お値段3000万円!それでもデザインは量販ラインのベントレー・ベンテイガ
更新日:2024.09.09
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いきなり値段の話から入るのも野暮ではありますが、やはり3000万円のSUVと聞くと多くの人は驚きを隠せないでしょう。そうです、ベントレーが2016年に発表したSUVの世界最高峰、ベンテイガの話です。
2017年にランボルギーニ・ウルス、2018年にロールスロイス・カリナンが登場し、にわかに激戦区となりつつある超ド級SUVの世界ですが、その中でもベンテイガはひと足早く登場し、世界初の最高時速300km/hオーバーのSUVの称号を手にしました。 2018/6/15
2017年にランボルギーニ・ウルス、2018年にロールスロイス・カリナンが登場し、にわかに激戦区となりつつある超ド級SUVの世界ですが、その中でもベンテイガはひと足早く登場し、世界初の最高時速300km/hオーバーのSUVの称号を手にしました。 2018/6/15
2018年時点での価格は2786万円からとなっていますが、多くの場合300万円程度のオプションが施されるので、3000万円オーバーのSUVという表現は必ずしも間違いではないでしょう。
ベントレーの基本ラインナップは、フラッグシップモデルであるミュルザンヌを筆頭に、4ドアサルーンのフライングスパーと2ドアクーペのコンチネンタルGT、そしてベンテイガの4つで構成されています。
加えて、それぞれのモデルに攻勢のモデルの「スピード」だったり、軽やかな走りが魅力のV8エンジン搭載モデルだったりが用意されています。その上で、往年のコーチビルダーの名前を冠した「マリナー」と呼ばれるテーラーメイドシステムを加えることで、その仕様はほぼ無限大へと広がります。
そういう意味では、お金を持っているということ以上に、ベントレーというブランドを乗りこなすセンスを持っていることが、重要だと言えるでしょう。
ベントレーの基本ラインナップは、フラッグシップモデルであるミュルザンヌを筆頭に、4ドアサルーンのフライングスパーと2ドアクーペのコンチネンタルGT、そしてベンテイガの4つで構成されています。
加えて、それぞれのモデルに攻勢のモデルの「スピード」だったり、軽やかな走りが魅力のV8エンジン搭載モデルだったりが用意されています。その上で、往年のコーチビルダーの名前を冠した「マリナー」と呼ばれるテーラーメイドシステムを加えることで、その仕様はほぼ無限大へと広がります。
そういう意味では、お金を持っているということ以上に、ベントレーというブランドを乗りこなすセンスを持っていることが、重要だと言えるでしょう。
ベンテイガのデザイン
さて、ここではベンテイガのデザインについて触れてみたいと思います。まず、最も目につくフロントマスクですが、ベントレーのアイデンティティとも言える「丸目四灯」に、モータースポーツにインスピレーションを得ているメッシュグリルが、このモデルが間違いなくベントレーであることを印象づけています。
同様に、フロントのホイールアーチ上部にあるBをかたどったウィングベントから伸びやかに流れたサイドラインは、肉付きの良いリアのショルダーラインとともに、ベントレーらしさを強調します。ここまでは、ベントレーの主力モデルであるコンチネンタルGTおよびフライングスパーと近しいデザインが与えられています。
一方で、リヤはSUVというボディ形状のために、兄弟たちとは異なるスタイルとなっています。最も特徴的なのは、ウィングベント同様にBの文字をかたどったリアコンビネーションランプです。加えて、バックエンドを横断するプレスラインが上質さを演出しています。
同様に、フロントのホイールアーチ上部にあるBをかたどったウィングベントから伸びやかに流れたサイドラインは、肉付きの良いリアのショルダーラインとともに、ベントレーらしさを強調します。ここまでは、ベントレーの主力モデルであるコンチネンタルGTおよびフライングスパーと近しいデザインが与えられています。
一方で、リヤはSUVというボディ形状のために、兄弟たちとは異なるスタイルとなっています。最も特徴的なのは、ウィングベント同様にBの文字をかたどったリアコンビネーションランプです。加えて、バックエンドを横断するプレスラインが上質さを演出しています。
なぜ、”B”を強調する?
