愛車のエンジンは何バルブ?5バルブエンジンのメリット・デメリットは?

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皆さんの愛車のエンジンにはバルブが何個付いているでしょうか。もしご存知ない場合は、車のカタログを見てみてください。主要諸元やエンジンの説明文に記載があると思います。今回は5バルブエンジンの長所と短所を探ってみたいと思います。
Chapter
主流は何バルブ?
マルチバルブ化する理由
5バルブエンジンはどんな車に搭載されているか
5バルブエンジンの長所と短所は

主流は何バルブ?

4ストロークエンジンにおいて、1気筒あたりに3個以上のポペットバルブを用いるものを、マルチバルブ(Multi-valve)と言います。昨今の自動車用エンジンでは、吸気および排気にバルブを2個ずつ設けた4バルブ形式が主流。3バルブは吸気バルブ2つ、排気バルブ1つのバルブで構成されており、吸入されにくい混合気をシリンダー内にスムーズに入れます。4バルブは吸気2つ、排気2つのバルブで構成されており、バルブ及びバルブ駆動のためのパーツが小型軽量化され、高回転に強いのが特徴。

マルチバルブ化する理由

マルチバルブ化する理由は、レシプロエンジンを高出力化するため。高出力のエンジンを生み出すためには、高回転化、摺動抵抗の低減、吸排気効率の改善等が必要ですよね。

体積効率の向上にはポペットバルブ自体の大径化も考えられますが、動弁系の慣性質量が増大し高回転化の妨げとなるうえ、密封性などに問題を生じてしまうため、マルチバルブ化が多く採用されてきました。

マルチバルブの採用は、吸排気効率の改善が狙いです。大出力が要求される航空機用エンジンやレーシングカー用エンジンにおいて、従来の吸気側および排気側に1個ずつバルブを設ける2バルブ形式に代わって、3個以上のバルブを設けるマルチバルブ化が行なわれてきました。

5バルブエンジンはどんな車に搭載されているか

5バルブエンジンと聞くと、高性能スポーツカーに搭載されているイメージですが、スポーツカーだけではなく、軽自動車にも搭載している車があります。

国産市販車では、トヨタの4A-GE型エンジンを搭載したカローラセダンやカローラツーリングワゴン、カローラレビン、カローラFX、カローラセレス、スプリンターセダン、スプリンタートレノ、スプリンターマリノ、スプリンターカリブ、カリーナ、三菱の3G81型、3G83型・4A30型エンジンを搭載したミニカや4A30型エンジンを搭載したパジェロミニ、トッポBJ、タウンボックス、3G83型・4A30型エンジンを搭載したブラボー等が該当します。

輸入車では、フェラーリF355、360モデナ、F50、アウディA3、S3、ブガッティEB110(ターボ過給用の吸気2バルブ、排気3バルブ)、フォルクスワーゲンポロGTI、ゴルフ、トゥアレグ等に搭載されています。

5バルブエンジンの長所と短所は

最後に、5バルブエンジンの長所と短所を見ていくことにしましょう。マルチバルブエンジンはでは2バルブエンジンに比べて、バルブの有効開口面積が広がり、バルブリフト量が少なくて済むため、ショートストローク化と併せて高回転化が可能になります。

一方、5バルブエンジンは4バルブに比べて燃焼室形状が偏平で、表面積の広い多球形状になるため、熱損失が増え火炎伝播が良くないなどの問題点があります。さらには、構造が複雑で部品点数が多くなることや、適合するボア径や回転域が限られる等のデメリットも。市販車では製造コストが嵩む割には効果が薄いと判断されているためか、高性能エンジンでさえも4バルブが主流となっているのです。

吸排気効率の改善を狙ってマルチバルブを採用した高出力エンジンが開発されてきましたが、車はコストを重視する工業製品であるがゆえ、現在では4バルブエンジンが一番コストと性能のバランスが良いエンジンと言えそうですね。
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