RX-7(FD3S)を走らせないのはスポーツカー殺し!?

マツダ RX-7

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最後のマツダ RX-7(FD3S)の生産が終了してから今年2017年で15年が経ちます。法律で定められた部品保管期間はとうに過ぎ、部品供給はメーカー次第になっています。それでもなお、RX-7は走らせた方がいい。なぜかと言えば、走るために生まれてきたからです。
Chapter
生産終了からいつまで部品は供給されるのか
RX-7…ロータリーはいつまで走れるのか?
ピュアスポーツは置き物でも飾り物でも無い!
偉大なる「無駄」こそが、人を興奮させる

生産終了からいつまで部品は供給されるのか

自動車という製品は、その部品の保管期間が法律により明確に定められています。

生産終了から10年、それも定期交換が必要な部品や、走行するために必要な重要保安部品に限られ、それ以外については特に定めがありません。 特に外装部品については、社外品で補うことも可能という事情もあるためか、純正部品の中でも真っ先に枯渇する傾向にあります。

実際には、生産終了から15年程度なら純正部品が供給されるとも言われていますが、それもメーカーの都合によりけりで、生産終了から数年も経たないうちに、パーツの供給が途絶えてしまう車種も少なくありません。

そのあたりはメーカーのカラーや考え方が反映されることが多く、以前のマツダはかなり古い車種でも部品が出ていたようです。とはいえ、現在では初代のNA型ロードスターなどは、純正部品の欠品が多くなっているようです。

RX-7…ロータリーはいつまで走れるのか?

そのあたりの事情は、世界で最後まで残ったロータリーターボスポーツカー、RX-7(FD3S)でも代わりはありません。

パワーユニットである13Bターボエンジン(RX-8用のRENESSIS 13Bとは別)は、数年前に最後のパーシャルエンジン(新品の交換用エンジン)が出荷されたと言われており、在庫は皆無と思われます。

しかし、最後となった数台のパーシャルエンジンの圧縮は基準値ギリギリ、「できれば出荷しないほうが良いと判断されたのではないか」とすら言われたものでした。

もしもこの先、FD3SやFC3Sなど13Bターボ搭載車を乗り続けるには、ロータリーエンジンに詳しい主治医を見つけて、万全の体制を整えておくことが重要になります。逆に言えば、そうしたロータリーチューナーを見つけておけば、走らせ続けることができるでしょう。

なかば伝説化しているロータリー神話とは異なり、ロータリーエンジンは研ぎ澄まされたレシプロエンジンに比較して、重く、回らず、熱効率も悪く、パワーを稼げるわけでも無く、大ぶりで重い冷却系などの補機類が無ければ、存分に力を発揮することもままならない、ワガママなプリ・マドンナであります。

本当に高回転ハイパワーで信頼性の高いエンジンが欲しければ、熟練した職人の仕上げたレシプロエンジンの方が優れているでしょう。

実際、米国では、FD3Sのエンジンルームに収まる全高の低い大排気量のV8 OHVエンジンに載せ替えたほうが、結果的にハイパワーで燃費がいいマシンに仕上がると、エンジンスワップされたRX-7も珍しくはありません。

しかしそれでもなお、ロータリーとともに歩み、あるいは情熱を注ぐ者は、誇りを胸に言うでしょう。

「RX-7はロータリーを積むべきだ。そして走るべきだ。」と。

ピュアスポーツは置き物でも飾り物でも無い!

そんなRX-7に対し、最後のモデルであり一番新しいFD3S型にさえ、「もう走らせない方がいい、もったいない」などと信じがたいことを言って、引導を渡そうとする人もいます。

燃費が悪くてスポーツカーとしても経済性が悪い、壊れたら部品が出ない、今となっては高性能でも無いのだから過去の遺物だ、と言うのです。車庫の奥でホコリを被せたり、博物館の一等地にでも飾れということでしょうか?

RX-7は、初代のSA22Sから一貫してピュアスポーツ。たとえコンビニに買い物に行くのでも、子供を幼稚園に送るのでも、走るかぎりはピュアスポーツなのです。

ただ人や荷物を運ぶだけで無く、そのステアリングを握るだけでドライバーをワクワクした気分にさせ、辛い時にはそのアクセルを踏み込んでいる間は、嫌なことを置き去りにしてくれる、そんな特別なクルマがピュアスポーツなのです。

エンジンに火が入る事も無く、死んでしまったピュアスポーツには、美しいデザインで見る人を魅了したとしても、本当の魅力を伝えることは決してできません。

だからFD3Sは、RX-7は、ロータリーマシンは、そしてすべてのピュアスポーツは走らなければいけない。そのために生まれてきたのですから。

偉大なる「無駄」こそが、人を興奮させる

RX-7は、もっとも新しいFD3Sでさえも「無駄」だと考えます。ロータリーエンジンは、不経済そのもの。しかし、それでいいのです。

何もかも効率を良くすれば、結局は1番機能性に優れた形に、すべての製品が集約されて行くでしょう。しかし、そうやって誰もが同じようなクルマに乗る社会は、優れた文化と呼べるでしょうか?

「無駄を楽しむ余裕」があってこそ、味わいというものが出てくるのでは無いでしょうか。

だからこそ、走り続けてほしいのです。どこかに閉じ込めて、飾りにしてほしくないのです。

燃料を入れて、スターターを回し、プラグが点火して爆発燃焼とともにローターが回り続けることができる限り、どこかに閉じ込めずに、いつまでも現役で走り続けて欲しい。いまだにレースや各種モータースポーツで、多くのFD3Sが現役で走っています。

なるべく長く、いつまでも走り続けてほしいと思います。
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