トヨタ ヤリスクロスVS日産 キックスを徹底比較!人気SUVの特徴や違いをジャーナリストが解説

ネクステージ キックス ヤリスクロス

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トヨタ ヤリスクロス日産 キックス。このところ流行しているコンパクトなSUVとして、大きなマーケットとなっている「BセグメントSUV」のライバル関係にあるモデルです。

今回、YouTubeチャンネルの「CARPRIME」では「Korede」とのコラボで、注目車種であるトヨタ ヤリスクロスと日産 キックスに注目してみました。

両車における、クルマ選びでチェックすべきポイントはどこにあるのでしょうか?

工藤 貴宏|くどう たかひろ

1976年生まれの自動車ライター。クルマ好きが高じて大学在学中から自動車雑誌編集部でアルバイトを開始。卒業後に自動車専門誌編集部や編集プロダクションを経て、フリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに執筆している。心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はルノー・ルーテシアR.S.トロフィーとディーゼルエンジン搭載のマツダCX-5。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。

工藤 貴宏
Chapter
ボディサイズは両車とも3ナンバー!キックスの方がヤリスクロスよりもひとまわり大きい
運転の楽しさはキックスの圧勝!パワートレインはヤリスクロスの方が選択肢が豊富
後席はキックスに軍配が上がる。ヤリスクロスは荷室の幅広い使い勝手の良さでカバー

ボディサイズは両車とも3ナンバー!キックスの方がヤリスクロスよりもひとまわり大きい

まずは車体サイズ。

ヤリスクロスは全長4,180mm×全幅1,765mm。対してキックスは4,290mm×1,760mm。実は、キックスのほうが車体はひとまわり大きいのです。しかもその全長の差は110mmと小さくありません。

実はこの全長の違いが、後ほど説明する居住性や荷室の違いにも影響してきます。

 
全幅は両車ともに1.7mをオーバー。つまり国産車の基準のひとつである「5ナンバー枠」を超えています

その理由はいずれも海外展開を前提として開発したモデルなので日本の車体区分を重視していないから。

とはいえ、5ナンバー枠をはみ出しているからといって自宅の車庫にさえ収まるのなら心配する必要はないでしょう。

昨今のSUVは、ミドルクラス以上であればさらにワイドな1.8mを超えるのが通常ですが、それらを所有する人から「日常の運転で苦労している」という声はほとんど聞こえてきません。
ちなみに、全高はヤリスクロスが1,590mmでキックスは1,610mm

いずれも上限1,550mmを基準とする一般的な機械式立体駐車場(ミニバンやSUV非対応のタイプ)に入庫できないことは、知っておいたほうがいいでしょう。

運転の楽しさはキックスの圧勝!パワートレインはヤリスクロスの方が選択肢が豊富

両車は、パワートレインにも違いがあります。

ヤリスクロスは排気量1.5Lの4気筒自然吸気エンジンと、そこにモーターを組み合わせたハイブリッドを用意。いっぽうでキックスは、純粋なガソリンエンジン車を展開せず、ハイブリッド車だけのラインナップとする思い切った商品企画としているのです。

実はヤリスクロスを新車で購入する人も、大多数はハイブリッドを選択しています。しかし車両価格の安いガソリン車を選択する人もいるので、消費者にとって「選択肢の多さ」はメリットです。

いっぽうでキックスはガソリン車という選択がないので、もし値段の安いガソリン車が欲しいと思っても、ハイブリッドを選ばざるを得ません。
運転好きにとって気になるパワートレインの爽快感は、キックスの圧勝

キックスのハイブリッドはエンジンを発電専用とし、そこで起こした電気を使ってモーターがすべての駆動力を生み出す「シリーズハイブリッド」と呼ばれるタイプ。

モーターによる力強くて伸びやかな加速感はまるで電気自動車のようで、これまでのガソリン車とはまったく違う新しい感覚。一度味わうと癖になります。

トータルでの燃費性能はヤリスクロスのほうが勝りますが、運転する楽しさを求めるならキックスがおススメです。
▲ヤリスクロスの4WD車には、悪路でスタックしてもスムーズに脱出ができる「TRAILモード」が装備される

