スズキ新型バッテリーEV車「eビターラ/eVITARA」を発表 2026年1月16日に日本発売

eビターラ

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スズキは2025年9月16日、同社初の世界戦略バッテリーEV車となる新型SUV「eビターラ(eVITARA)」を発表しました。

日本での発売は2026年1月16日を予定し、価格は399.3万円から492.8万円(税込)。バッテリーEV専用プラットフォーム「HEARTECT-e」を採用し、WLTCモードで最長520kmの航続距離を実現します。
さらに電動4WD「ALLGRIP-e」や最新の安全運転支援システムを搭載し、スズキが掲げる“ちょうどいいEV”戦略を体現するモデルとして注目を集めています。

CARPRIME編集部

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Chapter
スズキ初の世界戦略バッテリーEV車がついに登場
バッテリーEV専用プラットフォーム「HEARTECT-e」を採用
航続距離・バッテリー・価格
安全装備と先進機能
発表会現場の印象と経営陣コメント
ライバル比較と市場展望
2026年1月発売へ、スズキ初の世界戦略EV SUV『eビターラ』にかかる期待

スズキ初の世界戦略バッテリーEV車がついに登場

発表会でお披露目された「eビターラ」は、スズキの「エモーショナル・バーサタイル・クルーザー」の商品コンセプトをもとに開発されたバッテリーEV世界戦略車の第一弾です。

国内市場にとどまらず、欧州やインドなど主要地域で展開される世界戦略車として企画され、同社が掲げる「技術戦略2025」の象徴的存在といえます。開発陣は「SUVらしい力強さと、EVならではの静粛性や先進性を両立させた」と強調し、従来のスズキ車の延長ではなく、EV専用プラットフォームを起点にゼロから作り上げたモデルであることをアピールしました。

バッテリーEV専用プラットフォーム「HEARTECT-e」を採用

最大の特徴は、スズキが新たに開発したバッテリーEV専用プラットフォーム「HEARTECT-e」の採用です。軽量化と高剛性を両立させつつ、骨格構造を変更したことで大型の駆動用バッテリーの搭載が可能となった。また、ショートオーバーハングによる広い室内スペースも実現させている。

さらに電動4WDシステム「ALLGRIP-e」を設定することで、都市部での扱いやすさからアウトドアでの走破性まで、幅広いシーンでの活躍を意識した設計となっています。

航続距離・バッテリー・価格

「eビターラ」には、用途やライフスタイルに合わせて選べる2種類のバッテリー容量が設定されています。

標準グレード(X/2WD)には49kWhのバッテリーが搭載され、一充電走行可能距離がWLTCモードで約433km。上位グレード(Z/2WD)では61kWhのバッテリーが搭載され、一充電走行可能距離がWLTCモードで約520kmと、日常使いから長距離ドライブまで安心できる航続距離を確保しています。

さらに4WDモデルでも約472kmを実現しており、アウトドアや降雪地帯での使用も視野に入ります。

価格は、Xが399万3,000円、Zが2WDモデルが448万8,000円、4WDモデルが492万8,000円(いずれも税込)。いずれもクリーンエネルギー自動車導入促進補助金の対象となり、補助交付金額は全グレード共通で上限の87万円。実質的には300万円台前半から購入可能となり、電動SUVとしては競争力のある価格帯に収まっています。

スズキは、顧客の声を反映させた「高すぎない価格帯」を重視し、補助金や維持コストを含めた“現実的な選択肢”として訴求。発表会でも「目標販売台数の明言こそ控えたが、確かな手応えを感じている」と自信を示しました。

安全装備と先進機能

「eビターラ」にも、スズキの最新安全技術「スズキ セーフティ サポート」がしっかりと搭載されています。

衝突被害軽減ブレーキや誤発進抑制機能、車線逸脱警報、自動ハイビームなどを備えており、経済産業省や国土交通省などが普及を推進している「サポカーS ワイド」に該当。ペダル踏み間違い急発進抑制装置(PMPD)の認定も取得しています。日常の運転から万一の場面まで、幅広くドライバーを支援します。

