今から比べて昔の自動車の良かったところは?
更新日:2024.09.09
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ドライバー歴が長い人や、単に憧れている人…いろんな人が「昔のクルマの方が良かった。」と言います。そこには、「あの頃の方が良かった。」という愚痴だけでは済まない事情もあったりするのです。
昔のクルマは、斜め前の視界が良かった
現在のクルマは、転倒時の乗員保護のため、そして燃費向上のための空力効果を上げる形をしています。それが顕著に表れるのが、車の屋根を支える何本かの柱のうちのひとつ、「Aピラー」です。
屋根を支える柱は前から順番にAピラー、Bピラー、Cピラーと続いて、多いクルマだとDピラーやEピラーまであります。その一番前、運転席と助手席左右前方にあるのが「Aピラー」と言われます。
30年以上前から転倒時の乗員保護のため太くされてきたAピラーですが、15年ほど前からはそれに加え、空力を改善して燃費を向上させる「ワンモーションフォルム」が取り入れられました。
しかし、ハイブリッドカーをはじめ、現在の低燃費をうたう車のほとんどが採用したことで、燃費は向上したものの、車のデザインがどれも似たようなものに…。そのため、各社とも差別化を行うために、フロントグリルやヘッドライトの装飾を過剰にして、視線を集めざるをえないデザイン上の制約という功罪の元になっています。
また、ドライバーの視点からすると、太く長く伸びたAピラーが左右斜め前方の視界を塞ぎ、その方向から近づく車や歩行者の識別が困難となることも。その上で、きつい角度のついたAピラーの強度を増すために三角窓上の支柱をつけたので、余計に視界は悪化したと言えるかもしれません。昔の車は視界が良く運転しやすかったのです。
屋根を支える柱は前から順番にAピラー、Bピラー、Cピラーと続いて、多いクルマだとDピラーやEピラーまであります。その一番前、運転席と助手席左右前方にあるのが「Aピラー」と言われます。
30年以上前から転倒時の乗員保護のため太くされてきたAピラーですが、15年ほど前からはそれに加え、空力を改善して燃費を向上させる「ワンモーションフォルム」が取り入れられました。
しかし、ハイブリッドカーをはじめ、現在の低燃費をうたう車のほとんどが採用したことで、燃費は向上したものの、車のデザインがどれも似たようなものに…。そのため、各社とも差別化を行うために、フロントグリルやヘッドライトの装飾を過剰にして、視線を集めざるをえないデザイン上の制約という功罪の元になっています。
また、ドライバーの視点からすると、太く長く伸びたAピラーが左右斜め前方の視界を塞ぎ、その方向から近づく車や歩行者の識別が困難となることも。その上で、きつい角度のついたAピラーの強度を増すために三角窓上の支柱をつけたので、余計に視界は悪化したと言えるかもしれません。昔の車は視界が良く運転しやすかったのです。
後続車から前がよく見えた
もう20年ほど前になりますが、それまでカー用品店などで売っているだけだったリアウィンドウに貼るフィルムが、いつしか「プライバシーガラス」として純正採用されるようになりました。
クロカン4WD、そしてミニバンブームときて車高の高い車が増えていたことに加えて、プライバシーガラスの登場で、後続車からは前の車の先が、ほとんど見えなくなってしまったのです。それ以前はドライバーからは数台前の車のブレーキランプを確認する事さえ容易でした。
結果として、前の車が突然ブレーキを踏んだように感じ、強めのブレーキを踏む機会が増えたのではないでしょうか。
クロカン4WD、そしてミニバンブームときて車高の高い車が増えていたことに加えて、プライバシーガラスの登場で、後続車からは前の車の先が、ほとんど見えなくなってしまったのです。それ以前はドライバーからは数台前の車のブレーキランプを確認する事さえ容易でした。
結果として、前の車が突然ブレーキを踏んだように感じ、強めのブレーキを踏む機会が増えたのではないでしょうか。
燃費がいい車と悪い車を自己責任で選べた
今の車はたとえスポーツカーでも燃費が良く、環境にも優しい…と発表せざるをえなくなっています。かつてのように、ユーザーの自己責任で燃費が悪い車を選ぶことはなくなってきていると言えるでしょう。
昔の車には、リッター20kmどころかリッター2kmいかない車もありましたが、今は全ての車が燃費が良く、高額な税金を払わなくてもよい車になってきており、車自体の多様性は少なくなってきていると言えるかもしれません。
昔の車には、リッター20kmどころかリッター2kmいかない車もありましたが、今は全ての車が燃費が良く、高額な税金を払わなくてもよい車になってきており、車自体の多様性は少なくなってきていると言えるかもしれません。
コンピューターとうまく付き合っていた
自動車にコンピューターが載せられるようになってから、もう何十年にもなります。最初は燃料噴射装置の制御や、ドライバーに電圧や油圧などの異常を知らせる「OKモニター」として使われる「便利な存在」でした。
しかし、現在ではブレーキもミッションもエンジンのスロットルさえも制御して、ドライバーはステアリングや各ペダルなどを使ってコンピューターに意思を伝達するだけで、後はコンピューターが考えた最適の制御を行う「半自動運転車」となりました。
ドライバーの腕ではなく、その意思に応じてコンピューターが操縦しているのに限りなく近い形です。もちろん安全運転支援システムとしてそれが優れた性能を持つことには間違いがありません。
ただし、不具合が起きた時にディーラーで診断機に接続しない限り、修理を受けたと認めないコンピューターや、ユーザーが自己責任で行ったカスタマイズに対して拒否反応を示すということも。これらは車自体で「遊ぶ」余地を少なくしてしまっていると言えるかもしれません。
昔の車は、ユーザーやチューナーが車やコンピューターと会話を行い、ともに助け合って最善の結果を生み出そうとする余地があったのです。
しかし、現在ではブレーキもミッションもエンジンのスロットルさえも制御して、ドライバーはステアリングや各ペダルなどを使ってコンピューターに意思を伝達するだけで、後はコンピューターが考えた最適の制御を行う「半自動運転車」となりました。
ドライバーの腕ではなく、その意思に応じてコンピューターが操縦しているのに限りなく近い形です。もちろん安全運転支援システムとしてそれが優れた性能を持つことには間違いがありません。
ただし、不具合が起きた時にディーラーで診断機に接続しない限り、修理を受けたと認めないコンピューターや、ユーザーが自己責任で行ったカスタマイズに対して拒否反応を示すということも。これらは車自体で「遊ぶ」余地を少なくしてしまっていると言えるかもしれません。
昔の車は、ユーザーやチューナーが車やコンピューターと会話を行い、ともに助け合って最善の結果を生み出そうとする余地があったのです。
そして昔の車は安かった
バブル崩壊後も、リーマンショックの頃も「デフレ」といって物価が下がり続ける時期がありました。しかし牛丼が安ければ300円以下で食べられる時代はさすがに行き過ぎで、景気回復と共に物価は上昇したのです。その陰でひたすら価格が上がり続けたのが自動車でした。
1992年11月、4WDターボのランサーエボリューションRSの車両本体価格は220万8,000円でした。今、その価格で買える4WDターボのスポーツカーは161万7,840円のアルトワークスだけなのです。
自動車を取り巻く環境も変わり、車自体の性質も今と昔では随分と違っていることがわかりますね。
1992年11月、4WDターボのランサーエボリューションRSの車両本体価格は220万8,000円でした。今、その価格で買える4WDターボのスポーツカーは161万7,840円のアルトワークスだけなのです。
自動車を取り巻く環境も変わり、車自体の性質も今と昔では随分と違っていることがわかりますね。