時代を変えたホットハッチのファイナルモデル 〜メガーヌ R.S.273 ファイナルエディション

アヘッド メガーヌ R.S.

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1976年の設立以来、ルノーがかかわるモータースポーツを一手に引き受けてきたのがルノー・スポールだ。その活動はF1を始めとするフォーミュラカーの製作が有名だが一般ユーザーにとって馴染み深いのは「R.S.(=ルノー・スポール)」の名を冠する市販車の存在だろう。そして、近年その象徴的な役割を果たしてきたモデルがメガーヌR.S.シリーズである。

text:伊丹孝裕 [aheadアーカイブス vol.173 2017年4月号]
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時代を変えたホットハッチのファイナルモデル 〜メガーヌ R.S.273 ファイナルエディション

時代を変えたホットハッチのファイナルモデル 〜メガーヌ R.S.273 ファイナルエディション

なぜなら、メガーヌR.S.はパワフルなエンジンとマニュアルトランスミッションを組み合わせた刺激的なホットハッチというだけでなく、長きに渡ってFF車最速の座に君臨してきたからだ。

事実、その歴史はニュルブルクリンクにおけるタイムアタックとともにあり、まず'08年に旧メガーヌのR26.Rが打ち立てた8分17秒という当時のFF車最速タイムを皮切りに、'11年にはメガーヌR.S.トロフィがこれを9秒短縮して記録を更新。

圧巻だったのは'14年に登場したメガーヌR.S.273トロフィRで、この時ついに8分の壁を切る7分54秒という途方もないタイムをマークして、その名声を確固たるものにしたのである。

そんなトロフィRのパワーとハンドリングをそのまま引き継いだ、現行モデルの最終進化形として用意されたのがメガーヌR.S.273ファイナルエディションと同パックスポールだ。

ファイナルエディションには最速ラップを刻んだルノー・スポールのテストドライバー、ロラン・ウルゴン氏のサイン入りシリアルナンバーとスポーティなシルバーサイドデカールをボディに装備。

一方のパックスポールにはファイナルエディション専用アイテムの他にマルケジーニ製の軽量鍛造アロイホイールとアクラポビッチ製チタンマフラーが加えられ、合計53.5㎏もの軽量化とそれに伴うハンドリングの向上を達成しているのが特徴だ。

こうしたリプレイスパーツは2輪レースの最高峰モトGPマシンにも数多く採用されており、(特に今シーズンはホンダ以外の全ワークスチームがアクラポビッチを装着)その性能と品質を証明している。モータースポーツの最前線を知るルノー・スポールらしい選択と言えるだろう。

トロフィRがFF最速ラップを刻んでから3年近くが経過した今、ホンダ・シビックタイプRが、次いでVW・ゴルフGTIクラブスポーツSがその座に就いたにもかかわらず、多くのドライバーがメガーヌの「操る歓び」はライバルを上回ると高く評価。そこには電子制御の塊では得られない生の手応えがあるからだ。

そのキーを手にしたドライバーはクルマと向き合い、濃密な時間を過ごす中で最後の、そして本当のホットハッチを知ることになる。

■メガーヌR.S. 273 FINAL EDITION
車両本体価格:¥3,990,000(特別仕様車、税込)
エンジン:2.0ℓ 16Vターボ
トランスミッション:6MT(右ハンドル)
排気量:1,998ℓ
最高出力:273ps/5,500rpm
最大トルク:360Nm/3,000rpm
*限定車の「パックスポール」にはアクラボヴィッチ製チタンマフラーとマルケジーニ製軽量鍛造アロイホイールが装着されます。価格は¥4,190,000〜(税込)

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text:伊丹孝裕/Takahiro Itami
1971年生まれ。二輪専門誌『クラブマン』の編集長を務めた後にフリーランスのモーターサイクルジャーナリストへ転向。レーシングライダーとしても活動し、これまでマン島TTやパイクスピーク、鈴鹿八耐を始めとする国内外のレースに参戦してきた。国際A級ライダー。
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