日産セレナのグレード比較!ハイウェイスターから最上級グレードまでの違いを解説【プロ徹底解説】

日産セレナ

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日産のミニバンであるセレナが、2022年11月にフルモデルチェンジしました。今回からは、新たに最上級の新グレード「LUXION(ルキシオン)」が加わっています。また、カスタムバージョンとして「セレナAUTECH(オーテック)」も発売されました。今回は、それらもあわせてグレードごとに、どのような違いがあるのかを解説します。

文・鈴木 ケンイチ/写真・PBKK

※ 2023年2月現在

鈴木 ケンイチ

モータージャーナリスト。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。レース経験あり。毎月1回のSA/PAの食べ歩き取材を10年ほど継続中。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 自動車技術会会員 環境社会検定試験(ECO検定)

鈴木 ケンイチ
Chapter
基本は3グレード+最上級の4グレード
新たに追加された最上級グレード「LUXION(ルキシオン)」
エントリーとなる「X」グレード
ミドルグレードとなる「XV」
専用のエクステリアを備えた「ハイウェイスターV」
プレミアムスポーツをコンセプトとする「セレナAUTECH」

基本は3グレード+最上級の4グレード

新型セレナのグレード編成は4つ。「X」「XV」「ハイウェイスターV」の3グレードを基本とし、今回のフルモデルチェンジで、最上級グレードとなる「LUXION(ルキシオン)」が追加されました。また、日産の子会社が作るカスタム版「セレナAUTECH」も販売されています。

ちなみにパワートレインは、2リッターのエンジンと、1.4リッター+モーターのハイブリッドとなる「e-POWER」の2つ。駆動方式はエンジン車にはFFと4WDを用意しますが、ハイブリッドの「e-POWER」はFFのみとなります。

新たに追加された最上級グレード「LUXION(ルキシオン)」

今回のセレナのフルモデルチェンジで、目玉商品的な存在となるのが、新たに追加された最上級グレードとなる「LUXION(ルキシオン)」です。パワートレインは「e-POWER」のみ。そのため駆動方式はFFだけとなります。また、他グレードが8人乗車なのに対して、「LUXION(ルキシオン)」は2列目シートがキャプテンシートになっているため、7人乗車となります。
最上級グレードということで、新型セレナの中で唯一、最新の運転支援システム「プロパイロット2.0」「プロパイロットリモートパーキング」が装備されています。これは、他グレードでは装着することのできない、専用と言っていい機能となります。

また、ダークサテン・フェンダーフィニッシャーと専用エンブレムの「LUXION(ルキシオン)専用外装」も専用品となります。ちなみに、フロントグリル、フロントエアバンパー、サイドシルスポイラー、リヤエアロバンパー、16インチのアルミホイールは、「ハイウェイスターV」と「LUXION(ルキシオン)」の2グレードの専用品となります。

内装も、インストロア/ドアトリムクロスは「LUXION(ルキシオン)」専用品。スライドドアトリムにアンビエントライトが装備され、木目調フィニッシャーがブラック木目柄なのも他グレードにはありません。シートは2列目がキャプテンシートなだけでなく、表皮も唯一の合皮となっています。
それ以外にも、オートレベライザー付きLEDヘッドライトやアダプティブLEDヘッドライトシステム、遮音機能のついたフロントガラス、ヘッドアップディスプレイ、アームレスト付きセンターコンソールボックス、インテリジェントアラウンドビューモニター(移動物検知機能付き)、インテリジェントルームミラー、メーターの12.3インチのディスプレイ、ワイヤレス充電器、6スピーカーなど、他グレードにはない装備が数多く標準装備となっています。

価格は473万8200円。他グレードよりも100万円以上も高く設定されています。

エントリーとなる「X」グレード

新型セレナのエントリーとなるグレードが「X」です。エクステリアの特徴は、LEDフォグランプがないということくらいです。見た目では、他とあまり変わりません。

ただし、内装系ではいくつかの違いがあります。インナーハンドルにメッキがなく、2列目シートのロールサンシェード、パーソナルテーブルもありません。カップホルダーも2列目シート用がなく、3列目も4個と他よりも少なくなっています。そしてUSBソケットもフロントにタイプAとタイプCがひとつずつ、合計2個あるだけです。エアコンは、FFの場合、ただのオートエアコン。4WDになると、他グレードと同じプラズマクラスター機能が搭載されるようになります。スライドドアにオートクロージャーはついていますが、開けるための機能はありません。
ただし、先進運転支援の基本的な機能は、最上級の「LUXION(ルキシオン)」を除いた他グレードと同じ。安全性という点では、見劣りするわけではありません。

