NISSAN SERENA 運転支援技術をミニバンから スタートした日産の思い
更新日:2024.09.09
※この記事には広告が含まれます
ママになって1年5ヶ月が経ち、母性本能というものの凄さを痛感している。夜中に子どもが寝返りを打っただけで、ハッと目が覚める。電話中でも、そばで子どもが何か言えば、すぐさまそちらに反応してしまう。
無意識のうちに、すべての言動が子ども最優先になっているのだ。これは、子育てに最適だと考えて購入したミニバンを運転している時も同じだった。
text: まるも亜希子 [aheadアーカイブス vol.166 2016年9月号]
無意識のうちに、すべての言動が子ども最優先になっているのだ。これは、子育てに最適だと考えて購入したミニバンを運転している時も同じだった。
text: まるも亜希子 [aheadアーカイブス vol.166 2016年9月号]
NISSAN SERENA 運転支援技術をミニバンから スタートした日産の思い
子どもが泣きわめいたり、遊んでいたオモチャを落としたりすると、何もしてやれないもどかしさと、早く対処しなければという焦りで、運転に集中しているつもりが母性本能は制御不能。
どうしても気を取られてしまうのか、ヒヤリとしたことも一度や二度ではない。こうした状況は、小さな子どもを乗せて運転したことがある人ならば、誰もが経験しているのではないだろうか。
そんな子育てファミリーが多く乗るミニバンに、新たな世界が広がろうとしている。7月に日産自動車が、未来のクルマ社会につながる画期的な自動運転技術「プロパイロット」を初めて搭載することになる、新型セレナを発表した。
自動運転と聞くと、まずはGTーRのようなスペシャリティカーから搭載されるもので、まだまだ遠い世界の話のように感じていたから、それは少し意外な印象だった。でも話を聞くにつれ、そこにこそ日産の熱い想いが込められていることを知ったのだった。
取材に応じてくれたのは、リージョナル プロダクト マネージャー(RPM)の遠藤智実氏だ。
「新型セレナの開発にあたって、何百人というミニバンユーザーに話を聞きました。そこで強く感じたのは、非日常ではなく日常を楽しくしたい、家族みんなが楽しく乗れるミニバンにしたいということでした。
例えば、家族みんなで出かけるという時、何が引っ掛かるか。やはり渋滞だったり帰りの疲労だったり、往復の移動でブルーになる方が多いのです。お子さんが翌日学校があるなどで、家族は動ける時間帯に制約がありますから、渋滞だとわかっていてもそれをなかなか避けられないんですね。
また、運転に苦手意識のあるママも多いですが、普段ミニバンを運転するのはママで、パパがいないと遠くへ出かけられないという方もいます。ならば、そうしたストレスを取り除いてあげるのがこれからのミニバンだろうと。往復の移動がラクになれば、その間の家族で過ごす時間がもっと楽しくなります。
せっかく出かけて遊ぼうと思っても、パパは疲れて寝てる、なんてことがなくなりますよね。そしてママの運転でも好きな場所へ行けるようになれば、楽しさがもっと広がると思うのです」
今回搭載された「プロパイロット」は、前方車両や白線を検知する単眼カメラや、高度な画像解析技術などにより、高速巡行時やノロノロ渋滞でアクセル、ブレーキ、ステアリングを自動制御し、最適な走行を維持してくれる。
先行車がいれば0㎞/hでも制御が作動するのはセレナだけで、まさにファミリーの日常ドライブに大きく貢献する技術だ。
しかし、クルマの最新技術に対して敏感な人ばかりが乗るとは限らないミニバンに、初搭載することへの不安要素はなかったのだろうか。
遠藤氏は「それはもちろん、あらゆる可能性を考慮しました。誰でも簡単に使えてこその技術なので、プロパイロットの作動は2ボタンで完結しますし、オンにしたからといって運転の主導権がクルマに移るわけではありません。作動中でもブレーキを踏めば止まり、ステアリングを切れば曲がりますから、あくまで主導権はドライバーにあって、サブドライバーが必要な時だけ助けてくれるようなイメージです」と語ってくれた。
周囲の流れを乱さないよう、緊張状態を保ち続けなければならない高速巡航巡行。アクセルとブレーキを頻繁に操作し続けなければならないノロノロ渋滞。この精神的、身体的負担が「プロパイロット」によって軽くなれば、パパ、ママはどれほど救われるだろう。家族の笑顔はどれほど増えるだろう。
これまでミニバンは長らく、広さ、便利さを競ってきたように思う。でもこれからのミニバンは、「どれだけ安心か」で選びたい。新型セレナが、そう変えていくのではないかと感じている。
どうしても気を取られてしまうのか、ヒヤリとしたことも一度や二度ではない。こうした状況は、小さな子どもを乗せて運転したことがある人ならば、誰もが経験しているのではないだろうか。
そんな子育てファミリーが多く乗るミニバンに、新たな世界が広がろうとしている。7月に日産自動車が、未来のクルマ社会につながる画期的な自動運転技術「プロパイロット」を初めて搭載することになる、新型セレナを発表した。
自動運転と聞くと、まずはGTーRのようなスペシャリティカーから搭載されるもので、まだまだ遠い世界の話のように感じていたから、それは少し意外な印象だった。でも話を聞くにつれ、そこにこそ日産の熱い想いが込められていることを知ったのだった。
取材に応じてくれたのは、リージョナル プロダクト マネージャー(RPM)の遠藤智実氏だ。
「新型セレナの開発にあたって、何百人というミニバンユーザーに話を聞きました。そこで強く感じたのは、非日常ではなく日常を楽しくしたい、家族みんなが楽しく乗れるミニバンにしたいということでした。
