SPECIAL ISSUE ピンクナンバー・バトル
更新日:2024.09.09
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いつの頃からか朝夕の通勤時間帯の幹線道路などで多く見かけるようになったピンクナンバーのバイクたち。信号が変わると、よ〜いドンッ! とばかりにスッとんでいく。よく見てみると、マフラーやミラーを変更していたり、ヘルメットが個性的であったり、キャリアのあるライダーが乗っているように思える。なぜ彼らはピンクナンバーを選んだのか。なぜ今、ピンクナンバーが増えてきているのだろうか。
text・サトウマキ、伊丹孝裕 photo:長谷川徹 [aheadアーカイブス vol.189 2018年8月号]
text・サトウマキ、伊丹孝裕 photo:長谷川徹 [aheadアーカイブス vol.189 2018年8月号]
- Chapter
- 朝晩繰り広げられるピンクナンバー・バトルの真相を探る!
- ピンクナンバーという存在
- 進化するHonda のPCX
- 伊丹孝裕のピンクナンバー インプレッション
- HONDA CB125R
- SUXUKI SWISH
- 街乗りにレジャーにツーリングに、 使える原付2種モデルをイロイロ紹介します!
- 前後17インチに6速ミッションを装備する軽やかな125ccフルカウルモデル
- フルサイズ並の本格的なパッケージ回して楽しいコンパクトなスーパーネイキッド
- 小型ネイキッドの火付け役、125ccに見えないフルサイズボディが魅力
- 歴代カブのデザインを踏襲。 上質なパーソナルコミューターへ
- アウトドアテイストを纏った、軽快でアクティブな「カブ」
- 大人の趣味にも十分耐え得るスポーツネイキッド
- 通勤快速の名を欲しいままにした アドレス史上最強モデル
- 最も小さく軽量な「Z」クラスを超えた装備を搭載
- モンキーが125ccになって復活 楽しさもスケールアップ!
- 燃費とパワーのバランスがちょうど良い 110ccの通勤快速
- 充実したユーティリティで日常的な使い勝手が抜群
- スポーティな走りが楽しめるスタイリッシュなスクーター
- 2輪車初となるハイブリッドスクーターが遂に登場!
- 余裕のある走りが楽しめる『MAX』シリーズの末弟
- オフロードテイストなルックスが他とは違う個性派タイプ
- オシャレして乗りたい ヘリテージスクーター
- モッズ御用達! 復活した名門スクーター
- これからのスタンダードになるか?未来型三輪シティコミューター
朝晩繰り広げられるピンクナンバー・バトルの真相を探る!
ピンクナンバーという存在
ピンクナンバーとは、排気量が51〜125ccの道路運送車両法の車両区分で「第二種原動機付自転車」となる、91〜125ccのバイクのことだ(51〜90ccは黄色ナンバー)。
50ccまでのバイクは「第一種原動付自転車」となり、自動車の普通免許を持っていれば誰でも運転することができるが、ピンクナンバー(黄色も)になると「小型自動二輪免許」が必要となる。
日本では50ccを「原付」と呼ぶのに対して、小型二輪は「原付2種」や「原2」と呼んで区別されている。
そして今、このピンクナンバーが沸騰している!?
日本では気軽に乗ることができるバイクとして、原付バイクがスタンダードとなっているが、アジアやヨーロッパでは、125ccがスタンダードとなっている(ヨーロッパでは125ccまでは基本的にクルマの免許で乗ることができる)。
50cc以下の原付は日本独自の免許制度から生まれたものなので、海外では、ほとんど需要がないという状況だ。
現在、アジア諸国では、日本を上回る勢いでバイクの普及が進んでおり、そのマーケットのほとんどが125ccで占められている。そんなアジア諸国に向けて、各メーカーがこのクラスの拡大を図っていることや、ヨーロッパでも生活の足として125ccが数多く乗られていることからラインアップが充実、日本でもピンクナンバーのモデルの需要が拡大して来ているのだ。
そして、二輪ユーザーからも、現代のリアルな交通事情にアジャストする生活の足として注目が集まっている。
50ccまでのバイクは「第一種原動付自転車」となり、自動車の普通免許を持っていれば誰でも運転することができるが、ピンクナンバー(黄色も)になると「小型自動二輪免許」が必要となる。
日本では50ccを「原付」と呼ぶのに対して、小型二輪は「原付2種」や「原2」と呼んで区別されている。
そして今、このピンクナンバーが沸騰している!?
