超ハイパフォーマンスSUV、モデルX。日常の顔は…【鈴木ケンイチのダンガン一閃!】

テスラモーターズ モデルX 75D 夜間走行

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モデルXの最上級モデルとなるP100D。シリーズ最大となる100kWhのバッテリーを搭載しており、その豊富な電力から生み出されるパワーは恐ろしいものがある。

なんと0-100㎞/h加速が3.1秒!話題のランボルギーニ・ウルスの3.6秒を軽々と上回り、ポルシェ911GT3の3.4秒を上回るという、SUVとしてはあり得ないというほどの、でたらめな速さなのだ。

文・鈴木 ケンイチ

鈴木 ケンイチ

モータージャーナリスト。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。レース経験あり。毎月1回のSA/PAの食べ歩き取材を10年ほど継続中。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 自動車技術会会員 環境社会検定試験(ECO検定)

鈴木 ケンイチ
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強烈なパフォーマンス、だけど日常は穏やか
モデルXは、人の良いアメリカ人のようなクルマ
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強烈なパフォーマンス、だけど日常は穏やか

※写真は全てモデルX 75D

その恐ろしいほどのパワーは、誰もが簡単に味わうことができる。ぐっとアクセルを床まで踏み込めば、すぐさま、これまで体験したことのないような恐ろしい加速を始める。風景がまるで早回しの動画のように、後ろに流れていく。普通の人であれば、最初はその加速力に目が追い付かないはず。しっかりとした心づもりが必要なのは言うまでもない。

しかし、そんな強烈なパフォーマンスを備えるモデルXだが、飛ばさない日常の顔は、非常に穏やかだ。全体として、ゆったりとした動きで、いかにもアメリカ車らしいユルさがある。下手をすると、トヨタ・カムリの方がシャキシャキ感があるかもしれない。それほどリラックスして走らせることができるのだ。

しかし、これが、ある意味すごい。超がつくほどのハイパフォーマンスな運動性能を実現するシャシーは、普通であれば締めあげられ、のんびり走ると硬くて困るものだ。また、電池を大量に積むモデルXは重い。しかも、格好良い巨大なホイールとタイヤを履いている。最大で22インチだ。

普通であれば、路面の段差を超えるたびにドタバタとしがちだが、モデルXに「乗り心地が悪い」という印象はほとんどない。アメリカ車の普通の範ちゅうにおさまるはずだ。これがすごい。

モデルXは、人の良いアメリカ人のようなクルマ

さらに意外に運転がしやすい。ミラーの前に抜けた部分を作るなど、視界がよい。実寸は大きいけれど、走っている限り、あまり大きさは気にならないのだ。ただし、車庫入れなどは、ホイールベースが長いのでコツがいる。

ステアリングやブレーキに悪癖がないのも美点だ。パワフルだが、アクセルの操作に対する飛び出し感はなく、素直に動く。運転支援も充実しているので、高速道路をダラダラと長距離走るときのストレスは非常に少ない。電動車ならではの静かさも、疲れが少ない理由のひとつだろう。

また、テスラ車すべての特徴なのだが、スタートボタンやパーキングブレーキがない。最初は戸惑うが、こうした操作系は、とにかく可能な限りシンプル化されている。ドライバーに優しいクルマなのだ。

つまり、力持ちだけれど、優しくフレンドリー。なんだか、人の好いアメリカ人像そのものをイメージさせる。それがモデルXであった。

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