「合成皮革」は高級車にも採用されている|耐久性はどうなの?
更新日:2024.09.09
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レザーインテリアというものは、かつて高級乗用車の証にようなもので、現在でもほとんどの高級乗用車には、標準もしくはオプションで選択できるようになっています。しかし、最近はやや事情が変わり、合成皮革もかなり品質を上げ、本革に負けない質感を持つようになりました。今回は、本革と合成皮革について取り上げます。
本革インテリアは意外と使いにくい?
遠い昔、馬車の時代。馬車の馬を操る使用人のシートは本革でした。これは耐久性の面から選ばれたものであり、客室内のシートは布製であることが定番でした。つまり、布のほうが高級だった、というのが本来のルーツだったりします。
しかし、繊維の性能が良くなり、安価で丈夫な合成繊維が厳しい条件の自動車のインテリアにおいて十全な性能を発揮し、快適性とコストとを両立できる代物になりました。その一方で、本革の希少性や独特の風合い、しなやかな肌触りなどが珍重されるようになり、自動車のインテリアに本革を用いることが高級の証という逆転現象が起こったわけです。
とはいえ、あくまで本革は天然素材ですから、手厚いケアを怠るとたちまち劣化の憂き目にあうことになります。また紫外線にも弱く、せっかくの風合いも時間とともに硬化、ヒビ割れなどを起こし、見るも無残な結果になることも。天然素材である本革シートの風合いを保つためには、使い手自身が、相応に知識とメンテナンスを求められる代物となっているのです。
自動車のインテリアにこそ、同じレザーであるなら合成皮革の方が適しているという考えは、ずいぶん前からあったといいます。しかし、やはりそこはユーザー心理として、どうしてもビニールレザーは安っぽいというイメージを持たれていました。ところが最近では、素材の改良も進んで、まるで本革と見紛うような商品まで登場しています。
しかし、繊維の性能が良くなり、安価で丈夫な合成繊維が厳しい条件の自動車のインテリアにおいて十全な性能を発揮し、快適性とコストとを両立できる代物になりました。その一方で、本革の希少性や独特の風合い、しなやかな肌触りなどが珍重されるようになり、自動車のインテリアに本革を用いることが高級の証という逆転現象が起こったわけです。
とはいえ、あくまで本革は天然素材ですから、手厚いケアを怠るとたちまち劣化の憂き目にあうことになります。また紫外線にも弱く、せっかくの風合いも時間とともに硬化、ヒビ割れなどを起こし、見るも無残な結果になることも。天然素材である本革シートの風合いを保つためには、使い手自身が、相応に知識とメンテナンスを求められる代物となっているのです。
自動車のインテリアにこそ、同じレザーであるなら合成皮革の方が適しているという考えは、ずいぶん前からあったといいます。しかし、やはりそこはユーザー心理として、どうしてもビニールレザーは安っぽいというイメージを持たれていました。ところが最近では、素材の改良も進んで、まるで本革と見紛うような商品まで登場しています。
合成皮革は質感が良い
国産高級車でも、合成皮革を使用する車種が増えてきました。日産 シーマでは、ネオソフィールという合成皮革とジャカード織物のコンビシートです。
シート中央部分を織物ファブリックにしているのはおそらく滑り止めと通気性の問題と思われますが、ネオフィソール部分は、しっとりとしていてしなやかな触り心地で、本革と言われても信じてしまうでしょうし、これよりもっと質感の悪い本革もあるのではないかというほどの出来映えです。
最近のクルマでは、本革インテリアを選んでも、実際に本革が使われているのは身体に触れる部分だけだったりします。カタログなどを見ても「部分的に合皮を使用しています」といった但し書きがあるくらい。このように合皮はクルマのインテリアでは地味に活躍しています。
やはり天然素材の本革は、自動車のインテリアには何かとハードルが高いのと、あとはコストダウンもあるのかもしれません。
合皮の性能が上がっている現在では、積極的に合皮を選ぶという人もいるようです。ある自動車シートの張替え業者の方のお話を聞くいたところ「特にカスタム系では、合成皮革の方が加工の自由度も高いし、質感も本革と変わらない、しかも本革より安く耐久性もある」という理由で、合皮を選ぶオーナーが多いのだとか。
あるいは、本革のデリケートさに嫌気がさして、本革内装をすべて合成皮革で張り替えた、なんていうオーナーもいるようです。
本音をいえば、本物の本革でいきたいところですが、熱や湿気、日光による紫外線にもさらされる自動車のインテリアに於いて本革はあまりにもデリケートかもしれません。
シート中央部分を織物ファブリックにしているのはおそらく滑り止めと通気性の問題と思われますが、ネオフィソール部分は、しっとりとしていてしなやかな触り心地で、本革と言われても信じてしまうでしょうし、これよりもっと質感の悪い本革もあるのではないかというほどの出来映えです。
最近のクルマでは、本革インテリアを選んでも、実際に本革が使われているのは身体に触れる部分だけだったりします。カタログなどを見ても「部分的に合皮を使用しています」といった但し書きがあるくらい。このように合皮はクルマのインテリアでは地味に活躍しています。
やはり天然素材の本革は、自動車のインテリアには何かとハードルが高いのと、あとはコストダウンもあるのかもしれません。
合皮の性能が上がっている現在では、積極的に合皮を選ぶという人もいるようです。ある自動車シートの張替え業者の方のお話を聞くいたところ「特にカスタム系では、合成皮革の方が加工の自由度も高いし、質感も本革と変わらない、しかも本革より安く耐久性もある」という理由で、合皮を選ぶオーナーが多いのだとか。
あるいは、本革のデリケートさに嫌気がさして、本革内装をすべて合成皮革で張り替えた、なんていうオーナーもいるようです。
本音をいえば、本物の本革でいきたいところですが、熱や湿気、日光による紫外線にもさらされる自動車のインテリアに於いて本革はあまりにもデリケートかもしれません。
かつて存在したMB-TEXは最強の合成皮革!?