日本では気軽に乗ることができるバイクとして、原付バイクがスタンダードとなっているが、アジアやヨーロッパでは、125ccがスタンダードとなっている(ヨーロッパでは125ccまでは基本的にクルマの免許で乗ることができる)。
50cc以下の原付は日本独自の免許制度から生まれたものなので、海外では、ほとんど需要がないという状況だ。
現在、アジア諸国では、日本を上回る勢いでバイクの普及が進んでおり、そのマーケットのほとんどが125ccで占められている。そんなアジア諸国に向けて、各メーカーがこのクラスの拡大を図っていることや、ヨーロッパでも生活の足として125ccが数多く乗られていることからラインアップが充実、日本でもピンクナンバーのモデルの需要が拡大して来ているのだ。
そして、二輪ユーザーからも、現代のリアルな交通事情にアジャストする生活の足として注目が集まっている。
※画像は順に、Honda Monkey125、Honda CB125R、Honda Super Cub C125、YAMAHA TRICITY
原付2種には原付のような独自のルールはなく、ほとんどクルマと同じように走ることができる。しかし、自賠責保険は原付と同じで、任意保険もクルマの保険に加入していたら、ファミリー特約で補える。
コンパクトな車体は小回りが効いて、スクーターなら積載スペースが設けられたりしているので、クルマを出すほどじゃない距離には最適。
さらには、ビックスクータよりもコストは全然かからないし、置き場もそれほど困らないということもあり、最近は、小型二輪の免許を取得する人が増えて来ているという。ガソリンが高騰してきたこともあり、スーツ姿の通勤ライダーを多く見かけるようになった。ピンクナンバーは、まさに通勤快速でもあるのだ。
原付2種には原付のような独自のルールはなく、ほとんどクルマと同じように走ることができる。しかし、自賠責保険は原付と同じで、任意保険もクルマの保険に加入していたら、ファミリー特約で補える。
コンパクトな車体は小回りが効いて、スクーターなら積載スペースが設けられたりしているので、クルマを出すほどじゃない距離には最適。
さらには、ビックスクータよりもコストは全然かからないし、置き場もそれほど困らないということもあり、最近は、小型二輪の免許を取得する人が増えて来ているという。ガソリンが高騰してきたこともあり、スーツ姿の通勤ライダーを多く見かけるようになった。ピンクナンバーは、まさに通勤快速でもあるのだ。
さらに、ピンクナンバーは趣味性よりも、利便性が高いシティコミューターとして独自の進化を始めている。
その代表が、乗り心地と安定性を追求したヤマハの3輪スクーターのトリシティである。登場したときは、近未来の乗り物のように思えた。そして、ホンダ2輪のEV化は、125ccから始まっている。
この9月に2輪では初となるハイブリッドシステムのPCXハイブリッドが登場し、今年中には完全EV化したPCXエレクトリックが登場する予定だ。また別の進化としては、ホンダのCB125RやスズキのGSX-R125といった、ピンクナンバーのスポーツモデルがフルサイズボディで登場するようになった。
さらには、ホンダ・グロムなどの125ccのワンメイクレースが行われたりと、趣味性を追求したモデルも用意されている。そしてモンキーやスーパーカブといった、原付として長年愛されてきたモデルも、最近になってピンクナンバーとして生まれ変わっている。
朗報として、原付2種の免許制度の見直しが行われ、小型二輪免許のAT限定であれば、2、3日の教習で取得できる見通しとなった。これが実現されたらピンクナンバーの敷居が少し下がるのではないだろうか。
あとは、駐車場問題が緩和されるのを待つばかりである。ピンクナンバーはライフスタイルに寄り添った、最強のコミューターでありながら、これからの進化が見逃せない存在でもあるのだ。
その代表が、乗り心地と安定性を追求したヤマハの3輪スクーターのトリシティである。登場したときは、近未来の乗り物のように思えた。そして、ホンダ2輪のEV化は、125ccから始まっている。
この9月に2輪では初となるハイブリッドシステムのPCXハイブリッドが登場し、今年中には完全EV化したPCXエレクトリックが登場する予定だ。また別の進化としては、ホンダのCB125RやスズキのGSX-R125といった、ピンクナンバーのスポーツモデルがフルサイズボディで登場するようになった。
