新型フォレスターは2.5LNAエンジン車とマイルドハイブリッド「e-BOXER」どちらを選ぶべき?
更新日:2024.09.09
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SUBARUのグローバル販売台数は年間約100万台で、そのうち1/3を占めるのがSUVのフォレスターだという。なお、フォレスターのグローバル販売台数は2016年には28万台強。2018年6月20日に発表された新型フォレスターのうち、日本での受注台数(初期受注)で約4割を占めているというのが、マイルドハイブリッドで初めて「e-BOXER」を名乗る最上級グレードの「Advance(アドバンス)」だ。
文/写真・塚田勝弘
文/写真・塚田勝弘
新型フォレスターの初期受注の約4割を占める「e-BOXER」とは?
SUBARUの屋台骨を支える新型フォレスターには、2.5Lの水平対向4気筒NAエンジンと、2.0L水平対向4気筒NAエンジン+モーターのマイルドハイブリッドである「e-BOXER」が設定されている。なお、前者は2018年7月19日に発売され、後者は遅れて9月14日に発売されている。
マイルドハイブリッド仕様である「e-BOXER」搭載の「Advance」は、3,099,600円という新型フォレスター全体の中での最上級グレードでもあり、「e-BOXER」を積む単一グレードでもある。その中で、4割を占めるという初期受注は、かなり高い比率といえるだろう。
フォレスターに限らず、新型車の初期受注では、高いグレードが比較的売れるという傾向はあるが、「e-BOXER」への関心の高さ、期待の表れといえるだろう。というのも、9月14日に発売された「e-BOXER」搭載の「Advance」を初期受注でオーダーした人は試乗車がまだ配備される前なので、「e-BOXER」には試乗をせずに指名したと思われるためだ。
マイルドハイブリッド仕様である「e-BOXER」搭載の「Advance」は、3,099,600円という新型フォレスター全体の中での最上級グレードでもあり、「e-BOXER」を積む単一グレードでもある。その中で、4割を占めるという初期受注は、かなり高い比率といえるだろう。
フォレスターに限らず、新型車の初期受注では、高いグレードが比較的売れるという傾向はあるが、「e-BOXER」への関心の高さ、期待の表れといえるだろう。というのも、9月14日に発売された「e-BOXER」搭載の「Advance」を初期受注でオーダーした人は試乗車がまだ配備される前なので、「e-BOXER」には試乗をせずに指名したと思われるためだ。
さて、これから2.5L NAモデル、2.0L+モーターの「e-BOXER」を試乗してからじっくり吟味したいという人も少なくないはず。
「e-BOXER」搭載の「Advance」は最上級グレードだけあって、18インチタイヤ(サマータイヤ)&アルミホイール、キーレスアクセス&プッシュスタート、アイサイトセイフティプラス、SUBARU初のドライバーモニタリングシステムなどの先進安全系を含めた充実の標準装備が目を惹く。
ドライバーモニタリングシステムは、インパネのモニター上部に設置されたカメラがドライバーの居眠り、脇見などを検知、警告するだけでなく、運転席のドアを開けようとするドライバーを早い段階から認識しているという。
これにより、シート位置や好みの温度設定、メーターやディスプレイ表示などを、イグニッションオンの段階で自動的に調整(再現)するおもてなし機能まで含まれている。こうした、新しい装備への関心を示すのも初期受注段階で高いグレードを選択する層に共通する傾向といえるだろう。
「e-BOXER」搭載の「Advance」は最上級グレードだけあって、18インチタイヤ(サマータイヤ)&アルミホイール、キーレスアクセス&プッシュスタート、アイサイトセイフティプラス、SUBARU初のドライバーモニタリングシステムなどの先進安全系を含めた充実の標準装備が目を惹く。
ドライバーモニタリングシステムは、インパネのモニター上部に設置されたカメラがドライバーの居眠り、脇見などを検知、警告するだけでなく、運転席のドアを開けようとするドライバーを早い段階から認識しているという。
これにより、シート位置や好みの温度設定、メーターやディスプレイ表示などを、イグニッションオンの段階で自動的に調整(再現)するおもてなし機能まで含まれている。こうした、新しい装備への関心を示すのも初期受注段階で高いグレードを選択する層に共通する傾向といえるだろう。