装備が少ないということで、車両重量が軽く、その分、燃費性能がよくなります。エンジン車のFFで13.4km/l(WLTCモード)、「e-POWER」で20.6㎞/l(WLTCモード)で最も良い数値となります。ただし、エンジン車の4WDの燃費性能は他と変わりありません。

価格はエンジン車のFFで276万8700円、4WDで303万4900円、「e-POWER」で319万8800円。最も安い価格設定となります。

ミドルグレードとなる「XV」

ミドルグレードとなるのが「XV」です。ただし、外観を除くと、その内容は、その上位となる「ハイウェイスターV」とほとんど変わりません。また、外観でエントリーの「X」と違うのは、LEDフォグランプが追加されているくらいとなります。

ただし、室内の装備は「X」よりも充実したものとなります。インナーハンドルはメッキされており、2列目シートのロールサンシェード、パーソナルテーブルが装備されます。カップホルダーは、フロントに3個、2列目に4個、3列目に6個、合計13個の装備となります。USB電源ソケットは、タイプAが1個、タイプCが5個を備えます。エアコンはプラズマクラスター付き。スライドドアには、車の下に足を入れると開閉するハンズフリーオートスライドドア(両側)が備えられています。

価格は、エンジン車のFFで308万8800円、4WDで335万5000円、「e-POWER」が349万9100円となります

専用のエクステリアを備えた「ハイウェイスターV」

歴代のセレナでも人気を集めたのがドレスアップ・グレードである「ハイウェイスターV」です。新型セレナの「ハイウェイスターV」では、「LUXION(ルキシオン)」と共通のフロントグリル、フロントエアロバンパー、サイドシルスポイラー、リヤエアロバンパー、16インチアルミホイールといったドレスアップされたエクステリアが装着されています。

また、エンブレムは、「ハイウェイスターV」専用のものとなります。

基本的な装備と先進運転支援システムは、「XV」と変わりません。異なるのはルックスだけということになります。

価格はガソリン車のFFで326万9200円、4WDで353万5400円、「e-POWER」で368万6100円となります。

プレミアムスポーツをコンセプトとする「セレナAUTECH」

最後に紹介するのが日産の子会社が作るカスタムバージョンの「セレナAUTECH(オーテック)」です。

AUTECHブランドのコンセプトは、過去のカスタムカーづくりで培った同ブランドのクラフトマンシップを継承しつつ、スポーティで高級感漂うスタイリングを伸長させるというもの。同ブランドの本拠地がある神奈川・湘南茅ケ崎の「海と空」をイメージさせるブルーをブランドカラーとしています。新型セレナでも、AUTECHらしいスポーティさと高級感が高められています。

ベースとなったのは「ハイウェイスターV」。「e-POWER」のFFと、エンジン車のFF/4WDが用意されています。

エクステリアは、他のAUTECHモデルと同様の、ドットパターンを用いたフロントグリルをはじめ、シグネチャーLED&フィニッシャー、サイドシルプロテクター、サイドスポイラー、リヤプロテクター、リヤエアロバンパーなどの専用品を使用。16インチのアルミホイールも専用デザインとなっています。インテリアでは、シートの表皮に人工皮革のレザレッドを使い豪華に仕上げました。また、インテリジェントアラウンドモニターやインテリジェントルームミラーなど装備類も充実。「e-POWER」車では、2列目を豪華なキャプテンシート仕様として7人乗車となっています。

ボディカラーはAUTECH専用色のカスピアンブルーだけでなく、専用2トーンの3種を含む、全部で7色が用意されています。価格は377万3400円~415万0300円となっています。
新型セレナに用意された、各グレードの内容を説明してきました。エントリーの「X」に中位グレードの「XV」、ドレスアップの「ハイウェイスターV」、新顔の最上級となる「LUXION(ルキシオン)」、そしてカスタムの「AUTEXH」まで、非常に多彩な顔触れです。これだけあれば、きっと幅広いニーズに対応することができることでしょう。
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