さらには、ホンダ・グロムなどの125ccのワンメイクレースが行われたりと、趣味性を追求したモデルも用意されている。そしてモンキーやスーパーカブといった、原付として長年愛されてきたモデルも、最近になってピンクナンバーとして生まれ変わっている。
朗報として、原付2種の免許制度の見直しが行われ、小型二輪免許のAT限定であれば、2、3日の教習で取得できる見通しとなった。これが実現されたらピンクナンバーの敷居が少し下がるのではないだろうか。
あとは、駐車場問題が緩和されるのを待つばかりである。ピンクナンバーはライフスタイルに寄り添った、最強のコミューターでありながら、これからの進化が見逃せない存在でもあるのだ。
進化するHonda のPCX
Hondaの125ccスクーターPCXのラインアップに、量産二輪車用として初となるハイブリッドシステムが搭載されたモデルが加わった。さらには2017年のモーターショーにて登場した電動スクーター、ELECTRICの登場も控えている。原付2種というシティコミューターならではの進化がこれからも楽しみだ。
※画像は順に、PCX ELECTRIC、PCX HYBRID、PCX
※画像は順に、PCX ELECTRIC、PCX HYBRID、PCX
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text:サトウマキ/Maki Sato
ファッション専門誌からバイク専門誌の編集部に転職した異例の経歴を持つ。現在はフリーランスのエディター&ライター。30代でバイクの免許を取得した。遅咲きながら、バイクへの情熱は人一倍、勉強熱心で努力家。ライディングの美しさには定評がある。
text:サトウマキ/Maki Sato
ファッション専門誌からバイク専門誌の編集部に転職した異例の経歴を持つ。現在はフリーランスのエディター&ライター。30代でバイクの免許を取得した。遅咲きながら、バイクへの情熱は人一倍、勉強熱心で努力家。ライディングの美しさには定評がある。
伊丹孝裕のピンクナンバー インプレッション
HONDA CB125R
HONDA CB125R
車両本体価格:¥448,200(税込)
エンジン:水冷OHC単気筒
総排気量:124cc
最高出力:9.8kW(13ps)/10,000rpm
最大トルク:10Nm(1.0kgm)/8,000rpm
タイヤサイズ:F=110/70R17、R=150/60R17
シート高:815mm
装備重量:127kg
車両本体価格:¥448,200(税込)
エンジン:水冷OHC単気筒
総排気量:124cc
最高出力:9.8kW(13ps)/10,000rpm
最大トルク:10Nm(1.0kgm)/8,000rpm
タイヤサイズ:F=110/70R17、R=150/60R17
シート高:815mm
装備重量:127kg
現在CB-Rの名が与えられた小中排気量モデルは多数あり、300㏄、250㏄、150㏄、そして125㏄の4機種が世界各国で展開されている。
その幅広いラインアップは「さすがホンダ!」といったところだが、本当に巧みなのはそのいずれもが基本的に同じ足周り、同じフレームを持っていることだ。
やや大雑把に言えばエンジンを載せ換えるだけでバリエーション違いを作れるわけで、300㏄は欧米へ、250㏄は日本へ、150㏄は東南アジアへ。そんな風にひとつのプラットフォームで多様性に富んだ展開を可能にしている。
もちろん、末弟である125㏄にもれっきとした存在意義がある。日本の小型2輪免許やヨーロッパのA1免許に対応しているため、その市場規模は決して小さくなく、多くのエントリーユーザーを支えていくことになるはずだ。
そんなCB125Rに乗ってまず感じるのは、車体各部の頑強さだ。スチールの鋼管とプレス材で構成されるフレームもφ41㎜の倒立フォークもフロント110/リヤ150サイズのラジアルタイヤもCB250Rと共有だ。
つまり、125のパワーを受けとめることなどたやすく、多くの場面でオーバークオリティですらある。
その印象はエンジンに寄るところも大きい。OHC2バルブの単気筒は1万2000回転弱まで回るが、6000回転以下の早いタイミングでシフトアップしながら走った方が心地よく実用的だ。
