持久力から瞬発力へ 〜DAKAR RALLY FES 2013

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ダカール・ラリー・フェス2013が、去る3月9日(土)に東京・お台場のメガウェブで開催され、なんと1万7000人ものファンが集まった。

text/photo:緒方昌子 [aheadアーカイブス vol.125 2013年4月号]
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持久力から瞬発力へ 〜DAKAR RALLY FES 2013

持久力から瞬発力へ 〜DAKAR RALLY FES 2013

24年ぶりに二輪部門に返り咲いたホンダのチームHRC、オート部門のチーム・ランドクルーザー・トヨタオートボデー(以下TLC)、そしてカミオン部門の日野チームスガワラが集結し、ダカールラリー参戦報告トークショー、デモ走行や同乗体験などが行われた。チームHRCからはエルダー・ロドリゲス選手がポルトガルから駆けつけ、ダカールラリーファンにはたまらない1日となった。 
 
第34回大会となった『2013ダカールラリー』、は、舞台がアフリカから南アメリカに移って5年目に当たる。ペルー、アルゼンチン、チリと3か国にまたがり、総走行距離は8000㎞で競技区間のSSは5000㎞。山岳地帯の峠や砂漠に高度なテクニックを要する難関ステージを設け、また制限速度のある一般道も移動区間としているのが特徴だろう。勝敗を決するSSの距離が、アフリカに比べ断然短いところが大きく違うところ。
 
現在ではプロ選手達がいかに速く難所を超えゴールするかというスピードレースに変貌してきた。そのため、壊さないで走る〝持久力勝負〟から、走行距離に見合った耐久性を維持しながらも、瞬発力でも勝負できるスプリント性が重要視されるなど、マシン自体も大きく変化してきている。
 
量産車での初挑戦を掲げたホンダは、『CRF450X』をベースに改良し、大きくパワーアップ。ロドリゲス選手は総合7位で走りきり、他2台も完走を果たした。四輪の市販車クラスで出場しているTLCはバイオディーゼルで走るランクル200の軽量化を図り、2013年大会では三橋 淳選手の1号車が惜しくもステージ9でリタイヤしたものの、2号車はクラス2位で完走した。
また、日野チームスガワラは、群居する強豪に勝つため、ダカール・ラリー連続31回出場記録を持つ菅原義正選手と日野自動車が心血を注ぎ、3年計画で改造車クラスに出場する本格レーシングカミオン製作を行った。

計画3年目の今大会では、1、2号車の軽量化だけでなく、菅原義正選手の1号車には日野自動車のダカール参戦21年の歴史で初めてコモンレール式エンジンを搭載、足回りにハブリダクション機構付きアクスルを新採用するなど大きく進化。菅原照仁選手の2号車は排気量10リットル未満クラス4連覇を達成、新型マシンとなった1号車も低回転域での粘りや加速性能の向上といった今後の改良点を確認しつつクラス4位で完走を果たした。
 
世界一過酷なダカールラリーは、ステージと共に競技傾向が変化してきた。だが、マシンを進化させながら夢を追い続ける出場者達の情熱は変わることはない。2014年大会での日本勢に大きく期待したい。

▶︎トークショーはもちろんだが、同乗試乗体験にはくじ引きで当選したファンが長い列をつくった。TLCのマシンは三橋 淳選手が、日野レンジャーは菅原照仁選手がそれぞれドライブ。迫力のある走行に同乗者はみな歓声をあげた。お台場という場所柄、ダカール・マシンを“たまたま目にした”人も多く、ファン層の広がりが期待される。

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