自動車評論家から見た“犬にやさしいクルマ”って?

アヘッド SAVES DOG

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イヌの寿命は10年から15年。人間とくらべとても短い犬生。家族の一員として迎えた以上、できるだけ多くの幸せな時間、楽しい思い出を作ってあげるのが飼い主の役目だと思います。日々、お留守番も多いイヌがもっとも幸せに感じる時間が家族とのお泊まり旅行。1日中飼い主といっしょ。移動中やドッグカフェのランチ、ペットと泊まれる多くの宿なら朝夕の食事、バスタイムまでいっしょにいられるのです。

text:青山尚暉 photo:長谷川徹 [aheadアーカイブス vol.114 2012年5月号]
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自動車評論家から見た“犬にやさしいクルマ”って?

自動車評論家から見た“犬にやさしいクルマ”って?

そんな至福の時間を過ごすのに欠かせないのがクルマです。とくに中・大型犬は公共交通機関を利用できないのが現状です。でも、どんなクルマでもいいわけではありません。まず自身で飛び乗ることができるイヌの場合は、乗り降りのしやすさに注目です。

ワゴンの荷室や、セダンなどの後席シートの座面の高さは60㎝以下が基本。それより高いとたとえ飛び乗れても、降りるときの前足の負担が大きすぎるのです。ワゴンやミニバンの荷室側から乗降させるなら、荷室の開口部とフロアに段差がないこと。段差があると足を引っかけてケガをすることがあるからです。

そして乗り心地よく、静かで(イヌは聴覚がいい)、イヌの居場所にエアコンの風がしっかり届くこと。乗り心地はソフトであればいいわけではなく、しなやかかつフラットで、人間にも優しい乗り心地が理想です。
もっと言えば前後左右の姿勢変化の少なさもポイント。カーブや交差点を曲がったり、ブレーキを踏んだときにグラグラし、前のめり姿勢になるとイヌはストレスを感じます。そう、イヌは人間のように車内のどこかをつかんだりして体を支えることができません。だからクルマが揺れると爪を出し、力いっぱい踏ん張るため、結果、疲れてしまいます。

わが家には自称自動車評論犬!?がいて、過去15年、イヌの乗り心地テストを行ってきました。自己流ですが、イヌの乗る場所に硬めのウレタンシートを敷き、爪が食い込んだ跡の数、深さでドライブ中の快適度、ストレス度を計ります。

自動車評論家のボクが快適だと認めるクルマの多くはすぐに寝てしまい、爪跡はほとんど付きません。しかし乗り心地が悪いクルマだと落ち着かず、爪跡だらけだったりするのです。

イヌは基本的に暑がり。愛玩犬の多くは北ヨーロッパ原産で暑さと湿気に弱いと言われています。イヌは後席から後ろに乗せるのが鉄則で、そこまでエアコンの冷風が届くかに着目して下さい。イヌの乗る場所に乗ってみて、しっかり冷風が届くか確認する必要があります。

たとえばプジョー308SWはコンパクトな3列シート車ですが、居心地、乗り心地が人間、イヌにとって素晴らしく快適なだけでなく、このクラスではめずらしく後席用エアコン吹き出し口を完備。後席にも空調が行き届き、真夏でも実に快適なのです。
また長距離ドライブでは、イヌは飼い主とアイコンタクトできる場所にいさせる…それがボクの考え方。308SWは後席5脚のシートすべてを独立して取り外せ、人、イヌ、荷物の乗せ方は自在。たとえば2列目中央席を取り外すと車内の中心に愛犬用スペースが出現。イヌが飼い主や家族の傍で安心安全にドライブを楽しむことができるのです。

イヌは動くものに敏感で怖がるため、荷物と同居させるのはNG。乗員とイヌと荷物の理想的車内フォーメーションは乗員/犬/(乗員)/荷物。308SWはそれが可能な、愛犬家にとって最高の1台なのです。

イヌを絶対に乗せてはいけないのはドライバーの膝と助手席(小型犬の場合、よく見かけます!)。

ドライバーの膝などとんでもなく、運転に支障をきたし、事故を招く可能性大。エアバッグが開いた時、イヌが致命的なダメージを受けることもあるのです。後席にイヌ用シートベルトを着用させて乗せるか、人間用シートベルトで固定したケージやキャリーバッグに入れて乗せてあげましょう。

愛犬は家族の一員。だとすれば車内での安全を確保した上でドライブの楽しさを経験させてあげる。それもまた飼い主の役目だと思うのです。
25ans×DOG SAVES DOG “お泊まりDOGイベント”にプジョーが協賛
2012年4月18日・19日に館山市のカーロ・フォレスタ 館山ディアナにおいて、雑誌『25ans(ヴァンサンカン)』の読者に参加を募って、愛犬と一緒に参加できるお泊まりイベントが開催された。犬にもやさしいクルマづくりを掲げるプジョーは、このイベントに協賛。これからも「犬と人とクルマ」をつなぐ活動を積極的に応援していくとのこと。

当日は、モータージャーナリスト&ドッグライフジャーナリストの青山尚暉さんや、NPO法人“ARK”代表のエリザベス・オリバーさんのトークショー、プジョー308SWの愛犬との試乗会、プロカメラマンによる愛犬との撮影会などが行われ、参加費の一部はARKに寄付された。

ARK(NPO法人アニマルレフュージ関西)とは…
動物と共に生き、積極的に手を差しのべようとする人達のネットワークをつくることを目的としたNPO法人。傷ついた動物や震災などで取り残された動物たちをシェルターに保護する活動も行っている。www.arkbark.net/

DOG SAVES DOGとは…
愛犬の写真を活用したグッズを制作し、飼い主が購入した代金の一部を「ARK」に寄付することで、殺処分される犬を救う活動を行っている。www.dogsavesdog.co.jp
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