その領域ではフレームやサスペンション、タイヤへの負担は最小限で済み、車重が軽いこともあって余計に車体が強く感じられるのである。
過度とも思える装備でもありがたいのがラジアルマウントされた対向4ピストンブレーキキャリパーだ。制動力もコントロール性も申し分なく、おそらくこのクラスでは世界No1の上質なフィーリングを披露。
しかも単なるABSではなく、車体姿勢を検知するIMU(慣性計測装置)と連動しているため、強い減速Gが掛かってもリヤホイールがリフトすることもない。
そこまでやるなら、その前段階で各種レバーに調整機構を備えるべきとか、シート高がもう少し低くてもという思いがあるものの、エントリーモデルの枠を超えたひとつの完成形として評価したい。(伊丹孝裕)
その幅広いラインアップは「さすがホンダ!」といったところだが、本当に巧みなのはそのいずれもが基本的に同じ足周り、同じフレームを持っていることだ。
やや大雑把に言えばエンジンを載せ換えるだけでバリエーション違いを作れるわけで、300㏄は欧米へ、250㏄は日本へ、150㏄は東南アジアへ。そんな風にひとつのプラットフォームで多様性に富んだ展開を可能にしている。
もちろん、末弟である125㏄にもれっきとした存在意義がある。日本の小型2輪免許やヨーロッパのA1免許に対応しているため、その市場規模は決して小さくなく、多くのエントリーユーザーを支えていくことになるはずだ。
そんなCB125Rに乗ってまず感じるのは、車体各部の頑強さだ。スチールの鋼管とプレス材で構成されるフレームもφ41㎜の倒立フォークもフロント110/リヤ150サイズのラジアルタイヤもCB250Rと共有だ。
つまり、125のパワーを受けとめることなどたやすく、多くの場面でオーバークオリティですらある。
その印象はエンジンに寄るところも大きい。OHC2バルブの単気筒は1万2000回転弱まで回るが、6000回転以下の早いタイミングでシフトアップしながら走った方が心地よく実用的だ。
その領域ではフレームやサスペンション、タイヤへの負担は最小限で済み、車重が軽いこともあって余計に車体が強く感じられるのである。
過度とも思える装備でもありがたいのがラジアルマウントされた対向4ピストンブレーキキャリパーだ。制動力もコントロール性も申し分なく、おそらくこのクラスでは世界No1の上質なフィーリングを披露。
しかも単なるABSではなく、車体姿勢を検知するIMU(慣性計測装置)と連動しているため、強い減速Gが掛かってもリヤホイールがリフトすることもない。
そこまでやるなら、その前段階で各種レバーに調整機構を備えるべきとか、シート高がもう少し低くてもという思いがあるものの、エントリーモデルの枠を超えたひとつの完成形として評価したい。(伊丹孝裕)
SUXUKI SWISH
SUXUKI SWISH スウィッシュ
車両本体価格:¥318,600(税込)
エンジン:強制空冷SOHC 2バルブ単気筒
総排気量:124cc
最高出力:6.9kW(9.4ps)/7,000rpm
最大トルク:10Nm(1.0kgm)/6,000rpm
タイヤサイズ:F=100/90-10、R=100/90-10シート高:760mm
装備重量:114kg
車両本体価格:¥318,600(税込)
エンジン:強制空冷SOHC 2バルブ単気筒
総排気量:124cc
最高出力:6.9kW(9.4ps)/7,000rpm
最大トルク:10Nm(1.0kgm)/6,000rpm
タイヤサイズ:F=100/90-10、R=100/90-10シート高:760mm
装備重量:114kg
ロードモデルとは異なり、125ccのスクーターは激戦区だ。現在ホンダはPCX、PCXハイブリッド、リード125を、ヤマハに至ってはトリシティ125、BW’ S125、N-MAX、シグナスX SR、アクシスZといった豊富なバリエーションで様々なニーズに応えている。
スズキはそれらを相手にアドレス125で対抗。俊敏な運動性を武器にしたそれは「通勤快速」として名を馳せてきたが、そこに新しく加わることになったのがスウィッシュだ。
コンセプトには「上質なスタンダードスクーター」と掲げられ、実際それにふさわしいデザインや質感を纏っている。とはいえ、そこはスズキである。本質的には生粋のスポーツスクーターと言えるほどの軽快なハンドリングとパワフルな動力性能が与えられていた。
