ahead INTERVIEW FLEX社長 藤崎孝行氏

アヘッド FLEX社長 藤崎孝行氏

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ハイエース、ランクルなど全国に39店舗の専門中古車店を展開するFLEXグループの若き社長、藤崎孝行氏に聞く

text:まるも亜希子 photo:菅原康太 [aheadアーカイブス vol.115 2012年6月号]
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FLEX社長 藤崎孝行氏

FLEX社長 藤崎孝行氏

▶︎Takayuki Fujisaki FLEX株式会社 代表取締役社長
1984年生まれ。早稲田大学在学中よりフレックスの経営に参画。専務取締役在任中は、企画・広報・IT事業を統括。Mini世田谷環七店をはじめとする新店舗のブランディング、CIもすべて藤崎氏が手掛けた。2012年1月よりフレックス株式会社の代表取締役に就任した。


国内の需要が伸び悩む新車・中古車市場の中にあって、新店舗のオープンや国際ラリーへのスポンサードなど、フレックスからはアクティブな話題が続々と届く。今年1月に代表取締役社長に就任した藤崎孝行氏は、そのパワーをどのように湧かせているのだろうか。「年頭から社内で言っているのは、まずは顧客満足を完璧にしようということです。これまではお客様とのやりとりなど、なかなか現場の感覚が本社まであがってきませんでした。

でも、これからはもっと社内の風通しを良くします。社員が報告したミスを叱らないことも大事ですね。お客様と社員と双方の現場の声を吸い上げて、分析して、何ができるのかを考える。そしてクルマが好きな人だけでなく、普通の人たちが入りやすい店舗、サービスを提供することに力を入れていきたいです」。 

最も新しくオープンした熊本の店舗は、コーポレートカラーのブルーとイエローを効かせ、スタイリッシュな外観に仕上がった。スタッフの制服をつくり、フレンドリーなコミュニケーションで顧客からの評判も上々だという。しかしランドクルーザー、ハイエースの専門店という特性を持ちながら、なぜ今そうしたコミュニケーションや見栄えを重視するのだろうか。

「実はランクルとハイエースが柱になったのは、マーケティングなどを用いた結果ではないのです。これまでアメリカ車やドイツ車など、様々な車種を扱って試行錯誤してきた中で、培った経験と勘でこうなったとしか言えません。加えて、もともとクルマが持っているポテンシャルが高かったんですね。そこから私どもが、アフターマーケットの世界での可能性を引き出すことができたということではないでしょうか。ですが、まだまだもっともっと、幅広い層のお客様に入っていただける可能性があると思っています。もともとお客様にはファミリー層が多いので、敷居を下げて入りやすくしてあげたいのです」。
▶︎全国にハイエース、ランドクルーザー、Miniなどの専門店を広く展開。専門店と聞くとマニアックに思えるが、ユーザーの使い方は実に様々。従って、誰にでも入りやすい店舗作りは今後のFLEXにとって不可欠と藤崎氏は言う。


なるほど、ランドクルーザーやハイエースは、一見マニアックで間口が狭そうでに思えるが、多彩な乗り方や用途をカバーできるクルマである。カスタムのベースとしてはもちろん、買い物、レジャー、スポーツやペットとのドライブなど、オールマイティに活用できる。たとえ最初の間口は狭くても、そのあとの広がりが大きいのである。ということであれば、フレックスが店舗の外観やコミュニケーションにこだわり、誰にでも入りやすい店舗づくりをするのも納得だ。

また、これまでは商品ラインアップを各店舗に任せてきたが、本社に商品開発部をつくり、商品力を高めることにも注力するという。「私どもはクルマを仕入れてそのまま売るのではなく、カスタムして売ります。言わばメーカーと販売店の中間的立ち位置ということで、瞬発力が求められますし、オリジナリティを打ち出していく必要があります。近頃はデザインの持つ力が変わってきていますね。ユニクロさんにしても、イケアさんにしても、それまでにも世の中にあったものを、デザイン力やブランド力でお客様に満足感を提供していると思います。私どもも、フレックスブランドを構築していきたいですね」。 

その一方で近頃、新事業としてアイスクリームカフェ(『プレミアムアイスクリームカフェ』)をオープンしたが、その意図はどこにあるのだろうか。「もともと飲食業はやってみたかったのですが、今、外国人が日本を訪れる理由の1位がグルメなのです。日本食は世界に通用するものだと思います。最初はアイスクリームになりましたが、中古車販売とはサービスの質がちがうので、ここから学ぶことも多く、お互いの良いところをクロスさせていきたいですね。業種はちがっても、根底ではつながっています。お客様にモノを売るのではなく、最高のサービスをして対価をもらう。それを私どもの核として、これからも攻めていきます」。
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text:まるも亜希子/Akiko Marumo
エンスー系自動車雑誌『Tipo』の編集者を経て、カーライフジャーナリストとして独立。
ファミリーや女性に対するクルマの魅力解説には定評があり、雑誌やWeb、トークショーなど幅広い分野で活躍中。国際ラリーや国内耐久レースなどモータースポーツにも参戦している。
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