「やっぱりガソリン車が一番!」は本当?テスラ モデルXで味わった別次元のドライビング

テスラモーターズ モデルX 75D 運転写真

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ウェアラブルデバイスが現実世界に登場したのは今より少し前のこと。マンガやアニメのなかでは長い間待ち焦がれたそれも、実際使えるようになれば素早く私たちの生活に溶け込み、あっという間にそれが当たり前になっていった。

テスラにも近しいキャラクター性を感じる。シンプルで機能的な内装、車の脳みそであるソフトウェアはいつでも最新版にアップデート。新しいコト、モノがどんどんやってきて、柔軟に取り入れていく現代の人々にとって大好物なデバイスとも言えるのではないだろうか。今回はその最先端のEV、モデルXを試乗する。

文・樽見 祐佳

※ 2018年9月時点

樽見 祐佳|たるみ ゆうか

夏の風を感じながらのドライブが好き。静かな青の中に響く心地よいエンジン音と、サイドミラーをかすめる空気の音が奏でるハーモニーに耳を傾けながら運転する時間は、私にとって特別なもの。

相棒のメルセデス・ベンツ A45 AMG(W176)をちょっとずつカスタマイズして、そのたびに友達に撮ってもらった写真を見ながらウンウンと自己満足に浸る、それが私のカーライフ。

ちなみに、A45 AMGは、ちょっとシックなEdition2なところがお気に入り。1994年生まれ。

樽見 祐佳
Chapter
斬新、それでいてシンプル
フラット。でもインパクトのある乗り心地
最善で最適

斬新、それでいてシンプル

何十台と通り過ぎる街の交差点でも「テスラ」だと分かる、他のメーカーとは一味違うデザイン。

近未来的で流麗なSUVのモデルXはきつね顔。決して華美な装飾、奇抜なカタチをしているわけではない。いつもガソリン車ばかりのわたしにとっては、ドアの取っ手が埋め込み型であったり、電気をエサとしているのでマフラーが無い、EVとしては当たり前だと思えるところすらも真新しく見える。

インテリアもエクステリアと同様、シンプルで機能性のある、テスラの愚直さを感じさせるつくりになっている。そこにひと際目を引く大きなディスプレイ。ナビもGoogleと連動しており、まるでタブレットのよう。操作も使い慣れたスマホに似ていて、迷うことはほぼない。

「使っているうち指紋が気になれば拭っていいよ」という画面クリーニングモードは、なんとも愛らしい機能だった。

テスラの核となるソフトウェアは、いまこの瞬間最適だと思われる安全装備の作動条件などへ常にアップデートされ、愛車は何年経っても時代に取り残されることはない。一度購入した車とは長くともに過ごしたいタイプの私は、ずっと新鮮な気持ちで乗り続けられそう。

フラット。でもインパクトのある乗り心地

ガソリン車で言うギアが上がるときに感じる回転数の”段差”は、EVであるモデルXではもちろんフラットであるが、その心地は「つまらないかな?」と心配していた私をよそにかなりインパクトがあった。モーターとバッテリーの重量感を感じさせずドンとペダルを踏めば一瞬にして速度を欲しいところまで持ってくることができる。

減速しながら発電もおこなう回生ブレーキは、ガソリン車特有のギアを落とし回転数が下がって減速していくフィーリングとは全く異なるため違和感はあったけれどそれも最初のうちだけ。

ガソリン車のフィーリングにより近付ける開発も更に進めることはできるはずだが、それも必要と感じさせないくらい私たちがそれに慣れる方が早い。3つ先の信号を過ぎたころには”そういえば回生ブレーキだったなあ”と、改めて意識するまで気にも留めなくなる。

エアサスペンションも5段階に車の高さが変えられるのはユーザーの幅広い好みの走りに対応できるお気に入りのポイント。それがまた、上がると下がるの2パターンのみでないことも、細やかな変化に対応できるテスラらしさが現れているのかもしれない。

最善で最適

“アメ車”という言葉には代えられない、テスラとしてのポジションを確立している。

ブランドイメージには一貫性がある一方で、プログラムは最善のものに移り変わっていき、何時でもわたしたちを最適なサポートで導いてくれる。未来を垣間見たような気分にさせる一台だった。

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