そのカギを握るのが、あえて採用された前後10インチの小径ホイールだ。というのもスクーターのホイールは大径化が進んでおり、このクラスなら12~14インチが主流。
それによって荒れた路面での走破性や安定性が高められているわけだが、こと日本に限って言えば、余程の場所でない限り、道路は整っているのが普通である。
その代わりに道幅の狭い場所が多く、渋滞は朝夕のラッシュ時に限らず発生しやすい。ならば、そこでの機動性や取り回しを優先する方がライダーファーストではないか。スズキはそう考えたのだ。
これはもう狙い通りの仕上がりになっており、ヒラヒラというよりも手の内でクルクルと遊ばせるように扱える。しかも全長もホイールベースもこのクラスで最も短く、低重心なことも手伝って極めて高い一体感をもたらしてくれるのだ。
エンジンもそれに見合ったもので、スロットル操作に対してダイレクトに反応。CVTの変速にも無駄がなく、望めばいつでも必要な加速力を得られるため、ストレスのないキビキビとした走りを求めるユーザーの期待を裏切らない。
コンパクト化の代償としてシート下のスペースに若干、限りがあるものの、フロントに備えられたラックやかばんホルダー、大型のリヤキャリアがそれをサポート。選ぶ目的や使い方がハッキリとしたモデルだ。
ナックルカバーやヒーター(グリップ、シート)を標準装備した仕様もあり(9月発売予定)、通勤快速としての完成度に抜かりはない。(伊丹孝裕)
スズキはそれらを相手にアドレス125で対抗。俊敏な運動性を武器にしたそれは「通勤快速」として名を馳せてきたが、そこに新しく加わることになったのがスウィッシュだ。
コンセプトには「上質なスタンダードスクーター」と掲げられ、実際それにふさわしいデザインや質感を纏っている。とはいえ、そこはスズキである。本質的には生粋のスポーツスクーターと言えるほどの軽快なハンドリングとパワフルな動力性能が与えられていた。
そのカギを握るのが、あえて採用された前後10インチの小径ホイールだ。というのもスクーターのホイールは大径化が進んでおり、このクラスなら12~14インチが主流。
それによって荒れた路面での走破性や安定性が高められているわけだが、こと日本に限って言えば、余程の場所でない限り、道路は整っているのが普通である。
その代わりに道幅の狭い場所が多く、渋滞は朝夕のラッシュ時に限らず発生しやすい。ならば、そこでの機動性や取り回しを優先する方がライダーファーストではないか。スズキはそう考えたのだ。
これはもう狙い通りの仕上がりになっており、ヒラヒラというよりも手の内でクルクルと遊ばせるように扱える。しかも全長もホイールベースもこのクラスで最も短く、低重心なことも手伝って極めて高い一体感をもたらしてくれるのだ。
エンジンもそれに見合ったもので、スロットル操作に対してダイレクトに反応。CVTの変速にも無駄がなく、望めばいつでも必要な加速力を得られるため、ストレスのないキビキビとした走りを求めるユーザーの期待を裏切らない。
コンパクト化の代償としてシート下のスペースに若干、限りがあるものの、フロントに備えられたラックやかばんホルダー、大型のリヤキャリアがそれをサポート。選ぶ目的や使い方がハッキリとしたモデルだ。
ナックルカバーやヒーター(グリップ、シート)を標準装備した仕様もあり(9月発売予定)、通勤快速としての完成度に抜かりはない。(伊丹孝裕)
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text:伊丹孝裕/Takahiro Itami
1971年生まれ。二輪専門誌『クラブマン』の編集長を務めた後にフリーランスのモーターサイクルジャーナリストへ転向。レーシングライダーとしても活動し、これまでマン島TTやパイクスピーク、鈴鹿八耐を始めとする国内外のレースに参戦してきた。国際A級ライダー。
text:伊丹孝裕/Takahiro Itami
1971年生まれ。二輪専門誌『クラブマン』の編集長を務めた後にフリーランスのモーターサイクルジャーナリストへ転向。レーシングライダーとしても活動し、これまでマン島TTやパイクスピーク、鈴鹿八耐を始めとする国内外のレースに参戦してきた。国際A級ライダー。
街乗りにレジャーにツーリングに、 使える原付2種モデルをイロイロ紹介します!