ところで、降雪地域に住んでいる人やウインタースポーツを楽しむ人は駆動方式に4WDを求めるかもしれません。

ヤリスクロスは全グレードで4WDを選択できますが、いっぽうのキックスには4WDの設定がありません。

これは、クルマ選びの際に知っておきましょう。

後席はキックスに軍配が上がる。ヤリスクロスは荷室の幅広い使い勝手の良さでカバー

▲キックスの後席に乗車

ここからは、使い勝手を見ていきましょう。

ファミリーユーザーなどは気になる後席スペースは、この2台で比べると勝っているのはキックスです

それも僅差というレベルではなく、乗り比べると明らかにキックスのほうが広いと実感するほど違いがあります。
ポイントは3点。ひざ回りスペース(フロントシートとリヤシートの間隔)、頭上の空間、そして開放感です。

いずれもキックスが優れているので、後席の居住性を重視したクルマ選びでこの2台から選ぶなら、キックスのほうがマッチングはいいでしょう。

ちなみに、このクラス(BセグメントクロスオーバーSUV)でもっとも後席居住性が優れているのは、ホンダ ヴェゼル。ただし、キックスとヴェゼルの差はそこまで大きくありません(ヤリスクロスとヴェゼルの差は大きい)。
▲ヤリスクロスのラゲッジスペース(荷室)

使い勝手の要素といえば、ラゲッジスペースも欠かせません。

ヤリスクロスのラゲッジスペースも車体サイズの割に広く、容量的には後席展開時で390L(FFモデル)を用意。

ハッチバックのヤリス(最大270L)と比べてみると、その1.4倍も確保しています。
▲キックスのラゲッジスペース(荷室)

いっぽうでキックスはそれを上回る423L。積載量重視なら、キックスが有力候補となるでしょう。

キックスの荷室はとにかくシンプルで、できるだけ容量を広げたいという狙いがよくわかります。
唯一のアレンジといえば左右60:40でおこなえる後席格納のみ。凝った仕掛けはありません。
▲ヤリスクロスのラゲッジスペース(荷室)

いっぽうでヤリスクロスは、後席格納が40:20:40と3分割。

真ん中だけを倒してゆったり4人乗車しつつスノーボードのような長尺物を積めるメリットがあります。
▲ヤリスクロスの後席

さらに、真ん中を倒すと後部座席のアームレストとなり、カップホルダーまで兼ねるという高機能。隅々まで快適性に配慮が行き届いているのです。
そのうえFFモデルの「G」や「Z」には左右分割式の高さ調整式床面ボードを採用。

これは荷室を上下分割することで床下スペースを活用したり、リヤシートを倒した際でも床をフラットに保てる(キックスは段差ができる)機能です。

このクラスでは初となる左右分割とすることで、より幅広いアレンジに対応。

広さではキックスですが、このアレンジ幅の広さが、ヤリスクロスのラゲッジルームの魅力といえるでしょう。
ヤリスクロスの上級グレードは運転席にパワーシートを採用し、オプションで電動テールゲートも装備。しかしキックスにはそれらの設定がありません。

こういった装備の違いも、購入時にチェックしたいポイントのひとつです。
両車はライバルとして比較されがちなモデルですが、こうして見比べてみるといくつかの“大きな違い”があることを理解できるでしょう

仕様の選択肢の多さはヤリスクロス圧勝ですが、パッケージング的な使い勝手ではキックスが魅力的といえます。
今回取材させていただいたトヨタ ヤリスクロス日産 キックスの解説動画が、Youtubeチャンネル「コレデ」と「CARPRIME」で公開されています。

近頃、大流行しているBセグメントSUV市場を牽引する2台。両車の違いは一体どこにあるのか、工藤貴宏伊藤梓藤木由貴が迫ります。

さらに特別ゲストとして、ネクステージ摂津店のスタッフさんもご出演。両車の違いを動画でチェックしたい!という方におすすめの動画です。
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