レクサスSUVの最安値モデル!UXってどんな車?

2018年11月28日、レクサスは新型車「UX」を発表しました。LX、RX、NXといった人気のSUVをラインナップするレクサスにおける、エントリーコンパクトSUVとして発売されたUXは、どんな魅力的なクルマに仕上がっているのでしょうか?詳細を見て行きましょう。
文・赤井福
かゆいところに手が届くクルマ
レクサス UXのボディサイズは、全長4,495mm×全幅1,840mm×全高1,540mm。トヨタ C-HRよりもひと回り大きく、レクサス NXやトヨタ ハリアーより全長が短い、取り回し性に優れたコンパクトクロスオーバーSUVです。
エンジンは、2.0Lターボと2.0L+モーターのハイブリッドを用意。プラットフォームは、プリウスやC-HRと同じ「GA-C」を採用し、レーザースクリューウェルディングや構造用接着剤の使用により、ボディ剛性を大幅に向上させています。
チーフエンジニアの加古 慈氏は、女性ならではの目線で、いままでのレクサスSUVのユーザー層ではない、新たなレクサスユーザーの発掘を目指したと話しています。
レクサスのSUVは、RXの1台体制が長く続いていました。そこで2014年にNXが登場、ヒットはしたものの、コンパクトSUVと呼ぶにはボディが大きすぎて、敬遠されることも多く、販売現場ではメルセデス・ベンツ GLAやBMW X1のような、小さなSUVが熱望されていました。
今回のUXは、ユーザー側にもディーラー側にも「かゆいところに手が届く」存在になりそうです。
万人受けを狙っていない、新しい目線
レクサスで車両販売を長く担当してきた立場から言わせてもらえば、GSの日本導入から現在まで、レクサスは個性的というよりは中庸的なクルマを多く販売してきたと思います。
「このクルマだから買う」というより、「不満も若干あるけど満足点が多いから買う」「レクサスだから大丈夫」という、全体的に80点を目指すクルマづくりが多かったように感じています。そんななかで、UXは「UXだから買う」という人が多くなるだろうと考えます。
UXは運転席に乗り込んだ瞬間に、女性に対するアピールを感じます。ヒップポイントが高く見晴らしが良いシート位置と、コンパクトにまとめられたスイッチ類は、身体の小さなユーザーをメインに考えています。徹底的に女性目線で作り上げたクルマと感じるのは、レクサスでは初めてです。
私自身、身長が177センチと多少大柄なこともあり、ヒップポイントの高い着座位置は、適切なドライビングポジションを取るには高すぎ、ペダルとステアリングの位置のバランスがなかなか合わず苦労をしました。他方、150センチ後半から160センチ前半の身長であれば、良好なポジションをすぐに見つけることができます。
CTでは、女性からヒップポイントの低さを指摘されることが多く、「運転しにくい」と敬遠されることもありましたが、UXに関しては女性からの不満が出ることは少ないでしょう。大柄な男性では窮屈さを感じるかもしれませんので、その場合はNXへのシフトをおすすめします。
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