前後17インチに6速ミッションを装備する軽やかな125ccフルカウルモデル
SUZUKI GSX-R125 ABS
車両本体価格:¥386,640(税込)●エンジン:水冷DOHC 4バルブ単気筒●総排気量:124cc●最高出力:11kW(15PS)/10,000rpm●最大トルク:11Nm(1.1kgm)/8,000rpm●装備重量:134kg●燃料タンク容量:11ℓ
車両本体価格:¥386,640(税込)●エンジン:水冷DOHC 4バルブ単気筒●総排気量:124cc●最高出力:11kW(15PS)/10,000rpm●最大トルク:11Nm(1.1kgm)/8,000rpm●装備重量:134kg●燃料タンク容量:11ℓ
フルサイズ並の本格的なパッケージ回して楽しいコンパクトなスーパーネイキッド
SUZUKI GSX-S125 ABS
車両本体価格:¥354,240(税込)●エンジン:水冷DOHC 4バルブ単気筒●総排気量:124cc●最高出力:11kW(15PS)/10,000rpm●最大トルク:11Nm(1.1kgm)/8,000rpm●装備重量:133kg●燃料タンク容量:11ℓ
車両本体価格:¥354,240(税込)●エンジン:水冷DOHC 4バルブ単気筒●総排気量:124cc●最高出力:11kW(15PS)/10,000rpm●最大トルク:11Nm(1.1kgm)/8,000rpm●装備重量:133kg●燃料タンク容量:11ℓ
小型ネイキッドの火付け役、125ccに見えないフルサイズボディが魅力
KTM 125DUKE
車両本体価格:¥510,000(税込)
エンジン:水冷DOHC 4バルブ単気筒 総排気量:124.7cc 最高出力:11kW(15PS)/10,000rpm 最大トルク:12Nm/7,500rpm 装備重量:139kg 燃料タンク容量:13.4ℓ
車両本体価格:¥510,000(税込)
エンジン:水冷DOHC 4バルブ単気筒 総排気量:124.7cc 最高出力:11kW(15PS)/10,000rpm 最大トルク:12Nm/7,500rpm 装備重量:139kg 燃料タンク容量:13.4ℓ
歴代カブのデザインを踏襲。 上質なパーソナルコミューターへ
Honda スーパーカブ C125
車両本体価格:¥399,600(税込)●エンジン:空冷OHC単気筒●総排気量:124cc●最高出力:7.1kW(9.7PS)/7,500rpm●最大トルク:10Nm(1.0Kgm)/5,000rpm●装備重量:110kg●燃料タンク容量:3.7ℓ
車両本体価格:¥399,600(税込)●エンジン:空冷OHC単気筒●総排気量:124cc●最高出力:7.1kW(9.7PS)/7,500rpm●最大トルク:10Nm(1.0Kgm)/5,000rpm●装備重量:110kg●燃料タンク容量:3.7ℓ
アウトドアテイストを纏った、軽快でアクティブな「カブ」
Honda クロスカブ110
車両本体価格:¥334,800(税込)●エンジン:空冷OHC単気筒●総排気量:109cc●最高出力:5.9kW(8.0PS)/7,500rpm●最大トルク:8.5Nm(0.87Kgm)/5,500rpm ●装備重量:106kg●燃料タンク容量:4.3ℓ
車両本体価格:¥334,800(税込)●エンジン:空冷OHC単気筒●総排気量:109cc●最高出力:5.9kW(8.0PS)/7,500rpm●最大トルク:8.5Nm(0.87Kgm)/5,500rpm ●装備重量:106kg●燃料タンク容量:4.3ℓ
大人の趣味にも十分耐え得るスポーツネイキッド
Honda GROM
車両本体価格:¥351,000(税込)●エンジン:空冷OHC単気筒●総排気量:124cc●最高出力:7.2kW(9.8PS)/7,000rpm●最大トルク:11Nm(1.1Kgm)/5,250rpm●装備重量:104kg●燃料タンク容量:5.7ℓ
車両本体価格:¥351,000(税込)●エンジン:空冷OHC単気筒●総排気量:124cc●最高出力:7.2kW(9.8PS)/7,000rpm●最大トルク:11Nm(1.1Kgm)/5,250rpm●装備重量:104kg●燃料タンク容量:5.7ℓ
通勤快速の名を欲しいままにした アドレス史上最強モデル
SUZUKI アドレス125
車両本体価格:¥221,400(税込)●エンジン:強制空冷SOHC 2バルブ単気筒●総排気量:124cc●最高出力:6.9kW(9.4PS)/7,000rpm●最大トルク:10Nm(1.0kgm)/6,000rpm●装備重量:109kg●燃料タンク容量:6.0ℓ
車両本体価格:¥221,400(税込)●エンジン:強制空冷SOHC 2バルブ単気筒●総排気量:124cc●最高出力:6.9kW(9.4PS)/7,000rpm●最大トルク:10Nm(1.0kgm)/6,000rpm●装備重量:109kg●燃料タンク容量:6.0ℓ
最も小さく軽量な「Z」クラスを超えた装備を搭載
KAWASAKI Z125 PRO
車両本体価格:¥345,600(税込)●エンジン:空冷SOHC2バルブ単気筒●総排気量:124cc●最高出力:7.1kW(9.7PS)/8,000rpm●最大トルク:9.6Nm(0.98Kgm)/6,000rpm ●装備重量:102kg●燃料タンク容量:7.4ℓ
車両本体価格:¥345,600(税込)●エンジン:空冷SOHC2バルブ単気筒●総排気量:124cc●最高出力:7.1kW(9.7PS)/8,000rpm●最大トルク:9.6Nm(0.98Kgm)/6,000rpm ●装備重量:102kg●燃料タンク容量:7.4ℓ
モンキーが125ccになって復活 楽しさもスケールアップ!
