SPECIAL ISSUE ピンクナンバー・バトル

いつの頃からか朝夕の通勤時間帯の幹線道路などで多く見かけるようになったピンクナンバーのバイクたち。信号が変わると、よ〜いドンッ! とばかりにスッとんでいく。よく見てみると、マフラーやミラーを変更していたり、ヘルメットが個性的であったり、キャリアのあるライダーが乗っているように思える。なぜ彼らはピンクナンバーを選んだのか。なぜ今、ピンクナンバーが増えてきているのだろうか。

text・サトウマキ、伊丹孝裕 photo:長谷川徹 [aheadアーカイブス vol.189 2018年8月号]

Chapter
朝晩繰り広げられるピンクナンバー・バトルの真相を探る!
ピンクナンバーという存在
伊丹孝裕のピンクナンバー インプレッション
街乗りにレジャーにツーリングに、 使える原付2種モデルをイロイロ紹介します!

朝晩繰り広げられるピンクナンバー・バトルの真相を探る!

アヘッド ピンクナンバー・バトル 朝晩繰り広げられるピンクナンバー・バトルの真相を探る!

ピンクナンバーという存在

アヘッド ピンクナンバー・バトル 朝晩繰り広げられるピンクナンバー・バトルの真相を探る!

ピンクナンバーとは、排気量が51〜125ccの道路運送車両法の車両区分で「第二種原動機付自転車」となる、91〜125ccのバイクのことだ(51〜90‌ccは黄色ナンバー)。

50‌ccまでのバイクは「第一種原動付自転車」となり、自動車の普通免許を持っていれば誰でも運転することができるが、ピンクナンバー(黄色も)になると「小型自動二輪免許」が必要となる。

日本では50‌ccを「原付」と呼ぶのに対して、小型二輪は「原付2種」や「原2」と呼んで区別されている。

そして今、このピンクナンバーが沸騰している!?

日本では気軽に乗ることができるバイクとして、原付バイクがスタンダードとなっているが、アジアやヨーロッパでは、125‌ccがスタンダードとなっている(ヨーロッパでは125‌ccまでは基本的にクルマの免許で乗ることができる)。

50‌cc以下の原付は日本独自の免許制度から生まれたものなので、海外では、ほとんど需要がないという状況だ。

現在、アジア諸国では、日本を上回る勢いでバイクの普及が進んでおり、そのマーケットのほとんどが125‌ccで占められている。そんなアジア諸国に向けて、各メーカーがこのクラスの拡大を図っていることや、ヨーロッパでも生活の足として125‌ccが数多く乗られていることからラインアップが充実、日本でもピンクナンバーのモデルの需要が拡大して来ているのだ。

そして、二輪ユーザーからも、現代のリアルな交通事情にアジャストする生活の足として注目が集まっている。

※画像は順に、Honda Monkey125、Honda CB125R、Honda Super Cub C125、YAMAHA TRICITY


原付2種には原付のような独自のルールはなく、ほとんどクルマと同じように走ることができる。しかし、自賠責保険は原付と同じで、任意保険もクルマの保険に加入していたら、ファミリー特約で補える。

コンパクトな車体は小回りが効いて、スクーターなら積載スペースが設けられたりしているので、クルマを出すほどじゃない距離には最適。

さらには、ビックスクータよりもコストは全然かからないし、置き場もそれほど困らないということもあり、最近は、小型二輪の免許を取得する人が増えて来ているという。ガソリンが高騰してきたこともあり、スーツ姿の通勤ライダーを多く見かけるようになった。ピンクナンバーは、まさに通勤快速でもあるのだ。

さらに、ピンクナンバーは趣味性よりも、利便性が高いシティコミューターとして独自の進化を始めている。

その代表が、乗り心地と安定性を追求したヤマハの3輪スクーターのトリシティである。登場したときは、近未来の乗り物のように思えた。そして、ホンダ2輪のEV化は、125‌ccから始まっている。

この9月に2輪では初となるハイブリッドシステムのPCXハイブリッドが登場し、今年中には完全EV化したPCXエレクトリックが登場する予定だ。また別の進化としては、ホンダのCB125RやスズキのGSX-R125といった、ピンクナンバーのスポーツモデルがフルサイズボディで登場するようになった。

さらには、ホンダ・グロムなどの125‌ccのワンメイクレースが行われたりと、趣味性を追求したモデルも用意されている。そしてモンキーやスーパーカブといった、原付として長年愛されてきたモデルも、最近になってピンクナンバーとして生まれ変わっている。

朗報として、原付2種の免許制度の見直しが行われ、小型二輪免許のAT限定であれば、2、3日の教習で取得できる見通しとなった。これが実現されたらピンクナンバーの敷居が少し下がるのではないだろうか。

あとは、駐車場問題が緩和されるのを待つばかりである。ピンクナンバーはライフスタイルに寄り添った、最強のコミューターでありながら、これからの進化が見逃せない存在でもあるのだ。

進化するHonda のPCX

Hondaの125ccスクーターPCXのラインアップに、量産二輪車用として初となるハイブリッドシステムが搭載されたモデルが加わった。さらには2017年のモーターショーにて登場した電動スクーター、ELECTRICの登場も控えている。原付2種というシティコミューターならではの進化がこれからも楽しみだ。
※画像は順に、PCX ELECTRIC、PCX HYBRID、PCX

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text:サトウマキ/Maki Sato
ファッション専門誌からバイク専門誌の編集部に転職した異例の経歴を持つ。現在はフリーランスのエディター&ライター。30代でバイクの免許を取得した。遅咲きながら、バイクへの情熱は人一倍、勉強熱心で努力家。ライディングの美しさには定評がある。

伊丹孝裕のピンクナンバー インプレッション

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