『冒険者』 大鶴義丹、アピオのジムニーでオフロードを走る
更新日:2024.09.09
※この記事には広告が含まれます
大きなイギリス製の四駆オフロード車を乗り回していたことがある。しかしその半分くらいの大きさのジムニーで実際にオフロードを走るのは初めて。
photo:長谷川徹 [aheadアーカイブス vol.125 2013年4月号]
photo:長谷川徹 [aheadアーカイブス vol.125 2013年4月号]
『冒険者』 大鶴義丹、アピオのジムニーでオフロードを走る ahead×APIO
ジムニーというのは不思議な「車格」を持っていると思う。ナンバーの色以外、軽自動車とは思えないくらい、ある種の迫力のようなものを持っている。おそらく絶対的な機能美が醸し出す「自信」のようなモノかもしれない。それなりのホテルに乗りつけても、普通の軽自動車のように気後れすることもないだろう。
春一番が吹き荒れた日に、私が伊豆のオフロードコースで試乗したのは、そのジムニーの専門ショップ「アピオ」が、コンプリートカーとして販売しているものだ。少しリフトアップされている車体は見るからにオフロード性能が高そうである。
春一番が吹き荒れた日に、私が伊豆のオフロードコースで試乗したのは、そのジムニーの専門ショップ「アピオ」が、コンプリートカーとして販売しているものだ。少しリフトアップされている車体は見るからにオフロード性能が高そうである。
実際に走り出し、オフロードコースの連続する起伏を乗り越えた瞬間に、この足回りが相当なレベルで計算されていると分かった。絶妙なバランスで、小気味良い反発力が小さな車体を支えている。車体の小ささを理解した上でのチューニングなのであろう。
実際にこのジムニーで国際ラリーなどにも出ている同社が作っているのだから、当然と言えば当然だ。聞くとコンプリートカーにもオフロードに極端に特化したものから、ストリート性も重視しているものなど、何種類かバージョンがあるらしい。私の乗った車両は後者の方で、普段のストリートユースにも対応しているものだった。
しかし普通のクルマなら、到底乗り越えられないような段差やデコボコ山や、ほぼ壁とも言える急勾配をも難無くサラリと乗り越えていく。実際にこの車両でモンゴルラリーに出場する方も多いと聞く。見てくれだけの〝なんちゃって〟オフロードルックではなく、実戦に耐えられるだけの性能を持っているということだ。
実際にこのジムニーで国際ラリーなどにも出ている同社が作っているのだから、当然と言えば当然だ。聞くとコンプリートカーにもオフロードに極端に特化したものから、ストリート性も重視しているものなど、何種類かバージョンがあるらしい。私の乗った車両は後者の方で、普段のストリートユースにも対応しているものだった。
しかし普通のクルマなら、到底乗り越えられないような段差やデコボコ山や、ほぼ壁とも言える急勾配をも難無くサラリと乗り越えていく。実際にこの車両でモンゴルラリーに出場する方も多いと聞く。見てくれだけの〝なんちゃって〟オフロードルックではなく、実戦に耐えられるだけの性能を持っているということだ。
その車両で小一時間オフロードコースを走り回った。実際にその性能を体験してしまうと、北海道などに住んでいてオフロードというものが生活に必需であるという方以外、ストリートで乗り回しているだけではあまりに勿体ないと思った。後は、これを何に使うかという「難問」だ。
まさに都会人の貧乏性であるが、実際に自分が所持したら、これをどう活躍させるかと悩んでしまった。
言ってみれば狭い庭しかない都会で大きな犬を飼うようなものである。きっと大きなゴールデンレトリーバーのように、このカスタムジムニーも野山を自由に駆け回りたいはずだ。
私自身も、イギリス製の四駆に乗っていたときに悩んだのはそれだった。5年間乗っていて、結局まともにオフロードを走ったのは3回くらいだった。後は雪のときの保険程度。
だがそれでも普通のクルマにはない、四駆のオフロード車だけが持つ所有感というものは感じられた。高い目線で、いかつい車体の中に収まり移動していると、それが無駄であろうとなかろうと、気持ちまで適度に勇ましくなる。気持ちだけは荒野の冒険者だ。岩を乗り越え、川を渡り、道なき道を突き進む己の瞳に映る光景とは。その手の錯覚が良いか悪いかは別として、そういうモノを知る勉強にはなったと思う。
まさに都会人の貧乏性であるが、実際に自分が所持したら、これをどう活躍させるかと悩んでしまった。
言ってみれば狭い庭しかない都会で大きな犬を飼うようなものである。きっと大きなゴールデンレトリーバーのように、このカスタムジムニーも野山を自由に駆け回りたいはずだ。
私自身も、イギリス製の四駆に乗っていたときに悩んだのはそれだった。5年間乗っていて、結局まともにオフロードを走ったのは3回くらいだった。後は雪のときの保険程度。
だがそれでも普通のクルマにはない、四駆のオフロード車だけが持つ所有感というものは感じられた。高い目線で、いかつい車体の中に収まり移動していると、それが無駄であろうとなかろうと、気持ちまで適度に勇ましくなる。気持ちだけは荒野の冒険者だ。岩を乗り越え、川を渡り、道なき道を突き進む己の瞳に映る光景とは。その手の錯覚が良いか悪いかは別として、そういうモノを知る勉強にはなったと思う。
本格的な性能を備えたカスタムジムニーでのオフロード体験の後、私はどうしてかオフロード車で荒野に向かうのではなく、オフロード車で都会を走りたくなった。
どうせ本格的にオフロードを走り回ったりはしないという自己分析をしつつも、それでもオフロード車がまた欲しくなったということだ。
またその手のクルマを持つことが、我ら「羅漢」にとって何なのだろうと、久々に本気で考えてしまった。妄想ゲームというものを否定しては、大人としては何も始まらない。
そういう点では、巨大なオフロード車を買うよりも、ジムニーという選択の方が色々な意味で妄想コストが現実的かもしれない。
どうせ本格的にオフロードを走り回ったりはしないという自己分析をしつつも、それでもオフロード車がまた欲しくなったということだ。
またその手のクルマを持つことが、我ら「羅漢」にとって何なのだろうと、久々に本気で考えてしまった。妄想ゲームというものを否定しては、大人としては何も始まらない。
そういう点では、巨大なオフロード車を買うよりも、ジムニーという選択の方が色々な意味で妄想コストが現実的かもしれない。