頂点を極めた電気自動車…アウディ RS e-tron GTをモータージャーナリスト 河西啓介が徹底解説!

アウディ RS e-tron GT アウディ港南台 ネクステージ

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アウディの電気自動車(EV)シリーズ「e-tron」のフラッグシップ・スポーツカーである「e-tron GT」は2021年に発表された。

ポルシェとの共同開発により、EVスポーツカー「タイカン」と共通のシャシーおよびコンポーネンツを用いた4ドアクーペだ。

「e-tron GTクワトロ」とその高性能版「RS e-tron GT」があり、アウディよればこのe-tron GTは「サスティナブルな未来に向けた新たなブランドアイコン」と説明される。

アウディの未来を象徴する一台とも言える「e-tron GT」を、アウディ港南台で取材させていただいた。

河西啓介|かわにし けいすけ

「NAVI CARS」「MOTO NAVI」「BICYCLE NAVI」などの編集長をつとめ、その後フリーランスの編集者、モータージャーナリストとして活動。自動車のハードウェア面だけでなく、衣・食・住を含めたライフスタイル商品として捉えるという視点を重視する。同時にアーティスト、タレントとしての活動も行っており、テレビ、ラジオ、イベントなどへの出演も多い。

河西啓介
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空力性能を追求したエクステリアデザイン
最高出力は646馬力!0−100km/h加速はわずか3.3秒
先進性をもたせつつ現実的な実用性を兼ね備えたインテリア
実際に試乗!フラッグシップEVの名に恥じぬ完成度の高さ

空力性能を追求したエクステリアデザイン

ボディは全長4990mm✕全幅1965mm✕全高1415mm(RSは全高1395mm)と、迫力あるロー&ワイドなプロポーション。

ホイールベースは2900mmとタイカンと同一だ。
ブランド共通のアイコンである6角形のシングルフレームグリルに加え、前後の「クワトロ・ブリスターフェンダー」、オプションで用意されるレーザーライト付マトリクスLEDヘッドライトなどにより、先進のテクノロジーを売りとするアウディらしさが表現されている。

EVにとって最も重要なファクターと言える空力特性については、ボディ全体をスムーズなラインで構成することにより、Cd値をわずか0.24に抑えている。

最高出力は646馬力!0−100km/h加速はわずか3.3秒

パワーユニットおよび駆動システムは、前軸と後軸それぞれに電動モーターを搭載した2モーター4WDを採用

システム全体の出力はe-tron GTクワトロが最高出力476ps(350kW)/最大トルク640Nm、RS e-tron GTが最高出力598ps(440kW)/最大トルク830Nmとハイパワーだ。

さらに発進時のホイールスピンを抑えるローンチコントロール使用時には最高出力が高められそれぞれ530ps(390kW)、646ps(475kW)となる。

このモードにおけるRS e-tron GTの0−100km/h加速はわずか3.3秒という凄まじい速さだ。

最高速はe-tron GTクワトロが245km/h、RS e-tron GTが250km/hと発表されている。
こうした高性能を実現する大容量のリチウムイオンバッテリーは床下に搭載されている。

総容量は93.4kWh、システム電圧は800Vで、e-tron GTクワトロ、RS e-tron GTとも一充電での航続距離はWLTCモードで534kmとなっている。

充電方法は200Vの普通充電とCHAdeMO規格の急速充電が可能。フロントフェンダーの左右にそれぞれの充電ポートを備えている。

CHAdeMOは150KWの超急速充電に対応しているが、近ごろ設置場所が増えてきた90kWの充電器では30分で約250km分を充電できるという

先進性をもたせつつ現実的な実用性を兼ね備えたインテリア

室内は現代のスーパースポーツカーらしく、シンプルかつミニマルな雰囲気に仕立てられている

メーターパネルはデジタル表示でナビゲーションなどを含みあらゆる情報が表示できるアウディ独自の「バーチャルコックピット」を採用。
ギアセレクターはスライド式でP、R、N、Dのみのシンプルなものだが、ハンドルに備わるパドルで回生ブレーキの効き方を3段階に切り替えることができる。

最も強く効かせるモードを選べば、アクセルのオン・オフで加減速をコントロールする“ワンペダル・ドライブ”的な運転も可能だ。
前席はスポーツカーらしくタイトな空間を演出しつつ、ボディ幅を活かしたワイドな視界により居心地のよさを感じさせる。

GT(Gran Turismo)の車名どおりロングドライブを快適にこなすことができそうだ。
後席は2人掛けのような形状だが、実際は3人掛けで乗車定員は5人となる。ルーフが低いため乗降時には少々気を使うが、シートに収まってしまえば外観から想像するよりずっと快適。

足もとも広く、着座位置も自然だ。
トランクルームはe-tron GTクワトロが405リッター、RS e-tron GTが350リッターと、4ドアクーペとしては十分な容量が確保されている。

フロントフード下にも収納スペースがあり、普通充電用ケーブルをぴったり収めることができる。

実際に試乗!フラッグシップEVの名に恥じぬ完成度の高さ

アウディRS e-tron GTに試乗してみて驚いたのは、これだけのハイパフォーマンス・スポーツカーであるにも関わらず、その走りがとてもジェントルなことだ。

EVはバッテリーが重くどうしても車重が増えるが(RS e-tron GTは約2.3t)、そのため荒れた路面では振動や揺れを抑えるのが難しい。

しかし乗り心地は常に高級セダンのように落ち着いていて、アダプティブエアサスペンションを備えるRS e-tron GTはとくに姿勢変化の少ないしなやかな走りに感心させられた。
EVは電池容量と電気モーターの出力を上げることにより、比較的容易にハイパフォーマンスを得ることができる。

だからこそ高性能EVにとって重要なのは、そのあり余る性能をいかに上手に躾け、制御するかということだろう。

RS e-tron GTに乗ってみると、アウディが長年にわたり積み上げてきた自動車技術が活きていることがわかる。

シャシーやコンポーネンツを共有するポルシェ・タイカンとの味付けの違いもしっかり感じられ、まさに新時代のアウディのアイコンにふさわしい1台と言えるだろう。
今回ご紹介した車両は「アウディ港南台」で取材、撮影させていただいたもの。

車両の詳細はYouTubeチャンネル「CARPRIME」「コレデチャンネル」でも解説しているので、動画もぜひご覧いただきたい。
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