ここまででおわかりの通り、ベンテイガには多くの“B”をモチーフにしたデザインが与えられています。
ベントレーの場合、エンブレム自体が“B”の文字を中心に構成されているので、フロントとリアのエンブレムと、4つのホイールにあるエンブレムに加え、両サイドのウィングベントとリアのコンビネーションランプを合わせると、外装だけで計10個の“B”があることがわかります。インテリアや機関内部も合わせると、その数はさらに大きくなります。
では、なぜ“B”を強調するのでしょうか?“B”こそがベントレーのアイデンティティである言われればそれは間違いないのですが、ベントレーの生まれ故郷である英国には、必要以上にアピールするのは逆に恥ずべきことであり、黙して伝えるという日本人に似た文化があります。
実際に、以前のベントレーは、カタログにでさえスペックを明らかにせず、馬力やトルクといった数値については「必要にして十分」と表記していたという話はあまりにも有名です。
そんなベントレーが、”B”を強調するようになったのは新興国の台頭が関係しています。一般的に、新興国の富裕層は、そのブランドを保有しているということが自他ともにすぐにわかるということを重視します。
ルイ・ヴィトンやグッチといったファッション界の高級ブランドが、チェリーやハチを大胆にあしらったラインを提供するようになったのもこうした文化への配慮と言えます。
つまり、ベンテイガの主戦場は、新興国の富裕層にあるのです。それは、ベンテイガのコンセプトモデルであるEXP-9が2012年の北京モーターショーで発表されたことからもうかがえます。
ベントレーの場合、エンブレム自体が“B”の文字を中心に構成されているので、フロントとリアのエンブレムと、4つのホイールにあるエンブレムに加え、両サイドのウィングベントとリアのコンビネーションランプを合わせると、外装だけで計10個の“B”があることがわかります。インテリアや機関内部も合わせると、その数はさらに大きくなります。
では、なぜ“B”を強調するのでしょうか?“B”こそがベントレーのアイデンティティである言われればそれは間違いないのですが、ベントレーの生まれ故郷である英国には、必要以上にアピールするのは逆に恥ずべきことであり、黙して伝えるという日本人に似た文化があります。
実際に、以前のベントレーは、カタログにでさえスペックを明らかにせず、馬力やトルクといった数値については「必要にして十分」と表記していたという話はあまりにも有名です。
そんなベントレーが、”B”を強調するようになったのは新興国の台頭が関係しています。一般的に、新興国の富裕層は、そのブランドを保有しているということが自他ともにすぐにわかるということを重視します。
ルイ・ヴィトンやグッチといったファッション界の高級ブランドが、チェリーやハチを大胆にあしらったラインを提供するようになったのもこうした文化への配慮と言えます。
つまり、ベンテイガの主戦場は、新興国の富裕層にあるのです。それは、ベンテイガのコンセプトモデルであるEXP-9が2012年の北京モーターショーで発表されたことからもうかがえます。
ベンテイガは“ミュルザンヌ顔”になるはずだった?
しかし、EXP-9とベンテイガでは、大きな違いがあります。それはフロントマスクです。
ベンテイガが、コンチネンタルGTやフライングスパーに近い顔立ちをしているのに対し、EXP-9はミュルザンヌに近いフロントマスクが与えられていました。ミュルザンヌはベントレーのフラッグシップであり、オプションを含めると4000万円を超えるモデルです。当然、販売台数も少ない、本当のエクスクルーシブモデルです。
おそらく、この時点ではベンテイガは、ミュルザンヌと並ぶフラッグシップモデルとしてローンチすることを検討していたのでしょう。しかし、モーターショーでの反応などから、よりリーズナブルなコンチネンタルGTと同等のラインのSUVとして世に出すことになったのだと思われます。
多くの人には縁のないクルマかもしれませんが、超高級車には超高級車なりの緻密な戦略があるということがわかります。
ベンテイガが、コンチネンタルGTやフライングスパーに近い顔立ちをしているのに対し、EXP-9はミュルザンヌに近いフロントマスクが与えられていました。ミュルザンヌはベントレーのフラッグシップであり、オプションを含めると4000万円を超えるモデルです。当然、販売台数も少ない、本当のエクスクルーシブモデルです。
おそらく、この時点ではベンテイガは、ミュルザンヌと並ぶフラッグシップモデルとしてローンチすることを検討していたのでしょう。しかし、モーターショーでの反応などから、よりリーズナブルなコンチネンタルGTと同等のラインのSUVとして世に出すことになったのだと思われます。
多くの人には縁のないクルマかもしれませんが、超高級車には超高級車なりの緻密な戦略があるということがわかります。