Honda モンキー125
車両本体価格:¥399,600、ABS ¥432,000(共に税込)●エンジン:空冷OHC単気筒●総排気量:124cc●最高出力:6.9kW(9.4PS)/7,000rpm●最大トルク:11Nm(1.1kgm)/5,250rpm●装備重量:105(ABSは107)kg●燃料タンク容量:5.6ℓ
車両本体価格:¥399,600、ABS ¥432,000(共に税込)●エンジン:空冷OHC単気筒●総排気量:124cc●最高出力:6.9kW(9.4PS)/7,000rpm●最大トルク:11Nm(1.1kgm)/5,250rpm●装備重量:105(ABSは107)kg●燃料タンク容量:5.6ℓ
燃費とパワーのバランスがちょうど良い 110ccの通勤快速
SUZUKI アドレス110
車両本体価格:¥213,840(税込)●エンジン:強制空冷SOHC 2バルブ単気筒●総排気量:112cc●最高出力:6.5kW(8.8PS)/7,750rpm●最大トルク:8.6Nm(0.88kgm)/6,250rpm●装備重量:99kg●燃料タンク容量:5.2ℓ
車両本体価格:¥213,840(税込)●エンジン:強制空冷SOHC 2バルブ単気筒●総排気量:112cc●最高出力:6.5kW(8.8PS)/7,750rpm●最大トルク:8.6Nm(0.88kgm)/6,250rpm●装備重量:99kg●燃料タンク容量:5.2ℓ
充実したユーティリティで日常的な使い勝手が抜群
Honda リード125
車両本体価格:¥309,960〜313,200(税込)●エンジン:水冷OHC単気筒●総排気量:124cc●最高出力:8.3kW(11PS)/8,500rpm●最大トルク:11Nm(1.1kgm)/5,000rpm●装備重量:114kg●燃料タンク容量:6.0ℓ
車両本体価格:¥309,960〜313,200(税込)●エンジン:水冷OHC単気筒●総排気量:124cc●最高出力:8.3kW(11PS)/8,500rpm●最大トルク:11Nm(1.1kgm)/5,000rpm●装備重量:114kg●燃料タンク容量:6.0ℓ
スポーティな走りが楽しめるスタイリッシュなスクーター
YAMAHA シグナスX SR
車両本体価格:¥318,600(税込)●エンジン:空冷SOHC4バルブ単気筒●総排気量:124cc●最高出力:7.2kW(9.8ps)/7,500rpm●最大トルク:9.9Nm(1.0kgm)/6,000rpm●装備重量:118kg●燃料タンク容量:6.5ℓ
車両本体価格:¥318,600(税込)●エンジン:空冷SOHC4バルブ単気筒●総排気量:124cc●最高出力:7.2kW(9.8ps)/7,500rpm●最大トルク:9.9Nm(1.0kgm)/6,000rpm●装備重量:118kg●燃料タンク容量:6.5ℓ
2輪車初となるハイブリッドスクーターが遂に登場!
