デザインがモノを選ぶキモになる キスカデザインが造ったKTM

アヘッド KTM 690DUKE

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スピードに陶酔したいだとか、映画で憧れの主人公が乗っていたから、などという理由で、勢いのままバイクを選ぶ年齢ではなくなった。かといって、流行りのブランドにすがる時代ではないことも分かっている。

text:桜間潤 photo:長谷川徹  [aheadアーカイブス vol.118 2012年9月号]
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キスカデザインが造ったKTM

キスカデザインが造ったKTM

そんな40代も後半になったオトコが、今バイクを選ぶには、それなりの選択基準が必要になってくる。以前からモノの「見た目」にこだわってきた自分の場合は、まさに「デザイン」がバイク選びの鍵だ。とくにいま気になっているのは、プロダクトデザイン会社「キスカ」が深く関わっているKTM、中でも「690DUKE」である。

線と曲面を巧みに組み合わせた690DUKEのデザインは、他のどのバイクにもない独自性を持っている。そもそも、キスカはスキー板や工作機械、飲料水のボトル等のデザインを手がけるデザイン会社なのだが、KTMとは、単に見栄えのいいデザインを提案するだけの関係ではないという。

KTMが新たなバイクを造るときは、キスカがコンセプト作りに参加する。さらにKTMのマシンとして満足いくパフォーマンスを発揮するさまざまな部品にまでデザイン感覚を働かせながら、KTMと共同作業で開発を行っていく。一例を挙げれば、690DUKEや200DUKEに採用されているリア・スイングアーム。

強度は確保しつつキスカならではのデザインを盛り込むために、本来は隠すべきスイングアーム内側(裏面)を表側に見せてしまった。強度確保のために組み合わせた三角のリブは、トラス構造のフレームデザインと相まって、DUKEのデザインを際立たせるものとなっている。

機能をデザインの一部に取り込んでしまったところなどは、キスカデザインの正に真骨頂。今、690DUKEが気になるのはこういうところのデザインの巧みさにある。小手先ではない製品の背景にある「Ready toRace」というコンセプトを取り込んだデザイン。そういうモノにイイ歳をしたオトコは惹かれるのである。

また、オーストリアという、はっきりとした色の付いていない国の製品であることも見逃せない魅力だ。更に、元々独自性の強いKTMだけに、ブランド信仰でバイク選びをしたと見られることもなく、自分は流されていないことの主張もできる。

モノの本質を選択基準に置く年齢になったオトコが選ぶには、KTM、特に690DUKEは、心をくすぐられるに十分な理由を持っている。

KTM 690DUKE
車両本体価格:¥825,000
排気量:690cc
最高出力:70kW(51.5ps)/7,500rpm
最大トルク:70Nm/5,500rpm

●KTM JAPAN株式会社
TEL:03(3527)8885
www.ktm-japan.co.jp

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