なぜタイヤは黒一色なの?今後カラータイヤの時代はくる?

ミシュランタイヤ BMW M5

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約130年の歴史があるゴム製タイヤ。その間、白色や飴色の時代があったものの、現代でタイヤと言えば、乗り物を問わず黒色と相場が決まっています。なぜ黒以外の色が付いたタイヤは、流通していないのでしょう?
Chapter
なぜタイヤは黒いのか?
2パターンのカラータイヤ
今後、カラータイヤの時代はくるのか?

なぜタイヤは黒いのか?

イギリスのJ.B.ダンロップが空気入りタイヤを自転車用に発明したのは1888年のことでした。その後、1895年にフランスのミシュラン兄弟が自動車に空気入りタイヤを装着し、パリ・ボルドー間往復レースに出場しました。これが空気入りタイヤを初めて自動車に使った記録となりした。

この頃のタイヤは白色や飴色で、黒ではありませんでした。当時のタイヤはゴムの樹の樹液を固めて整形しただけの代物で、耐久性に劣りました。

そんなタイヤが黒色になるのは、1912年のこと。ゴムにカーボンブラックと呼ばれる炭素の粉末を混ぜると、強度が高まることがわかりました。

また、カーボンブラックは紫外線を吸収する働きがあり、屋外で使用される自動車のタイヤに使用されるゴムの補強剤として、うってつけの材料だったのです。

カーボンブラックそのものは紀元前より着色料として使用されており、少量で漆黒の黒を再現できます。現在でも樹脂類やフィルム製品、工業製品の下塗り用など幅広い分野で使用されています。

カーボンブラックを練り込んだゴムが黒くなるのは道理で、ゴム製タイヤの色は100年余りに渡って黒が主流です。

2パターンのカラータイヤ

タイヤが黒一色の状況のなかで、タイヤのカラフル化を図る動きもあります。そのアプローチ方法は2種類で、ひとつはゴムそのものをカラー化しようというもの、もうひとつは黒いタイヤを部分的に着色する方法です。

タイヤに使用されるゴムはカーボンブラックを補強剤として混入するため黒色になりますが、低燃費やエコをうたった最近のタイヤでは、カーボンブラックの混入量は減り、ゴムの補強剤としてシリカ粒子を微細化したホワイトカーボンが使用されるようになりました。カーボンブラックは着色にわずか使用される程度です。

ホワイトカーボンに着色することでゴムを着色し、黒色以外のタイヤを販売するベンチャー企業も出現しましたが、ブルーのタイヤを発売した後、他色の発売は2017年11月現在、確認できていません。

もうひとつの方法は、2013年にブリヂストンが行なった、サイドウォールの意匠をアクリル性着色料で印刷するものです。従来の黒色ゴムに食いつきやすい印刷方法や塗料を開発したとのことでしたが、2017年11月現在同様の製品展開は見られず、ブリヂストンの自動車用タイヤは黒一色です。

では、今後もカラータイヤの普及はないのでしょうか?

今後、カラータイヤの時代はくるのか?

前項で紹介したカラータイヤ化のアプローチ方法のように、技術的に自動車用カラータイヤを実現することは可能です。

ホワイトカーボンの耐久性や紫外線耐性もカーボンブラック並になり、どうしても及ばないとされる耐熱性能はカーボンブラックの混入量を調節することで、タイヤに求められる性能と着色のし易さを両立しています。しかし、市場にはほとんど出回っておらず、自動車のタイヤは黒一色と言えます。

この原因は、タイヤは黒が常識となった我々の既成概念であろうと思われます。100余年に渡り黒いタイヤを受け入れ続けてきた私達に、青、赤、黄色などのタイヤは未知との遭遇といっても過言ではありません。商品化されても私達が購入しないことには、カラータイヤの普及はありません。

カラータイヤの時代が来るのは、まだまだ先のようですね。

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