新世代ボルボの快進撃
更新日:2024.09.09
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賢明なる読者諸兄であれば、新世代ボルボの快進撃をきっとご存知のことと思う。XC90以降、右肩上がりの販売台数がそれを如実に物語る。昨年はミッドサイズSUV XC60が日本カー・オブ・ザ・イヤーを獲得し、現在、本国から日本国内販売分に割り振られる新モデルはすべて完売、バックオーダーを抱える状況が慢性的に続く、売れっ子カーだ。
text:今井優杏 [aheadアーカイブス vol.183 2018年2月号]
text:今井優杏 [aheadアーカイブス vol.183 2018年2月号]
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新世代ボルボの快進撃
しかし一方で、かつての姿、つまりカクカクの箱形ボディにふわふわゆったりドライブフィールを備えていたあの時代から、情報が刷新されていない人々も多いと聞く。
でもボルボはもう昔のボルボではないのだ。ボルボは変わった。その変化は実に明確だ。では何が変わったのか。何故変わったのか。
決定的なのは乗り味だ。根幹の性格が変わったと言ってもいい。厳しい北欧の冬の道に対応するため、ふわふわと柔らかいアシにルーズなハンドリング、緩やかなトルクバンドを備えていたそれは、初期から加速を楽しめる元気なトルクにシャキっとした機敏さを感じられるハンドリングを備えた、スポーティーなクルマに生まれ変わった。
何故か。一言で言うならば、技術の進化の賜物だ。特に電子デバイスの進化は決定的である。さらに110億USドル(=約1兆3000億円)という巨額の投資のうえすべてのエンジンを2リッター直4以下に抑え、将来の電化にも備えた新パワートレーン「ドライブ・イー」×新プラットフォーム「SPA」の組み合わせは、フォード傘下時代に雑多に散在していたパワートレーンを少数に絞り、またモジュール化することでCO2削減はもとより品質の均一性と生産性を上げることにも成功した。
つまり、この変化は「会社と自動車の未来を見据えた大英断」だったのだ。
また、デザインの洗練にも注目したい。内外装は本国のデザイナー曰く「スーパークリーン」を目指したということで、他のメーカーには真似の出来ない、しんと静まり返った湖面のような清廉な印象を放っている。面白いのは、現在ボルボの主要車種のデザイナーが、スウェーデン人及び北欧出身者のみで形成されていないという点だ。外国人が思い描く北欧らしさを、他国出身のデザイナーが形にしているというのはユニーク。北欧より北欧らしいデザインは、多くの人の心に響いているのだ。
以前、本誌の「永遠の一台」というコーナーにて、240GLを挙げたオールドボルボファンの私ではあるけれど、近代ボルボの変化は好ましく受け止めている。何故ならば、ブランド黎明期から変わらない安全への高い意識と技術が、そして暖かさに溢れた〝変わらなさ〟もそこに、きちんと存在しているからなのだ。
でもボルボはもう昔のボルボではないのだ。ボルボは変わった。その変化は実に明確だ。では何が変わったのか。何故変わったのか。
決定的なのは乗り味だ。根幹の性格が変わったと言ってもいい。厳しい北欧の冬の道に対応するため、ふわふわと柔らかいアシにルーズなハンドリング、緩やかなトルクバンドを備えていたそれは、初期から加速を楽しめる元気なトルクにシャキっとした機敏さを感じられるハンドリングを備えた、スポーティーなクルマに生まれ変わった。
何故か。一言で言うならば、技術の進化の賜物だ。特に電子デバイスの進化は決定的である。さらに110億USドル(=約1兆3000億円)という巨額の投資のうえすべてのエンジンを2リッター直4以下に抑え、将来の電化にも備えた新パワートレーン「ドライブ・イー」×新プラットフォーム「SPA」の組み合わせは、フォード傘下時代に雑多に散在していたパワートレーンを少数に絞り、またモジュール化することでCO2削減はもとより品質の均一性と生産性を上げることにも成功した。
つまり、この変化は「会社と自動車の未来を見据えた大英断」だったのだ。
また、デザインの洗練にも注目したい。内外装は本国のデザイナー曰く「スーパークリーン」を目指したということで、他のメーカーには真似の出来ない、しんと静まり返った湖面のような清廉な印象を放っている。面白いのは、現在ボルボの主要車種のデザイナーが、スウェーデン人及び北欧出身者のみで形成されていないという点だ。外国人が思い描く北欧らしさを、他国出身のデザイナーが形にしているというのはユニーク。北欧より北欧らしいデザインは、多くの人の心に響いているのだ。