例えば、家族みんなで出かけるという時、何が引っ掛かるか。やはり渋滞だったり帰りの疲労だったり、往復の移動でブルーになる方が多いのです。お子さんが翌日学校があるなどで、家族は動ける時間帯に制約がありますから、渋滞だとわかっていてもそれをなかなか避けられないんですね。
また、運転に苦手意識のあるママも多いですが、普段ミニバンを運転するのはママで、パパがいないと遠くへ出かけられないという方もいます。ならば、そうしたストレスを取り除いてあげるのがこれからのミニバンだろうと。往復の移動がラクになれば、その間の家族で過ごす時間がもっと楽しくなります。
せっかく出かけて遊ぼうと思っても、パパは疲れて寝てる、なんてことがなくなりますよね。そしてママの運転でも好きな場所へ行けるようになれば、楽しさがもっと広がると思うのです」
今回搭載された「プロパイロット」は、前方車両や白線を検知する単眼カメラや、高度な画像解析技術などにより、高速巡行時やノロノロ渋滞でアクセル、ブレーキ、ステアリングを自動制御し、最適な走行を維持してくれる。
先行車がいれば0㎞/hでも制御が作動するのはセレナだけで、まさにファミリーの日常ドライブに大きく貢献する技術だ。
しかし、クルマの最新技術に対して敏感な人ばかりが乗るとは限らないミニバンに、初搭載することへの不安要素はなかったのだろうか。
遠藤氏は「それはもちろん、あらゆる可能性を考慮しました。誰でも簡単に使えてこその技術なので、プロパイロットの作動は2ボタンで完結しますし、オンにしたからといって運転の主導権がクルマに移るわけではありません。作動中でもブレーキを踏めば止まり、ステアリングを切れば曲がりますから、あくまで主導権はドライバーにあって、サブドライバーが必要な時だけ助けてくれるようなイメージです」と語ってくれた。
周囲の流れを乱さないよう、緊張状態を保ち続けなければならない高速巡航巡行。アクセルとブレーキを頻繁に操作し続けなければならないノロノロ渋滞。この精神的、身体的負担が「プロパイロット」によって軽くなれば、パパ、ママはどれほど救われるだろう。家族の笑顔はどれほど増えるだろう。
これまでミニバンは長らく、広さ、便利さを競ってきたように思う。でもこれからのミニバンは、「どれだけ安心か」で選びたい。新型セレナが、そう変えていくのではないかと感じている。
セレナ
車両本体価格:¥2,916,000
(ハイウェイスター プロパイロットエディション、2WD、税込)
総排気量:1.99ℓ
[エンジン]最高出力:110kW(150ps)/6,000rpm
最大トルク:200Nm(20.4kgm)/4,400rpm
[モーター]最高出力:1.9kW(2.6ps)
最大トルク:48Nm(4.9kgm)
燃費(JC08モード):16.6km/ℓ
(ハイウェイスター プロパイロットエディション、2WD、税込)
総排気量:1.99ℓ
[エンジン]最高出力:110kW(150ps)/6,000rpm
最大トルク:200Nm(20.4kgm)/4,400rpm
[モーター]最高出力:1.9kW(2.6ps)
最大トルク:48Nm(4.9kgm)
燃費(JC08モード):16.6km/ℓ
日産の「プロパイロット」
高速道路での“渋滞”と長時間の“巡航走行”時に、ドライバーに代わってアクセル、ブレーキ、ステアリングを自動で制御。
前走車をカメラでモニターし、車間距離を保つとともに、白線をモニターして、直線道はもちろんカーブにおいても走行車線の中央を走行する手助けをする。日産がプロパイロットにおいて採用したのは、現在、一般的となっているステレオカメラ(複眼)ではなく、単眼カメラだ。
イスラエルに開発拠点があるモービルアイ社との共同開発によるもので、レーダーや超音波などは用いず、一つのカメラによって車線や障害物、前走車との距離を分析している。仕組みのシンプルさとコスト面でも将来性が高い。
プロパイロットを起動させるのには、まずステアリングに設置された「プロパイロットスイッチ」をワンプッシュ。スタンバイ状態になったところで、セットスイッチで車速を設定する。この2ステップでOKだ。
前走車をカメラでモニターし、車間距離を保つとともに、白線をモニターして、直線道はもちろんカーブにおいても走行車線の中央を走行する手助けをする。日産がプロパイロットにおいて採用したのは、現在、一般的となっているステレオカメラ(複眼)ではなく、単眼カメラだ。
イスラエルに開発拠点があるモービルアイ社との共同開発によるもので、レーダーや超音波などは用いず、一つのカメラによって車線や障害物、前走車との距離を分析している。仕組みのシンプルさとコスト面でも将来性が高い。
プロパイロットを起動させるのには、まずステアリングに設置された「プロパイロットスイッチ」をワンプッシュ。スタンバイ状態になったところで、セットスイッチで車速を設定する。この2ステップでOKだ。
--------------------------------
text : まるも亜希子/Akiko Marumo
エンスー系自動車雑誌『Tipo』の編集者を経て、カーライフジャーナリストとして独立。
ファミリーや女性に対するクルマの魅力解説には定評があり、雑誌やWeb、トークショーなど幅広い分野で活躍中。国際ラリーや国内耐久レースなどモータースポーツにも参戦している。
text : まるも亜希子/Akiko Marumo
エンスー系自動車雑誌『Tipo』の編集者を経て、カーライフジャーナリストとして独立。
ファミリーや女性に対するクルマの魅力解説には定評があり、雑誌やWeb、トークショーなど幅広い分野で活躍中。国際ラリーや国内耐久レースなどモータースポーツにも参戦している。