充電制御対応バッテリーと通常のバッテリーの違い

いまどきのクルマで重要なのは環境性能。CO2の排出量制限などが世界中で厳しくなり、燃費性能を上げることが求められている。環境性能、省燃費と聞くとハイブリッドカーを思い浮かべるかもしれないが、いわゆるエンジン車においても様々な工夫がなされている。

文・山本 晋也

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充電制御とはエンジン負荷を減らす仕組み
充電受入性の高いバッテリーが必要になる

充電制御とはエンジン負荷を減らす仕組み

トヨタ プリウス 2016 補機バッテリー

いまどきのクルマで重要なのは環境性能。CO2の排出量制限などが世界中で厳しくなり、燃費性能を上げることが求められている。環境性能、省燃費と聞くとハイブリッドカーを思い浮かべるかもしれないが、いわゆるエンジン車においても様々な工夫がなされている。

それらの工夫はカタログで確認することができるのはご存知だろうか。スペック表を見ていくと「主要燃費向上対策」と書いてあるが、そこに記されている項目はどれも燃費を改善する機構やデバイスだ。そして、多くのモデルにおいて「充電制御」という四文字を見つけることができる。はたして、充電制御とはどのようなものなのか。そして充電制御には専用のバッテリーが必要という話は本当なのだろうか。

クルマの電装系は、エンジンルームやトランク内に置かれている鉛バッテリーが担っていることが多い(乗用車のほとんどが12V)。このバッテリーはアルカリ電池などとは違って、使い切りというわけではない。

常にエンジンで発電機(オルタネーター、ジェネレーター)を動かして充電している。これによりオーディオやエアコンなどの電装品を使っても、バッテリーが空になることなく、長い間(といっても3年程度で交換したい)使い続けることができる。

しかし発電機を動かすエネルギーは、元をただせば燃料である。そこで、不要なときには発電機を止めて、エンジン負荷を軽減することで燃費を改善しようというのが「充電制御」の狙いだ。

具体的には、ある程度までバッテリーが充電されると発電機をフリーとしてエンジン負荷を軽減、バッテリーが放電して一定のラインを切ると、ふたたび充電を開始するというサイクルを繰り返している。充電・停止、充電・停止といった具合にこまめに切り替えているわけだ。

充電受入性の高いバッテリーが必要になる

バッテリー

こうした制御を活かすのが充電制御対応バッテリーだ。従来のバッテリーは常にゆっくりと充電するという使われ方を前提としているので、充電時間が長くなる傾向にある。そうなると充電時間が長く、充電を止めている時間が短くなる。

つまり、燃費改善効果がさほど期待できなくなってしまう。一方、充電制御対応バッテリーは充電受入性が高く、高速で充電できるため、充電時間を短くして、エンジン負荷を軽減している時間を長くとることができるのだ。

充電制御のメリットは充電を止めて負荷を減らすことだから、充電していない時間が長いほど燃費改善効果が期待できる。つまり、充電制御用の充電受入性にすぐれたバッテリーを使わないと、充電制御の旨味は引き出せないということになる。

バッテリーあがりや劣化のタイミングでバッテリーを新品交換することもあるだろうが、もし愛車が充電制御付きであれば、それ専用のバッテリーを選ぶことで、省燃費性能を引き出すことができる。逆にいえば通常のバッテリーを選ぶと燃費が悪化することもある。

ただし、充電制御用バッテリーは充電受入性能を向上させるなど機能が高いぶんだけ価格も上昇してしまう傾向にある。もっとも、最近では充電制御用バッテリーが増えていることもあり、価格帯も幅広い。かつてのように1万円オーバーが必至というわけではなく、5,000円程度の比較的手頃な価格帯で充電制御に対応したバッテリーが見つかりやすくなっているのはユーザーとしてもうれしいところだろう。