ダイハツ「タント ファンクロス」の先代比較!旧型の「タント」から、どれだけ進化しているのか?【プロ徹底解説】

タント ファンクロス

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「タント ファンクロス」は、スーパーハイトワゴンの元祖でもある「タント」の派生モデルとして2022年10月に登場したモデルです。ベースとなった「タント」は、2019年7月にフルモデルチェンジを行っています。では、最新の「タント ファンクロス」は、先代の「タント」と比較すると、どれだけ進化しているのでしょうか? その違いを解説します。

文・鈴木 ケンイチ/写真・PBKK

鈴木 ケンイチ

モータージャーナリスト。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。レース経験あり。毎月1回のSA/PAの食べ歩き取材を10年ほど継続中。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 自動車技術会会員 環境社会検定試験(ECO検定)

鈴木 ケンイチ
Chapter
歴代「タント」に共通する特徴
現行の第4世代の特徴はDNGA導入第一弾であること
ボディサイズの変化・重量
ミラクルオープンドアとシートのロングスライド
エンジンスペックの違い
安全装備の進化と充実

歴代「タント」に共通する特徴

「タント ファンクロス」のベースとなっているのが2019年7月にフルモデルチェンジした「タント」です。「タント」としては第4世代のモデルとなります。そして、その前の「タント」となるのが2013年に登場している第3世代モデルとなります。

「タント」の特徴は、背の高いボディに両側スライドドアを備えたスーパーハイトワゴンというジャンルに属しているところにあります。今、軽自動車としての売れ筋になっているスーパーハイトワゴンのはしりが、2003年に登場した初代「タント」であったのです。
また、「タント」は「ミラクルオープンドア」というライバルにない機能を備えています。これは左側のスライドドアが、ピラーごと開くというもの。助手席ドアを開けた状態で、左側の「ミラクルオープンドア」というスライドドアを開けると、前席と後席の開口部がひとつになるのが特徴です。開口部が大きいので、人の乗り降りや荷物の載せ降ろしがしやすいというメリットがあります。

そのスーパーハイトワゴンであり、「ミラクルオープンドア」を備えているというのは、先代である3代目も現行の4代目も共通のところ。これが歴代「タント」の共通する部分です。

現行の第4世代の特徴はDNGA導入第一弾であること

現行型「タント」の最大の特徴となるのはDNGAの導入です。DNGAとは「ダイハツ・ニュー・グローバル・アーキテクチャ」の略字であり、ダイハツによる新世代の車作りを示します。現行型の「タント」は、ダイハツとしてDNGAを最初に導入したモデルでもあったのです。

具体的にはダイハツは新型「タント」のために、ゼロベースで、骨格やサスペンションなどの部品の配置を再構築した新型プラットフォームや、新型トランスミッションなどを開発しました。車の基本となる部分が刷新されたことで、第4世代となった現行型「タント」は、走る/曲がる/止まるといった車の基本性能を大幅に向上させているのです。

ボディサイズの変化・重量

まったく新しい車作りの手法や技術であるDNGAから生まれた4代目「タント」。とはいえ、見た目の違いは、ほとんどありません。サイズは先代の全長3395×全幅1475×全高1750mmから、現行では全長3395×全幅1475×全高1755mmは、ほとんどそのまま。「タント ファンクロス」はルーフレールを備えるため、全高が1785mmと、それよりやや高くなっているくらいで、やはり寸法はあまり変わりません。
ホイールベースは先代の2455mmから、現行2460mmと、やはりほとんど変化はありません。また車両重量も先代の920~990㎏から、現行920~980㎏と変化はありません。

しかし、その内容は大きく変わっています。ボディだけでいえば約80㎏軽量化されています。ただし、軽くなった分、仕様・意匠、基本性能、安全性能の向上などが重くなっているため、最終的に相殺される格好になっています。

ミラクルオープンドアとシートのロングスライド

助手席側の「ミラクルオープンドア」は初代から続く「タント」の伝統。先代では助手席と後部座席をあわせると、左側の開口部は最大で1480mmにもなりました。そして、現行では、それが10mm拡大して1490mmに。「タント ファンクロス」も1490mmの開口部を備えています。

また、前席のロングスライドも「タント」の魅力のひとつ。先代では助手席側に380mmの前後スライド機能が与えられました。それに対して現行型は、助手席だけでなく、運転席側にも最大540mmものロングスライド機能が追加されました。助手席だけだった先代から、現行型は運転席と助手席の両方にロングスライド機能が備わっているのです。

エンジンスペックの違い

エンジンは、どのように進化しているのでしょうか。先代モデルでは、自然吸気とターボの2種類の水冷3気筒12バルブDOHCエンジンが用意されており、それにCVTが組みあわされていました。性能は自然吸気エンジンで、最高出力38kW(52ps)/6800rpm、最大トルク60Nm/5200rpm。ターボエンジンは、最高出力47kW(64ps)/6400rpm、最大トルク92Nm/3200rpm。燃費は自然吸気エンジンで2WDが最高28.0km/l(JC08モード)、ターボで26.0km/l(JC08モード)でした。

一方、新型モデルは自然吸気とターボの2種類の水冷3気筒12バルブDOHCエンジンは同じですが、複数回点火の採用や燃料噴射方法のスワール噴霧への改良などが行われています。また、トランスミッションはスプリットギヤとCVTを組み合わせる新開発のD-CVTを採用しています。
その性能は、自然吸気エンジンで最高出力38kW(52ps)/6900rpm、最大トルク60Nm/3600 rpm、ターボエンジンで最高出力47kW(64ps)/6400rpm、最大トルク100Nm/3600rpm。最高出力こそ変わりませんが、ターボのトルクが大きくなっています。

ただし燃費は、自然吸気エンジンの2WDで最高26.4km(JC08モード)・22.7km/l(WLTCモード)、ターボで24.3㎞/l(JC08モード)・21.2㎞/l(WLTCモード)と、先代に届いていません。改良された分は、燃費の最高スペックではなく、ドライバビリティなど、目に見えない部分に使われたのでしょう。

安全装備の進化と充実

先代から現行モデルへの進化で大きいのは、先進運転支援(ADAS)系でしょう。先代でも衝突被害軽減自動ブレーキを含む先進安全機能の「スマートアシスト」が採用されていました。しかし、現行モデルでは、その機能がさらに進化・充実しています。

新たに追加された機能としては、高速道路などで利用できる「全車速追従機能付きACC」と「LKC(レーンキープコントロール)」、斜め後方の死角をカバーする「BSM(ブランドスポットモニター)」などが用意されていること。安全性の向上と運転負担の軽減は、最新モデルならではの進化の部分です。
先代モデルから現行モデルへの「タント」のフルモデルチェンジは、基本コンセプトをキープしながら、内容を一新して性能を一段高くしているというものでした。「タント」の派生モデルである「タント ファンクロス」は、当然、その恩恵を大きく受けています。現代の最新モデルとして、それに見合った性能を備えていると言えるでしょう。
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