Honda PCX HYBRID
車両本体価格:¥432,000(税込)●水冷OHC単気筒●電動機種類:交流同期電動機●総排気量:124cc[エンジン]
●最高出力:9.0kW(12PS)/8,500rpm●最大トルク:12Nm(1.2kgm)/5,000rpm、[モーター]●最高出力:1.4kW(1.9PS)/3,000rpm●最大トルク:4.3Nm(0.44kgm)/3,000rpm●装備重量:135kg●燃料タンク容量:8.0ℓ●主電池種類:リチウムイオン電池
車両本体価格:¥432,000(税込)●水冷OHC単気筒●電動機種類:交流同期電動機●総排気量:124cc[エンジン]
●最高出力:9.0kW(12PS)/8,500rpm●最大トルク:12Nm(1.2kgm)/5,000rpm、[モーター]●最高出力:1.4kW(1.9PS)/3,000rpm●最大トルク:4.3Nm(0.44kgm)/3,000rpm●装備重量:135kg●燃料タンク容量:8.0ℓ●主電池種類:リチウムイオン電池
余裕のある走りが楽しめる『MAX』シリーズの末弟
YAMAHA NMAX ABS
車両本体価格:¥351,000(税込)●エンジン:水冷SOHC 4バルブ単気筒●総排気量:124cc●最高出力:9.0kW(12PS)/7,500rpm●最大トルク:12Nm(1.2kgm)/7,250rpm●装備重量:127kg●燃料タンク容量:6.6ℓ
車両本体価格:¥351,000(税込)●エンジン:水冷SOHC 4バルブ単気筒●総排気量:124cc●最高出力:9.0kW(12PS)/7,500rpm●最大トルク:12Nm(1.2kgm)/7,250rpm●装備重量:127kg●燃料タンク容量:6.6ℓ
オフロードテイストなルックスが他とは違う個性派タイプ
YAMAHA BW'S125
車両本体価格:¥329,400(税込)●エンジン:空冷SOHC 4バルブ単気筒●総排気量:124cc●最高出力:7.2kW(9.8PS)/7,500rpm●最大トルク:9.9Nm(1.0kgm)/6,000rpm●装備重量:119kg●燃料タンク容量:6.5ℓ
車両本体価格:¥329,400(税込)●エンジン:空冷SOHC 4バルブ単気筒●総排気量:124cc●最高出力:7.2kW(9.8PS)/7,500rpm●最大トルク:9.9Nm(1.0kgm)/6,000rpm●装備重量:119kg●燃料タンク容量:6.5ℓ
オシャレして乗りたい ヘリテージスクーター
PEUGEO ジャンゴ125
車両本体価格:¥359,640〜381,240(税込)●エンジン:空冷SOHC 2バルブ単気筒●総排気量:124.6cc●最高出力:7.5kW/8,500rpm●最大トルク:8.9Nm/7,000rpm●乾燥重量:129kg●燃料タンク容量:8.5ℓ
車両本体価格:¥359,640〜381,240(税込)●エンジン:空冷SOHC 2バルブ単気筒●総排気量:124.6cc●最高出力:7.5kW/8,500rpm●最大トルク:8.9Nm/7,000rpm●乾燥重量:129kg●燃料タンク容量:8.5ℓ
モッズ御用達! 復活した名門スクーター
Lambretta V125 Special
車両本体価格:¥400,000(税込)●エンジン:空冷単気筒●総排気量:124.7cc●最高出力:7.5kw/8.500rpm●最高トルク: 9.2Nm/7,000rpm●重量:- kg●燃料タンク容量:6.5±0.2
車両本体価格:¥400,000(税込)●エンジン:空冷単気筒●総排気量:124.7cc●最高出力:7.5kw/8.500rpm●最高トルク: 9.2Nm/7,000rpm●重量:- kg●燃料タンク容量:6.5±0.2
これからのスタンダードになるか?未来型三輪シティコミューター
YAMAHA トリシティ125
車両本体価格:¥394,200、ABS ¥432,000(共に税込)●エンジン:水冷SOHC 4バルブ単気筒●総排気量:124cc
●最高出力:9.0kW(12PS)/7,500rpm●最大トルク:12Nm(1.2kgm)/7,250rpm●装備重量:159(ABSは164)kg●燃料タンク容量:7.2ℓ
車両本体価格:¥394,200、ABS ¥432,000(共に税込)●エンジン:水冷SOHC 4バルブ単気筒●総排気量:124cc
●最高出力:9.0kW(12PS)/7,500rpm●最大トルク:12Nm(1.2kgm)/7,250rpm●装備重量:159(ABSは164)kg●燃料タンク容量:7.2ℓ