なぜ車種によってホーンの音は違うのか?異なる理由を詳しく解説

ホーン クラクション

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車のホーン(クラクション)は、車種によって音色が違います。排気音の美しさでも定評のあるフェラーリは独特なホーンでもお馴染みです。販売価格の安いコンパクトカーや軽自動車と、アッパーミドルクラス以上の車でも音が違います。車種によってホーンの音が異なる理由には、どんなことがあるのでしょうか?
Chapter
ホーン?クラクション?どっちが正解?
なぜ音の違いが生まれるのか?
平型ホーンと渦巻き型ホーン
シングルかダブルか
ホーンの音は法律で規制されている
ホーンは交換できる?

ホーン?クラクション?どっちが正解?

教習所では警笛と習いますが、一般的にはクラクションまたはホーンと呼ばれる警音器。ホーン、クラクション、どちらでも良いのですが、クラクションは固有名詞で、KLAXONというイギリス製の電気機械式ホーンの商品名がその由来です。ステープラーをホッチキスと呼ぶのと同じですね。

そのホーンには、さまざまな種類があります。日本車と輸入車でも違いますし、日本車のなかでも軽自動車やコンパクトカーなどの大衆車と高級車では異なります。音の違いは車格の違いといってよいでしょう。

最近の軽自動車は装備も充実して、内装の質感も乗り心地も軽であることを忘れてしまうほどですが、いざホーンを鳴らすと、軽い「ビーッ」という音が軽であることを改めて思い出します。

では、なぜ音の違いが生まれるのでしょうか?

なぜ音の違いが生まれるのか?

平型ホーンと渦巻き型ホーン

ホーンの音色の違いは車格の違いと思って間違いないのですが、なぜ音の違いは生まれるのでしょうか。

まずホーンには、大きく分けると平型と渦巻き型があります。そのなかに、サイズや形状の違いがあり、音色が変わってきます。

それぞれタイプ別に作動を説明しましょう。国産の大衆車に純正装着されるホーンは平型が主流です。金属でできた共鳴板の形状をしています。

平型ホーンが鳴る仕組みは、レゾネーター(共鳴板)とダイヤフラム(振動板)についたシャフトが、ポールと呼ばれる電磁石に引き寄せられると、シャフトはバネの役割をするダイヤフラムの力によって戻ろうとします。このときシャフトは引き寄せられると戻るを繰り返し、ポールに衝突するたびに振動が発生、その振動をレゾネーターが増幅して音を発生します。

平型ホーン独特の「ビー」という機械的な音は、シャフトとポールの衝突音がもとになっているのです。

一方、渦巻ホーンは、おもに樹脂で出来た内部が渦巻き形状になっている共鳴管が付いたホーンです。最近の高級国産車では標準で取り付けられている車両もあります。

音が鳴る仕組みは平型とほぼ同じですが、ポイントは渦巻きホーンは平型と違いシャフトはポールと接触せず、空気を震わせることで音を発生します。この音を増幅させるものが渦巻状のカーリングと呼ばれる部分です。音が増幅されますので、深い響きのある「ファーン」という音色になっています。

シングルかダブルか

また、ホーンがシングルかダブルかによっても、耳に届く音色が違ってきます。音楽を一つのスピーカーで聞くのと、ステレオのように二つのスピーカーで聞くのとは音の広がりが全く違いますよね。ホーンにも言えることで、この違いもなかなか大きな要素です。

基本的にはシングルが多いのですが、高級車ともなれば渦巻き型×2つというタイプが多くなります。あとはホーン自体の大きさや周波数によっても変わってきます。ホーン自体が大きければ大きく深い音になります。

ホーンの音は法律で規制されている

自動車のホーンは、道路運送車両法で規制される保安部品ですから、単に大きな音が出れば良いというわけではありません。

たとえば、音量は「自動車の前方2mの位置において115db以下908db以上」と規定されています。また、ミュージックホーンのようなものは禁止。音は一定していて変化がないことが条件です。

ホーンは交換できる?

平型シングルの安っぽい音ではなく、メルセデス・ベンツやフェラーリのようにカッコいい音色にしたい!というオーナーは、少なくありません。

ホーンの交換は、道路運送車両法の適用内であれば可能です。筆者も昔、平型シングルの音が嫌で、ボッシュの渦巻きダブルに交換していました。グリルの奥に、BOSCHのロゴがちらっと見えるホーンが2つ。音もキレイでしたが、ひそかなドレスアップという感じで満足していました。

自車のホーンの音が気になっているという方は、社外品に交換するのも良いでしょう。フェラーリホーンなんてのもありますよ。

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