以前、本誌の「永遠の一台」というコーナーにて、240GLを挙げたオールドボルボファンの私ではあるけれど、近代ボルボの変化は好ましく受け止めている。何故ならば、ブランド黎明期から変わらない安全への高い意識と技術が、そして暖かさに溢れた〝変わらなさ〟もそこに、きちんと存在しているからなのだ。
■Volvo XC60
日本カー・オブ・ザ・イヤー2017-2018のイヤーカーに輝いた他、北米SUV・オブ・ザ・イヤー2018を受賞。また2017年の大型オフロード車の中で最も安全性に優れたクルマとして2017年ユーロNCAPテストにおいてベスト・イン・クラスを獲得。ボルボは今、世界で最も注目されているブランド、と言って過言ではない。
◆D4 AWD[ディーゼルエンジン]
車両本体価格:¥5,990,000〜
最高出力:140kW(190ps)/4,250rpm
最大トルク:400Nm(40.8kgm)/1,750-2,500rpm
◆T5 AWD[ガソリンエンジン]
車両本体価格:¥5,990,000〜
最高出力:187kW(254ps)/5,500rpm
最大トルク:350Nm(35.7kgm)/1,500-4,800rpm
◆T6 AWD R-Design[ガソリンエンジン]
車両本体価格:¥7,240,000
最高出力:235kW(320ps)/5,700rpm
最大トルク:400Nm(40.8kgm)/2,200-5,400rpm
◆T8 Twin Engine AWD Inscription
[プラグインハイブリッド]
車両本体価格:¥8,840,000
<エンジン>
最高出力:233kW(318ps)/6,000rpm
最大トルク:400Nm(40.8kgm)/2,200-5,400rpm
<モーター>
最高出力:34kW(前)、65kW(後)
最大トルク:160Nm(前)、240Nm(後)
※総排気量は全て1,968cc
日本カー・オブ・ザ・イヤー2017-2018のイヤーカーに輝いた他、北米SUV・オブ・ザ・イヤー2018を受賞。また2017年の大型オフロード車の中で最も安全性に優れたクルマとして2017年ユーロNCAPテストにおいてベスト・イン・クラスを獲得。ボルボは今、世界で最も注目されているブランド、と言って過言ではない。
◆D4 AWD[ディーゼルエンジン]
車両本体価格:¥5,990,000〜
最高出力:140kW(190ps)/4,250rpm
最大トルク:400Nm(40.8kgm)/1,750-2,500rpm
◆T5 AWD[ガソリンエンジン]
車両本体価格:¥5,990,000〜
最高出力:187kW(254ps)/5,500rpm
最大トルク:350Nm(35.7kgm)/1,500-4,800rpm
◆T6 AWD R-Design[ガソリンエンジン]
車両本体価格:¥7,240,000
最高出力:235kW(320ps)/5,700rpm
最大トルク:400Nm(40.8kgm)/2,200-5,400rpm
◆T8 Twin Engine AWD Inscription
[プラグインハイブリッド]
車両本体価格:¥8,840,000
<エンジン>
最高出力:233kW(318ps)/6,000rpm
最大トルク:400Nm(40.8kgm)/2,200-5,400rpm
<モーター>
最高出力:34kW(前)、65kW(後)
最大トルク:160Nm(前)、240Nm(後)
※総排気量は全て1,968cc
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text:今井優杏/Yuki Imai
レースクィーン、広告代理店勤務を経て自動車ジャーナリスト。WEB、自動車専門誌に寄稿する傍らモータースポーツMCとしての肩書も持ち、サーキットや各種レース、自動車イベント等で活躍している。バイク乗りでもあり、最近はオートバイ誌にも活動の場を広げている。
text:今井優杏/Yuki Imai
レースクィーン、広告代理店勤務を経て自動車ジャーナリスト。WEB、自動車専門誌に寄稿する傍らモータースポーツMCとしての肩書も持ち、サーキットや各種レース、自動車イベント等で活躍している。バイク乗りでもあり、最近はオートバイ誌にも活動の場を広げている。