メルセデス・ベンツのEクラス、かつてはミディアムクラスと呼ばれていましたが、そのW124型、または190EのW201型までインテリアに「MB-TEX」と呼ばれる布内装が数万円高で用意されていました。
メルセデスは、本国ではタクシー用車両としても多数使用される信頼性高いクルマですが、同時に高品質をもウリにしているメーカーですから、タクシー用のインテリアにも手を抜くことはできない。そこで出てくるのがこのMB-TEXです。
MB-TEX・・・つまり本革ではないと。でないとすると、そう、合成皮革なのですが、これがなんとじつに質感に富んでいるわけです。これまた言われなければ本革とは区別がつかない、あるいは、あまり知識のない中古車屋さんでは「本革インテリア」として売ってしまったことも実際あったそうです。
それほどの代物ですが、合成皮革ですから、タクシーで使用されてもヘコタレない強靭さもあわせ持ち、お手入れも非常にラク。水拭き一発でサッと綺麗になってしまいます。
メルセデスでは、MB-TEXをフェイクともレザーとも呼んでいませんでしたが、本革に見えて本革でなく、しかも耐久性バッチリという、自動車用のインテリアとしては、ちょっと例を見ない質感をもった素材だったわけです。
ただし、これをオプションで選択しても日本国内在庫は皆無状態だったため完全な受注生産。納車までに数ヶ月待つ、なんていうのは当たり前だったとか。それでもあえて選ばせるだけのものがあったわけですよね。
最新のメルセデス、CクラスなどにもレザーARTICOと呼ばれる合成皮革を用いていたりして、これもまた言われなければわからないだけの質感を持ち合わせている素材。もちろんメルセデス以外にも合成皮革を使用しているメーカーはたくさんありますが、もはや本革か合成皮革か、あまりこだわらなくてもいいような気がしてきます。
ビニールレザーと言ってしまうと、なんだか安っぽいイメージですが、その耐久性や昨今とみに高まっている品質、質感など、合成皮革もまた見直されていい時期が来ているのかもしれません。
本革というのは天然素材ゆえに本来限りのあるもの。そう考えると量産品である自動車には、合成皮革のほうが適しているのかもしれませんね。
メルセデスは、本国ではタクシー用車両としても多数使用される信頼性高いクルマですが、同時に高品質をもウリにしているメーカーですから、タクシー用のインテリアにも手を抜くことはできない。そこで出てくるのがこのMB-TEXです。
MB-TEX・・・つまり本革ではないと。でないとすると、そう、合成皮革なのですが、これがなんとじつに質感に富んでいるわけです。これまた言われなければ本革とは区別がつかない、あるいは、あまり知識のない中古車屋さんでは「本革インテリア」として売ってしまったことも実際あったそうです。
それほどの代物ですが、合成皮革ですから、タクシーで使用されてもヘコタレない強靭さもあわせ持ち、お手入れも非常にラク。水拭き一発でサッと綺麗になってしまいます。
メルセデスでは、MB-TEXをフェイクともレザーとも呼んでいませんでしたが、本革に見えて本革でなく、しかも耐久性バッチリという、自動車用のインテリアとしては、ちょっと例を見ない質感をもった素材だったわけです。
ただし、これをオプションで選択しても日本国内在庫は皆無状態だったため完全な受注生産。納車までに数ヶ月待つ、なんていうのは当たり前だったとか。それでもあえて選ばせるだけのものがあったわけですよね。
最新のメルセデス、CクラスなどにもレザーARTICOと呼ばれる合成皮革を用いていたりして、これもまた言われなければわからないだけの質感を持ち合わせている素材。もちろんメルセデス以外にも合成皮革を使用しているメーカーはたくさんありますが、もはや本革か合成皮革か、あまりこだわらなくてもいいような気がしてきます。
ビニールレザーと言ってしまうと、なんだか安っぽいイメージですが、その耐久性や昨今とみに高まっている品質、質感など、合成皮革もまた見直されていい時期が来ているのかもしれません。
本革というのは天然素材ゆえに本来限りのあるもの。そう考えると量産品である自動車には、合成皮革のほうが適しているのかもしれませんね。