さて、「e-BOXER」唯一のグレードとなる「Advance」の走りはどうだろうか。モーターの最高出力は10kW、最大トルクは65Nmなので、あくまでも主役は107kW(145ps)/188Nmの2.0Lエンジンということになる。
なお、ストロングハイブリッド(フルハイブリッド)の代表格であるトヨタ・プリウスのモーター出力は、60kW/207Nm。車格や車重、そしてシステムも異なるため、比較に意味はあまりないものの、出力だけでじつに6倍の差がある。
なお、「e-BOXER」のモーター自体は、先代の2代目XVハイブリッドと同じ。新型フォレスターでは、ニッケル水素からリチウムイオン電池に進化したことで、よりモーターのポテンシャルを引き出しやすくなっているのが特徴だ。
なお、ストロングハイブリッド(フルハイブリッド)の代表格であるトヨタ・プリウスのモーター出力は、60kW/207Nm。車格や車重、そしてシステムも異なるため、比較に意味はあまりないものの、出力だけでじつに6倍の差がある。
なお、「e-BOXER」のモーター自体は、先代の2代目XVハイブリッドと同じ。新型フォレスターでは、ニッケル水素からリチウムイオン電池に進化したことで、よりモーターのポテンシャルを引き出しやすくなっているのが特徴だ。
「e-BOXER」の主役はエンジン、モーターは影の力持ち
「e-BOXER」の実際の走りはどうだろうか?街中から高速道路、山岳路で試す機会があったので、システムとともに印象を報告したい。
一般的にエンジンは、発進時や低速走行域で効率が悪く、高速道路で80km/hくらいでクルージングしているのが燃費はいいと実感している人も多いだろう。
「e-BOXER」は、発進時や低速走行域ではモーターのみでも走行が可能。速度やバッテリー状態、アクセルの踏み方でエンジンは比較的頻繁にかかるが、モーターのアシストは確かに感じられる。ただし、モーター出力が小さいため、EVモードスイッチ(強制的にモーター走行させる)は用意されない。
そこから加速に入ると、エンジンとモーターの両方が作動するハイブリッド走行状態になる。さらに高速域ではエンジンのみで駆動し、バッテリーの残量などに応じてモーターを回すことで発電。
もちろん、減速時には回生ブレーキが作動し、失われる減速エネルギーを回収してバッテリーに電気が溜められる。アイドリングストップからの再始動時は、ISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)でエンジンを再始動させるシステムとなっている。
一般的にエンジンは、発進時や低速走行域で効率が悪く、高速道路で80km/hくらいでクルージングしているのが燃費はいいと実感している人も多いだろう。
「e-BOXER」は、発進時や低速走行域ではモーターのみでも走行が可能。速度やバッテリー状態、アクセルの踏み方でエンジンは比較的頻繁にかかるが、モーターのアシストは確かに感じられる。ただし、モーター出力が小さいため、EVモードスイッチ(強制的にモーター走行させる)は用意されない。
そこから加速に入ると、エンジンとモーターの両方が作動するハイブリッド走行状態になる。さらに高速域ではエンジンのみで駆動し、バッテリーの残量などに応じてモーターを回すことで発電。
もちろん、減速時には回生ブレーキが作動し、失われる減速エネルギーを回収してバッテリーに電気が溜められる。アイドリングストップからの再始動時は、ISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)でエンジンを再始動させるシステムとなっている。
「e-BOXER」のハイブリッドシステムは、インパネのモニター表示によると、かなり頻繁に切り替わっているのが分かるものの、モーターアシストの出力は10kWなので明確に力強いというわけではない。せっかくのハイブリッドなのだからもっとアシストが欲しいという声もあるかも。
しかし、平地での発進時はもちろん、山岳路での加速時や高速道路で追い越しをする際など、力強い加速フィールが欲しい時に背中を押してくれるような頼もしさがある。
さらに、「アイサイト」のアダプティブクルーズコントロールを使って高速道路で巡行している際に「ECOクルーズコントロール」をオンにすれば、より燃費重視の追従走行が可能になる。「ECOクルーズコントロール」は、「e-BOXER」搭載車のみに用意される制御。
