自動運転のシステムの違い知っていますか？

自動運転とは、車両が人間の介入をほとんどまたは全く必要とせずに走行できる技術を指します。
国土交通省の定義では、「 運転者ではなくシステムが、運転操作に関わる認知、予測、判断、操作の全てを代替して行い、車両を自動で走らせること」とされています。

この技術は、センサーやカメラ、AIなどの高度な技術を組み合わせて、車が周囲の環境を認識し、状況に応じて判断して動作します。自動運転には、人の運転を補助する「運転支援」から、完全に自動で走行できるレベルまで幅広い段階があります​。

この 自動運転を行うシステムがレベル3以上が自動運転車に該当し、レベル3、レベル4の自動運転車は、決められた条件下で自動運転が可能です。

自動運転技術は米国自動車技術者協会（SAE）や国土交通省が自動運転レベルを、レベル0～レベル5までの6段階に区分しており、レベル5では制限なく全ての運転操作が自動化されます。

自動運転レベル	概要
レベル0	自動運転する技術が何もない状態。
レベル1	システムがアクセル・ブレーキ操作またはハンドル操作のどちらかを部分的に行う。
レベル2	システムがアクセル・ブレーキ操作またはハンドル操作の両方を部分的に行う。
レベル3	決められた条件下で、全ての運転操作を自動化。ただし運転自動化システム作動中も、システムからの要請でドライバーはいつでも運転に戻れなければならない。
レベル4	決められた条件下で、全ての運転操作を自動化。
レベル5	条件なく、全ての運転操作を自動化。

レベル0は「運転自動化なし」で、旧来の自動車がこのレベルにあたります。

レベル1は「運転支援」で、システムが動的運転タスクの縦方向または横方向のいずれか一方の車両運動制御のサブタスクを特定の限定領域において持続的に実行し、 アクセル・ブレーキ操作の支援、または車線中央付近の走行を維持する車線維持支援機能のようにハンドル操作を支援します。

縦方向と横方向の両方を備えるとレベル2になり、レベル2は「部分運転自動化」で、システムが動的運転タスクの縦方向と横方向の両方の車両運動制御のサブタスクを特定の限定領域において持続的に実行します。
レベル2が高度化すると、一定条件下でハンドルから手を離すことができる「ハンズオフ」運転が可能となるます。

レベル3は、「条件付自動運転車（限定領域）」と呼ばれ、高速道路などの限定された領域においては自動運転システム（以下システム）による自動運転が行われます。 車内で一定程度くつろぐことができますが、システムの作動継続が困難となった際、ドライバーは迅速に運転タスクを担わなければならないため、睡眠や飲酒などは厳禁となります。

レベル4は、「自動運転車（限定領域）」と呼ばれ、例えば自動車専用道や特定の敷地内・送迎ルートなど限定された領域において、システムによる自動運転が行われます。レベル3との大きな違いは、レベル4では限定領域内においてドライバーの介在が必要なく、システムによる自律的な自動運転が可能になり、レベル3における「条件」がなくなります。

レベル5は、「完全自動運転車」と呼ばれ、レベル4の「限定領域」がなくなり、全ての領域においてシステムが自動運転を行います。

自動運転の実用化によって様々なメリットが期待できます。交通課題や労働などについて「人」や「社会」に大きな変化があるでしょう。
自動運転の実用化によるメリットには、以下のようなものが挙げられます。

• ユーザーの利便性や快適性の向上
• 移動中の作業により生産性の向上
• ドライバーのミスに起因する交通事故の大幅な低減
• 渋滞の解消・緩和
• 公共交通機関が減少している地方部での高齢者の移動手段