【試乗記】日産アリアにエクストレイルオーナーは乗り替えを決断するのか?横浜から山中湖へアリア無充電往復試乗!

日産アリアB9 e-4orce プレミア 91kWh

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6月の雨の中、横浜から山中湖往復の道中を、アリアの試乗車で往復する機会をいただいたので、レポートします。

宇田川 敦史|うだがわ あつし

旧ヤフージャパン社の元自動車サービスマネージャー、カービュー社のプロデューサー、carview!編集長、日本カー・オブ・ザ・イヤー執行役員。
現ファブリカコミュニケーションズ社のメディア車選びドットコムとカープライムの統括編集長。
消費者目線でのクルマ選びとクルマ好きならではの目線をバランス良く発信し、一人でも多くの方が車が好きになっていただける世界に貢献したいと考えています。

宇田川 敦史
Chapter
ディープオーシャンブルーツートーンのボディは渋いオトナの雰囲気
T33エクストレイルオーナーが久しぶりに乗ると
下道から高速、そしてワインディングへ
スムーズなモーター駆動フィール
ワインディングの下りで感じる重さ
プロパイロットで快適な高速道路移動
エクストレイルからアリアへの乗り替えを考えた結果・・・
日産アリアB9 e-4orce プレミア 91kWh

日産アリアB9 e-4orce プレミア 91kWh

ディープオーシャンブルーツートーンのボディは渋いオトナの雰囲気


今回の移動のお供は日産アリアB9 e-4orce プレミア 91kWhで、サンルーフやBOSE premium sound system&10スピーカーなどのオプションが装備された860万3000円の豪華仕様の車両。
日産アリアB9 e-4orce プレミア 91kWh

日産アリアB9 e-4orce プレミア 91kWh

シャープな面で構成される近代的デザインとディープオーシャンブルーツートーンのボディがあいまって渋いオトナの雰囲気を醸し出しています。

T33エクストレイルオーナーが久しぶりに乗ると

普段はT33型エクストレイルに乗っていて、アリアに乗るのは2度目の私ですが、数年前に街中で数時間だけ乗った薄い記憶を手繰りながら乗り込みます。

内装の質感の高さと和を感じさせる格子状のアンビエントライトのデザインが心地良い空間を演出してくれます。2本スポークのステアリングは慣れませんが、走り出すと気にはなりません。目の届かないダッシュボードやドア下部のプラスチックの仕立ては、車両価格と見合うか微妙な部分もありますが、手や体が触れる部分は基本的に全てソフトな革の手触りで和ませてくれます。足元がセンターコンソールレスで左右のウォークスルーができるのも、広く便利に使えます。
横浜スタート時のバッテリー充電状態は、残量97%、走行可能距離490kmです。早速、山中湖往復へスタートします。

下道から高速、そしてワインディングへ

走り出すと、最近の日産車が得意とする静粛性向上技術、アクティブノイズコントロールが両車には搭載されていて、エクストレイルも静かなクルマですが、アリアはさらに一枚上手な静粛性と、約2.2tの車重の重さもあるせいか、低速域でのあたりのソフトな足回りを感じます。メーター内のデザインやステアリングスイッチなどの使い勝手はほぼ同じですが、メーターとモニターが一枚にまとめられているディスプレイは、スッキリしていて見やすい印象です。

サイズ感もアリアは全長4,595mm、全幅1,850mm、全高1,655mmで、エクストレイルは全長4,660mm、全幅1,840mm、全高1,720mmで大差が無く、どちらも多くの立体駐車場の制限になってしまう全高ではありますが、このセグメントのSUVにしては全幅がさほど広くないため、都内でも無理なく使えるサイズになっています。

当日はあいにくの大雨だったのですが、速度を上げてもロードノイズや水の巻き上げ騒音も遮音材やノイズコントロールの効果もあってか、車内は雨粒がウインドウを叩く音が最も大きく聞こえるような、静かな室内が保たれていました。

スムーズなモーター駆動フィール

パワートレインは、エクストレイルのシリーズハイブリッドでモーターのスムーズさに慣れてしまっているので、フィーリングに感動は無くなりましたが、当たり前ですがBEVのアリアは床までアクセルを踏んでも静かで振動の無い走りができます。

また、プロパイロット2.0は高速道路で制限速度+10km/hでハンズフリー巡行ができ、車線のセンターキープ性能の高さも相まって快適な移動ができます。速度差のある前走車を抜くためのレコメンドが発動すると、ハンドルに手を添えていれば、ボタンひとつで追い越しを完了することもでき、高速道路でのロングドライブには活躍しそうです。

御殿場インターを降り、ワインディングに入ります。約2.2tの車重をものともせず、加速していきます。山を登っていくと航続距離がみるみる減っていくので、帰りの電池残量が不安になりますが、下りの回生電力での復活に期待します。山を登った時点での航続距離は約270kmまで減っていました。

コーナーでは、スピードレンジを上げると、それなりにロールはするので、ハイスピードの長いコーナーの切り返しでは若干ふらつきを感じるものの、ステアリングの切りはじめから車体のヨーが発生するまでの時間は短く、レスポンスも良いので、不安感なく楽しくドライブできます。

ワインディングの下りで感じる重さ

山中湖もあいにくの雨。景色もほぼ見えないため、早々に都内横浜方面へ帰路につきます。

下りでは、よりハンドリングに差が出たように感じました。エクストレイルの方が背は高いですが、400キロの重量差は特に山道の下りでは感じやすいかも知れせん。ブレーキのタッチは以前の日産のEVやハイブリッドに比べると違和感なく安心して踏んでいけますが、車重ゆえにコーナー中の減速時に、フロントタイヤの外側の負担が大きくなり、応答が遅れる感覚があります。とはいえ、2.2tを考えると軽快さもあり、上手くまとまっていると感じました。

御殿場までおりると、航続距離は約290km。回生ブレーキで若干増やすことができました。

プロパイロットで快適な高速道路移動

そして海老名からは渋滞に突入。プロパイロットの恩恵で渋滞中も静かに快適な移動空間が保たれています。

この日の終着点は秋葉原。実際の走行距離は約226kmでしたが、車両の走行可能距離は約490kmから約214kmまで減少したので、電池的には約276kmを使った、ということになります。50km足りないのはエアコンや坂道、雨などの走行抵抗によるものかもしれません。

エクストレイルからアリアへの乗り替えを考えた結果・・・

アリアの乗り味は素晴らしく、改めてファーストカーとして欲しくなりました。しかしながら、私は現在充電設備の無いマンション住まいで、まだまだガソリンエンジンが恋しくなりそうなので、T33型エクストレイルにもう少し乗り続けようと思います。

今回のアリアはロングレンジの高級オプション装備車両なので、エクストレイルの1.5倍近い約800万円(補助金含まず)となっており、少々お高い設定ですが、充電ができる環境が自宅や自宅近くにある方や、静粛性と高級感を追求したい方には、快適な移動手段として1つの最適な選択解かも知れません。
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