一方の2.5L NAエンジン搭載車は、136kW(184ps)/5,800rpm、239Nm/4,400rpmというアウトプット。試乗した箱根のワインディングなどの急勾配でも力強い走りが可能だ。
フォレスター(SUBARU)ファンの方からは「ターボはないの?」という声もあるようだが、少なくても公道でパワー不足を抱かせるシーンはあまりない。NAエンジンなのでターボラグはもちろんなく、ストレスなく加速していくのは大きな魅力だ。ただし、山道などでエンジン回転数を上げすぎると、CVTのモサッとしたシフトフィールが少し気になるところ。
しかし、平地での発進時はもちろん、山岳路での加速時や高速道路で追い越しをする際など、力強い加速フィールが欲しい時に背中を押してくれるような頼もしさがある。
さらに、「アイサイト」のアダプティブクルーズコントロールを使って高速道路で巡行している際に「ECOクルーズコントロール」をオンにすれば、より燃費重視の追従走行が可能になる。「ECOクルーズコントロール」は、「e-BOXER」搭載車のみに用意される制御。
一方の2.5L NAエンジン搭載車は、136kW(184ps)/5,800rpm、239Nm/4,400rpmというアウトプット。試乗した箱根のワインディングなどの急勾配でも力強い走りが可能だ。
フォレスター(SUBARU)ファンの方からは「ターボはないの?」という声もあるようだが、少なくても公道でパワー不足を抱かせるシーンはあまりない。NAエンジンなのでターボラグはもちろんなく、ストレスなく加速していくのは大きな魅力だ。ただし、山道などでエンジン回転数を上げすぎると、CVTのモサッとしたシフトフィールが少し気になるところ。
街中中心なら「e-BOXER」、郊外路や高速道路では2.5L NAが適任
JC08モード燃費よりもより実燃費に近いといわれているWLTCモード燃費は「e-BOXER」搭載の「Advance」が14.0km/L。2.5L NAエンジン仕様が13.2km/L。
大差ないように思えるが、「Advance」は市街地モード11.2km/L、郊外モード14.2km/L、高速道路モード16.0km/Lとなっていて、2.5L NAの市街地モード9.6km/L、郊外モード14.6km/L、高速道路モード16.4km/Lと比べると、市街地では「Advance」が1.6km/L上回っている。逆に郊外、高速道路では2.5L NAの方が若干上回っていることから、地域や乗り方に応じて選択する手もありそうだ。
それでも、「e-BOXER」搭載車と2.5L NAエンジン車で悩む方も多いだろう。車両価格や燃費、欲しい装備、そして走りの好みから選択するしかない。
個人的には、オレンジの加飾により、内・外装の華やかさ増す2.5L NAに設定されている「X-BREAK」が気になった。こちらは、225/60R17のオールシーズンタイヤを履くが、225/55R18の「Advance」よりも乗り心地もマイルド。ファミリー向けにもオススメしやすい印象だ。
大差ないように思えるが、「Advance」は市街地モード11.2km/L、郊外モード14.2km/L、高速道路モード16.0km/Lとなっていて、2.5L NAの市街地モード9.6km/L、郊外モード14.6km/L、高速道路モード16.4km/Lと比べると、市街地では「Advance」が1.6km/L上回っている。逆に郊外、高速道路では2.5L NAの方が若干上回っていることから、地域や乗り方に応じて選択する手もありそうだ。
それでも、「e-BOXER」搭載車と2.5L NAエンジン車で悩む方も多いだろう。車両価格や燃費、欲しい装備、そして走りの好みから選択するしかない。
個人的には、オレンジの加飾により、内・外装の華やかさ増す2.5L NAに設定されている「X-BREAK」が気になった。こちらは、225/60R17のオールシーズンタイヤを履くが、225/55R18の「Advance」よりも乗り心地もマイルド。ファミリー向けにもオススメしやすい印象だ。
新型フォレスター X-BREAK
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塚田 勝弘|つかだ かつひろ
自動車雑誌、モノ系雑誌の新車担当編集者を約10年務めた後に独立し、フリーランスライターとしても10年が経過。自動車雑誌、ライフスタイル雑誌、Web媒体などで新車試乗記事やカーナビ、カーエレクトロニクスなどの展開している。