運転支援だけでなく、EVならではの新機能も充実しています。アクセルペダル操作だけで加減速が可能な 「イージードライブペダル」 を採用し、街乗りでのストップ&ゴーをよりスムーズに。さらに、NORMAL/ECO/SPORTの3つのドライブモードを備え、走行シーンや好みに応じたフィーリングを選べるのも特徴です。

室内では、メーターとセンターディスプレイを同一平面に配置した 「インテグレーテッドディスプレイシステム」 を採用。加えて、アンビエントライトや質感にこだわったインテリアトリムが、先進感と落ち着きを両立させています。

発表会現場の印象と経営陣コメント

発表会の壇上に立ったスズキ株式会社 代表取締役社長の鈴木俊宏氏は、冒頭で「eビターラは、スズキが次の時代に挑む象徴的な一台」と語り、その意気込みを強調しました。軽自動車やコンパクトカーで培った“小さくて無駄のないものづくり”をEVにも活かし、ユーザーにとって身近で現実的な選択肢を提示することが狙いだと説明しました。

担当エンジニアは「SUVの頼もしさとEVの先進性を一台で両立させることに注力した」と語り、開発陣のこだわりをアピールしました。特にバッテリーEV専用プラットフォーム「HEARTECT-e」によって実現した広い室内空間と高い安全性については、説明の際に力を込めていました。

ライバル比較と市場展望

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スズキ充電サービスはeビターラの発売にあわせて提供される予定

eビターラが投入される国内EV市場には、すでに日産「アリア」やトヨタ「bZ4X」、海外勢ではBYD「ATTO 3」など、多くの電動SUVが参入しています。航続距離500km前後というスペックはライバルと肩を並べる水準でありながら、補助金適用後の実質価格が300万円台前半からという設定は、競争力の高いポイントです。特に価格面で「手が届くEV SUV」としての存在感を示しやすい立ち位置にあります。

また、スズキはすでに軽自動車EV「eWX」の投入も予告しており、eビターラはその上級ラインを担う位置づけです。軽EVからSUV EVまでラインナップを広げることで、ユーザーの多様なニーズに対応し、EVシフトを加速させる狙いがあります。

ただし、EV普及においては航続距離や価格だけでなく、充電インフラの整備が鍵となります。スズキは国内外のパートナーと連携しながら充電ネットワークの拡充を視野に入れており、ユーザーが安心して選べる環境を整えられるかが今後の課題といえます。

発表会を通じて見えたのは、eビターラが単なる一車種ではなく、スズキ全体の電動化戦略を象徴する“第一の駒”であるということです。SUV人気の高まりとEVシフトの波が重なる中で、このモデルがどこまで市場に食い込めるか、実際の販売台数が楽しみです。

2026年1月発売へ、スズキ初の世界戦略EV SUV『eビターラ』にかかる期待

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eビターラと鈴木俊宏社長

スズキが発表した新型バッテリーEV車「eビターラ」は、同社にとって初の本格的な世界戦略EVSUVであり、EV市場における存在感を大きく広げる一台となります。バッテリーEV専用プラットフォームや電動4WD「ALLGRIP-e」、最長520kmの航続距離といった実用性能を備えつつ、補助金適用後は300万円台から手が届く価格設定で“ちょうどいいEV”を体現しました。

発表会を通じて伝わってきたのは、同社の本気度。バッテリーEV車の販売としては後発となるが、顧客の声を反映させコンパクトなボディ、EVの先進感とSUVの力強さを表現したデザイン、そして手が届く価格帯。4WDグレードが用意されているのも魅力的だと感じました。

2026年1月の発売を控え、果たしてeビターラが国内外の市場でどこまで支持を集められるのか。スズキの電動化戦略における試金石として、その行方に注目が集まります。
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