「ワンタッチウィンカー」は危険?そもそもなに?

ウインカー

近年「ワンタッチウィンカー」を採用する車が増えています。便利な側面もある一方で、違和感を覚える人もいるなど賛否両論あるようですが、いったいどういったものなのでしょうか?

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便利?それとも危険?賛否両論の「ワンタッチウィンカー」

便利?それとも危険?賛否両論の「ワンタッチウィンカー」

一般的に、ウィンカーと言えば、ハンドルの右側(輸入車など一部車種では左側)にあるレバーを上下させることで、点灯・消灯させるものです。通常のウィンカーは、レバーを少し動かせば1回点灯し、「カチッ」となる位置までレバーを動かせば、常時点滅するという仕組みです。

しかし、近年発売される新車の中には、「ワンタッチウィンカー」と呼ばれるウィンカーが採用されることが増えています。「ワンタッチウィンカー」はその名の通り、レバーを少し動かしただけで、ウィンカーが3回(車種によっては5回)自動的に点滅する機能を備えたものです。ちなみに、「カチッ」となる位置までレバーを動かした際は、通常のウィンカー同様に常時点滅します。

つまり、通常のウィンカーでは簡単にできる「1回だけ点灯させる」ということが、「ワンタッチウィンカー」では難しくなっているのが特徴です。

「ワンタッチウィンカー」の大きなメリットは、レバーを戻す負担を軽減させることができるというものです。同様に、車を運転することがある人なら必ずと言っていいほど経験のある「ウィンカーの消し忘れ」を防ぐことができるというメリットもあります。

一方で、3回の点滅は時間にすればわずか3秒程度であり、周囲の車に自車の進路変更を知らせるには不十分であるという指摘もあります。実際に、道路交通法にはウィンカーを点灯させるタイミングについて「交差点などの30m手前」もしくは「進路変更の3秒前」と規定されており、「ワンタッチウィンカー」の点滅時間はかなりギリギリであることがわかります。

つまり、「ワンタッチウィンカー」の採用によって、ウィンカーの消し忘れは防げるものの、そもそも周囲の車がウィンカーを認識する前に消灯してしまう可能性があります。

ただ、上でも説明したとおり、「ワンタッチウィンカー」であっても常時点灯させることができないわけではありません。「ワンタッチウィンカー」が採用されている車であっても、道路状況に応じて常時点灯機能を有効に使用することが求められます。

吉田 恒道|よしだ つねみち

1980年代、大学卒業後ファッション・モード専門誌「WWD Japan」編集部勤務を皮切りに編集者としてのキャリアを積む。その後、90年〜2000年代、中堅出版社ダイヤモンド社の自動車専門誌・副編集長に就く。以降、男性ライフスタイル誌「Straight’」(扶桑社)など複数の男性誌編集長を歴任し独立、フリーランスのエディターに、現職。著書に「シングルモルトの愉しみ方」(学習研究社)がある。

吉田 恒道