだった。なにより彼が生粋のイギリス人であること、しかもドニントンパーク・サーキットの敷地内に生産設備を構えたことにかつてのファンは安堵し、歓迎した。

名実ともにノートンブランドがイギリスに帰ってきたからである。もちろんガーナーは即座に行動を起こし、ほどなく961スポーツと961SE、そして961カフェレーサーという3機種の新生コマンドを発表して量産もスタート。

貴婦人の名を蘇らせるにふさわしいボディラインに包まれた空冷パラレルツインは力強いビートとサウンドを残したまま日本の法規制をクリアすることにも成功し、現在デリバリーが本格化している。
そんなノートンが常時展示されているショップが「モトウィザム」だ。そこはロータスやケータハムの正規販売店として知られる「ウィザムカーズ」の一角をショールームに改装したもので、代表の篠原さん自身がプライベートではかなりコアな2輪趣味人であることや子供の頃に目にしていたコマンド750への憧れなど、様々な思いが重なりこの7月に実現したもの。さしずめ英国的6輪生活の発信地と言えるだろう。

そもそもロータスやケータハムは純然たる趣味の乗り物だ。そういう意味では2輪の延長線上のような感覚でそれらに親しんでいる人も珍しくなく、実際ノートンを取り扱い始めてからというもの、若い頃は散々バイクのカスタムにハマった話や今もガレージには複数台所有している話など、今まで知らなかったユーザーの一面を知る機会が度々だという。

イギリス車の世界には2輪にも4輪にもヒエラルキーが感じられず、さらに言えば時代も自由に行き来できる垣根のなさが魅力だ。例えばかつてのロータス7に対する現在のケータハム、オリジナルのジネッタに対するリプロのジネッタなど、新旧の間には何十年もの隔たりがあるにもかかわらずそこに優劣はなく、オリジナルの時代に遡ることも新車を選んでガンガン走るのも趣味として同列であり、それはノートンにも当てはまる。

要は心の針がどこで振れるかだ。「モトウィザム」には常時試乗車も用意されているので、その鼓動を確かめてみてはいかがだろう。

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text:伊丹孝裕/Takahiro Itami
1971年生まれ。二輪専門誌『クラブマン』の編集長を務めた後にフリーランスのモーターサイクルジャーナリストへ転向。レーシングライダーとしても活動し、これまでマン島TTやパイクスピーク、鈴鹿八耐を始めとする国内外のレースに参戦してきた。国際A級ライダー。
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